突破口を見つけ出せ! 藤井氏の思考を分析する


このページでは、藤井氏の考え方に焦点を当てていきます。

藤井氏の考えは、雑誌「表現者クライテリオン」3月号の他、
テレビ番組「東京ホンマもん教室」(東京MX)2月26日放送回でも伺えます。

テレビ番組の方は、Youtubeで見逃し配信動画をご覧になれます。
https://www.youtube.com/watch?v=qdwLjOR23AQ

この2つを合わせると、藤井氏は主に次のような認識を持っていることがわかります。

・皇室の伝統は国民のための「祈り」であり、これが継承されることが大切
・染色体が継承されればいいという話ではない
・側室制度が無ければ、旧宮家男子を皇室に入れても安定しない

・男系継承でずっと続いてきたから、これを守るべきなのは当然
・男系継承でやるだけやって、いよいよとなったら消極的女系容認
・有識者会議の報告書は、「非常にバランスの取れた、良い報告書」
・有識者会議の2案は、万一、悠仁さまに男のお子様がお生まれにならなかった際の、皇位継承のスペア確保策(だから、良い案)
・旧宮家男子の養子案で、養子の引き取り先は天皇ご一家

賛同できる点できない点で色分けしましたが、こうして改めてまとめてみると、
藤井氏は皇位継承に対する定見がないのではないか、という思いを強く抱いてしまいます。

青字のような認識を持っていながら、なぜ男系継承に固執するのか。

それは、藤井氏にとっては「長く続いてきたこと」自体が守るべき価値だからなのでしょう。

誌上の座談会でも、男系維持を理想としながら、その理由は「長く続いてきたから」以外には誰も説明していません。

(施氏だけは、女系を容認すると、さまざまな勢力が婿を送り込んで、皇室の権威を利用しようとしてくる、という論を展開していますが、これはこれで(以下略))

長く続いてきたものには、歴史の叡智が宿っている。
だからそれを変えるのは慎重でなければならない。

というのが保守派の理屈です。

それはわかりますが、しかし、長く続いてきた前提条件(側室制度とセット)が崩れた時点で、その公式をこの問題に当てはめるのには無理があるでしょう。

前提条件が変わったのに無理やり続けようとした結果出てきた案が、有識者会議の2案です。

これを藤井氏は大変評価していますが、このような案で人生を振り回される当事者の気持ちを考えているのでしょうか。

以前、松田学氏の動画チャンネルで小林先生が強調されたことでもありますが、

「リアリティ」を意識して、現実に人に受け入れられる案でないと、いずれ破綻します。


そもそも、なぜ長く続いてきたもの=歴史の叡智を大事にすべきかといえば、

社会を安定化させ、人々の心を安らかにさせるため

でしょう。

いずれ破綻するだろう有識者会議の2案が、本当に「社会の安定化」「人々の心の安らぎ」に寄与するものなのか、藤井氏には考えていただきたいです。


側室制度無しでは男系継承は続かなく、側室制度を復活させることも不可能ということがご存知の藤井氏ならば、きっと双系派の主張を理解してくれるでしょう。

あるいは、もしかしたら双系派が納得せざるを得ない男系継承論を披瀝されるかもしれませんが、それは望むところです。

5月の十番勝負は、お互いの知的誠実さを懸けた大人の議論が展開されることを期待しています。



尚、上記の動画には、藤井氏の研究室で計算した、「男系男子の皇統」が持続する年数の確率分布の試算結果が示されています。

最近公論サポーターに加入された、まっぴーさんのご報告とコメントをご紹介します。

東京ホンマもん教室
(テーマ:①皇統論、②インタビュー自民党 西田昌司)
https://www.youtube.com/watch?v=qdwLjOR23AQ

※表題の試算の話は 16:30 前後からです。
※西田議員インタビューを挟んで、皇統の話は後半もあります。

藤井先生の立ち位置は必ずしも女系賛同を明言しておりませんが、現時点における男系男子の皇統継続がいかに危ういかはお話しされております。

科学的な考察からのアプローチは市井の民には必ずしも有効ではないと思いますが(上から目線でごめんなさい)、我々が知っておくのはアリかと思いました。

皇位継承の安定の方法論の一つ、女系容認の実現に向けて、あの手この手で取り組んでいければと思います。

まっぴーさんのご報告のおかげで、この動画の存在を知ることができました。
ありがとうございました。

藤井氏自身が動画の中で語っていますが、このような試算が無くても、常識があれば側室無しの男系継承は不可能とわかりますね。

でも、常識のない人も世の中にはいるわけで、そうした人達を説得するときの材料として有効だと思います。


文責:静岡県 L.K (「愛子天皇への道」実行責任者、30代、男性)

5 件のコメント

    チコリ

    2022年3月25日

    感動しました!

    長く続いてきたから、叡智とか伝統とか、高尚なものいいしてるけど、
    私にはどうしても、「男性で続けていくべき」という無意識の願望が強くあるとしか思えないんですよね。でなきゃ、おかしい。

    いずれにしても、十番勝負!はめちゃくちゃ期待しています!
    今からガンガン拡散して、1人でも多くの人に観て欲しいです。

    チコリ

    2022年3月25日

    感動しました!
    長く続いてきたから、叡智とか伝統とか、高尚なものいいしてるけど、
    私にはどうしても、「男性で続けていくべき」という無意識の願望が強くあるとしか思えないんですよね。でなきゃ、おかしい。
    いずれにしても、十番勝負!はめちゃくちゃ期待しています!
    今からガンガン拡散して、1人でも多くの人に観て欲しいです。

    基礎医学研究者

    2022年3月7日

    興味深く読ませていただきました。私も、藤井聡氏と施光恒氏が十番勝負への出演を快諾されたことは、思想を深める上でよいかと思います。自分も西部邁氏の思想から学ぶことが多かったので、その弟子筋に当たる方々が「安定な皇位継承」へのスタンスが定まっていないことは、少し憂慮致します。でも、だとすると、十番勝負で彼らも思考を深化させる余地がある気が一方でしますので、期待しております。

    ダダ

    2022年3月6日

    確かに藤井教授の言っていることはチグハグですね。
    元明天皇(母)から元正天皇(娘)への皇位継承は「天皇」という立場で考えると紛れもなく女系継承。
    男系で続いてきたという前提(伝統)を疑って欲しいです。

    京都のS

    2022年3月6日

     藤井聡氏と施光恒氏は、故西部邁氏の弟子なら「伝統」という「平行棒」を携えて綱渡りすることが保守の態度だと理解されているはずですが、にも拘らず「時効」だけを理由に既に「因習」と化した「平行棒」を後生大事にして綱から落ちかかっているように見えてしまい、残念に思っております。
     十番勝負への出演を快諾されたとのこと、西部氏の思想から大いに学ばせていただいた者として私も嬉しく思います。

     LK様、双系システム論(異様な長文)を乗せていただき有難うございます。

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