【愛子さま 皇太子への道の現在地】


● 再開された有識者会議


11月30日、皇位の安定継承のための有識者会議が4か月ぶりに再開しました。

詳細は、産経新聞にわかりやすく報じられています。

年内に最終答申へ 皇位継承有識者会議(産経新聞、令和3(2021)年11月30日)
https://news.yahoo.co.jp/articles/5568873bf1dd9f0bc174599f42ab1851c73164d6

これによると、岸田首相は安定的な皇位継承について、

「国家の基本に関わる極めて重要かつ大変難しい事柄」との認識を示した上で、

「7月に有識者会議がまとめた中間整理を尊重する考えを示し、「(中間整理の)方向性をもとに最終的な取りまとめに向け、引き続き十分に議論してほしい」と述べた」とのことです。


● 7月の中間整理とその課題


岸田首相が尊重するとした7月の中間整理の概要は次のようなものです。

  1. 皇位継承については、天皇陛下から秋篠宮さま、悠仁さまという流れをゆるがせにしてはならない
  2. 皇族数の確保策として2案併記
    ①女性皇族が婚姻後も皇室に残る
    ②旧宮家の男系男子が養子縁組などで皇籍復帰する

今回の有識者会議では、2. 皇族確保の2案について以下の課題が示されました。

①への課題:お相手や子供の扱いはどうするのか?
皇族の身分を保持しない場合、政治活動や職業選択などの自由を「制約することは困難ではないか」

②への課題:
・「養子となり得る者と国民の間の平等感」(意訳:国民を門地で差別することになるのではないか)
・「縁組機会の確保のしやすさ、養子を禁止している現行法との関係」

両案に言えることですが、なぜ当事者の人格を無視した駒のような扱いをするのでしょうか

個々人の考え方とは別に、人間として当たり前な、考慮すべき感覚というものがあるはずです。

①については、お相手や子供に皇族の身分を認めないというのは
「結婚は認めるが、親族としては認めない」
といっているも同然です。

初めからそんな態度を取る家に、入る人がいるでしょうか。

②については、皇籍に加わる人は、国民としての権利やこれまでの日常を捨てることになります。

そして、何かあったらすぐにバッシングしてやろうと手ぐすねを引いている、マスコミや大衆の面前にさらされることになるのです。

そんな中で皇室に入ることを決断してくれる方が出てくるのでしょうか。

このような当事者に振りかかる精神的圧迫を無視して、健全な制度設計ができるのかはなはだ疑問です。


● 今後の予定など


次回は12月6日に行われ、最終答申の骨子案が議論されます。


尚、今回の議事次第と資料は内閣官房HPで公開されています。

過去の事例や海外の事例、立法時の課題などがまとめられており、参考になります。

「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議 – 内閣官房
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/taii_tokurei/index.html

このうち、過去の事例に挙げられた徳川家茂に嫁した親子内親王(皇女和宮)については、皇室研究家・高森明勅先生が自身のブログで「時代錯誤」と断じています。

皇位継承問題、政府・事務方キーパーソンの驚くべき時代錯誤 – 明快!高森型録
https://www.a-takamori.com/post/211129


また、会議座長の清家氏は、最終報告は論点整理の枠内と説明したとのことです。

皇位継承への責任感に欠け、及び腰な様子が伺われます。

皇位継承策、年内に最終報告 政府有識者会議が議論再開(時事通信社、令和3(2021)年11月30日)
https://news.yahoo.co.jp/articles/f42fc4b434f362996d744f92cd5a320da344ed13


● 国会論戦に向けて – 国会議員を応援しよう!


最終報告が出され、政府から国会に報告されたら、議論の場は国会へ移ります。

この問題で期待する国会議員をまとめました。

  • 野田佳彦(立憲民主党、衆議院、千葉4区)
    首相在任時に女性宮家創設に動く。
    上皇陛下のご退位にあたり国会論議を主導。
  • 馬淵澄夫(立憲民主党、衆議院、奈良1区)
    野田議員と共に、上皇陛下のご退位に尽力。
  • 階猛(立憲民主党、衆議院、岩手1区)
    昨年の緊急シンポジウム「皇位の安定継承に向けて」に参加。
  • 小宮山泰子(立憲民主党、衆議院、比例北関東ブロック(埼玉7区))
    昨年の緊急シンポジウム「皇位の安定継承に向けて」に参加。
  • 玉木雄一郎(国民民主党、衆議院、香川2区)
    国民民主党代表。
    昨年の緊急シンポジウム「皇位の安定継承に向けて」に参加。
    皇統論議の進展にたびたび言及。
  • 榛葉賀津也(国民民主党、参議員、静岡県選挙区)
    国民民主党参院幹事長。
    上皇陛下の退位特例法制定に際し、参議院の採決時に与党議員が反対して全会一致とならなかったことに対し、民進党参院国対委員長として批判。
  • 山本太郎(れいわ新撰組、衆議院、比例東京ブロック)
    れいわ新撰組代表。
    女性・女系天皇に賛成。

ここまで、野党議員の紹介をしてきました。

与党議員としては、これまで主流派ではありませんでしたが、岸田政権で外務大臣に就任し、漫画家・小林よしのり先生との交流もあった林芳正氏(自民党、衆議院、山口3区)、上皇陛下の退位に尽力し、今選挙後に自民党に入党した細野豪志氏(自民党、衆議院、静岡5区)がいます。

他にも、河野太郎氏、二階俊博氏、甘利明氏といった、女性・女系天皇に言及してきた議員はいます。

しかし、彼らは権力の座にいながらこれまで動いてこなかった、という現実もあります。

論戦が本格化したときにどのように動くか、注目していきたいと思います。