「愛子さま排除法」について、東京MXの番組が取り上げました。
皇室典範改正と男系継承 指摘される課題 今後どう運用される?⑦(田村淳のキキタイ!/2026年8月15日放送)
記録のためTverで全編公開中に文字起こしをしてみました。
中央大学教授 大川真氏(専門 日本政治思想史 皇統論)
憲法学者 木村草太氏
フリーアナウンサー 登坂淳一氏
大学生パネラー
慶応義塾大学 長谷川真想氏
慶応義塾大学 榎本将也氏
畠中夢叶氏
【MC】田村淳氏
【アシスタント】中村仁美氏
田村氏:今週は皇室改正と男系継承についてお話を伺っていきたいと思いますが、畠中さん何か皇室典範について疑問、意見何でもいいんですよ。どうしても問題を起こしちゃいけないと思って縮こまっちゃうじゃないですか?皇室についての話って。僕もその年代の頃、皇室についての話をメディアでしようなんて思わなかったですね。今も本当、綱渡り状態。
畠中氏:そうですよね。私、大学でちょうど皇室典範についての講義を受けたんですよ。その時に「女系・女性天皇についてどう思いますか」っていう問いを、講義を受けている生徒に先生が出した時に、それに対するコメントシートで一番多かったのが本当に 9割ぐらいの人が「どうしてそんなに(男系に)こだわるんですか」っていう意見が多くて、大多数で。
私、ホリプロっていう事務所に入ってるんですけど、「ピーターパン」っていう舞台をやってて、ピーターパンって第一代のピーターパンが榊原郁恵さんで、女性の方がピーターパンを最初にやられて、そこから何代か続いてるんですけど、最初が女性だったっていうので、「女性じゃないといけないんじゃないか」っていう伝統をずっと守ってきてて、プロデューサーが毎回「次は男性にするのか」っていう意見が毎回出るらしいんですよ。似た側面があるんじゃないかな?自分のこととして考えた時に、やっぱりその伝統を守っていかなきゃっていう側面っていうのを考えた時に、やっぱり似たところがあるのかなって思いました。
田村氏:歴史で言うと全然、ピーターパンとかって浅いですよね。いいですよ。
中村氏:ちょっとこれまでの皇室典範の流れを見てゆきたいと思います。まず2001年に愛子様が誕生されました。ということで小泉内閣で皇室典範に関する有識者会議が行われます。ここでは「女性・女系天皇は社会の変化の中で象徴天皇制を安定的に維持する上で大きな意義」と示されています。さらに「旧宮家男系男子復帰は血縁の遠さ、身分強制につながる恐れなどから採用はめて困難」という報告書が上がっていましたが、 2006年に悠仁様が誕生されるとこれはうやむやになってしまいます。ですが、 2012年です。野田内閣で女性宮家創設案を検討することになります。というのも当時の宮内庁長官から皇族数の減少に対する危機感が伝えられたのがきっかけとなったそうです。小泉内閣関係者からも女性宮家を検討してはどうかという声もあったんですが、女性宮家は女系天皇につながるという反対意見もあったそうです。なので両論併記の論点整理にとどまったそうです。で、 2021年です。菅内閣で設置され、岸田内閣で有識者会議が行われました。この時に今につながるものが出来上がるんですね。「女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持できるようにする」。そして「皇族には認められていない養子縁組を可能とし、皇統に属する旧宮家男系男子を皇族とする」というのが出来上がり 2026年、高市内閣です。この時に立法府の総意として減少する皇族数確保について議論したんですけれども、法案提出時は議論されていなかった皇位継承についての一文が盛り込まれます。「養子本人は皇位継承資格を持たないが養子が生まれた子が男子なら皇位継承資格を持つ」という。これがまた問題になっている。
田村氏:登坂さん、こういう経緯があって、2005年に立ち上がったことが2026年でこうやって動いたということなんでしょうけど。
登坂氏:そうですね、20年 。2005年の小泉大学の当時、有識会議設置で、当時、私 、NHKでその政治番組っていう国会中継とかやるところも担当してたので、これ本当に勉強したりして女帝天皇とか女系とか色々勉強した。で、その後ですね。 2006年の予算審議の時に紀子様がご懐妊されたって一報が入ってきて、 国会中継中に。それでそこから確かにキュッと変わって悠仁様誕生ということになって。今、その次世代になってきたっていう感じになったので。でも今回改正されて、高市さんにとっては選挙公約でもあったので、これがまあ一つ一歩前進という感じなのかなという。長い年月はかかりましたけども。っていう感じかなと思いますけど。
田村氏:さあ大川さん、この流れを、皇室典範改正までの経緯はどのようにご覧になってますか?
大川氏:内閣の時の方向性としては、皇位継承者の資格を持つ人を増やしていく、あとは皇族数の増加とか 2つ両立でやろうとしたことなんですね。今回は皇族数だけを増やすってスタートしたんだけど突然、政府案の方では皇位継承資格に踏み込んで、やっぱり女性女系天皇論の可能性をそぐような形での一定の方針っていうんですかね。それが見られたことはやっぱり今の国民から反発を得てるっていうか。
田村氏:理解がね。騙し打ちじゃないかって声も上がった通り、本当に今まで議論しなかったのがスッと入ってきた。木村さん、やっぱりそれは反発があっても仕方ないのかなと思いますが、木村さんはこの経緯はどのようにご覧になってますか?
木村氏:男系男子に拘る人の拘り方がすごく強かったということかなというふう思います。多分、世論調査を取ると、女系女性天皇容認が多いと思うんですけれども、そういう人たちは「別に割とどうでもいいからどっちでもいい」って言ってる人が多くて、「男系男子じゃないと嫌だ」って言ってる人は「もうそうしないと選挙で投票行動を変えるよ」という位、強い熱意を持っているので、政治家さんとしては、そっちの方を向くのは当然かなという経緯だったように思いますね。
田村氏:僕も男系男子がそのまま何も問題なく、継いでいけるんであれば、それでいいじゃないかとは思うんですけど、でもそれが限界に来てるというか、このままだと立ちゆかなくなるという、今、その局面にいるわけです。
木村氏:もともと男系男子で世襲できてたのって天皇に側室がたくさんいたからじゃなって。伝統がどうのこうのってなら側室も復活さなきゃいけないんですよね。
田村氏:ってことになりますね。だって側室の制度があったからを守ってこられたっていう。
木村氏:逆にヨーロッパは一夫一妻で離婚も禁止してるカソリックの強い影響で家族を作ってたので、でも男系男子なんかできないんですよね。という背景があるので、別にヨーロッパが特に立派だったわけでもなくて、別に日本でもヨーロッパでもそれなりに西洋的な必然性があってそうなってるっていうことです。
田村氏:大川さん、このあたり、どう捉えていくいけばいいと思いますか?
大川氏:そうですね。伝統の復活っていうことで言えば、伝統を守るって言葉で言えば、明治皇室典範が養子を禁止してるんですよね。男系男子だけ伝統を認めて、養子については禁止なしにしようっていうのはちょっとダブルスタンダードじゃないかっていう。
田村氏:伝統を重んじるのであれば養子も伝統の中に組み込まれてたんじゃないかってことですね。
大川氏:そう。これは伊藤博文が設計した案なんですよね。つまり一つの家で守らないと、養子であるといろいろ混乱が残るっていことで、養子禁止にしたわけなんですね。
田村氏:というここまでの話聞いて、大学生の方々、長谷川君、質問とかありますか?
長谷川氏:自分はやっぱり2600年、その歴史的事実として男系男子が紡がれてきたっていうところにまあ価値を感じるというか、自分なんて 19年しか生きてないわけで、やっぱり後世にも 2600年と聞くと、繋いでいかなきゃいけないのかなと思っていて、まあ今回の養子っていう形は筋ではないですけど、論理的な結果だったのかなと思うんですけど。逆にどんな方法だったりとか、どんなやり方が模索されてたのか、あったのかっていうのは聞いてみたりいですね。
木村氏:今の歴史の授業だと 2600年前の神武天皇は実在でしたって習うんですか?
長谷川氏:そうですね。
登坂氏:古事記とか日本書記とかなんですけど。
田村氏:そこはなんとなくですか?
長谷川氏:はい。なんとなくなんですけど…
田村氏:なんとなく。じゃ大川さん、これなんとなく、じゃダメですよね。
大川氏:神武天皇と特定できる天皇は、やっぱりいなかったってことなんですよね。時期は大体、縄文の晩期とか弥生時代の初期にあたりますので、その時から神武天皇っていうのがいたっていうのはやっぱり考えにくい。あとはY染色体もそうなんですけど、神武天皇やつ、測れないですよね、そもそも。どこにあるか分からないわけだから。疑似科学的なものが、勢いを持って、特にSNSの世界で非科学的な説の方が力を持つっていうことはちょっと懸念してます。
田村氏:どこからデータ的に男系がちゃんと継がれていってるっていう風に言えるんですか ?
大川氏:今の考えで言うと、継体天皇のあたりからの筋が大体、一つの王朝だって言うんですけど、ただ例えばですね。これ男系って言った場合に簡単に言えば男で繋がりますよね。簡単に言えば父から息子なんですよ。父-息子で繋いでた時に 125回継承してるんですけど、 60回、実は父-息子継承じゃないんですよ。兄弟継承が一番、その中で多くて。また、あるのは母と息子。
田村氏:母-息子。
大川氏:天智天皇はお母さんから受け継いでるわけ。元明-元正っていうのはお母さんから娘なんです。
田村氏:お母さんから娘。女性から女性ですよね。
大川氏:これ辿ってくると、遠い先祖が天皇で男系になるからってちょっと無理筋になるんですよね。
田村氏:っていう事実があることを木村さん、その「男系じゃないとダメなんだ」っていう人に提示したとしても、「いやいや男系は男系なんだから、今もそれを守らなきゃいけない」ということなんですよね。
木村氏:そうですね。だからどちらかというと「井上毅という明治期に活躍した法制官僚の言っていることを守りましょう」と言っている。井上毅がそう言ったのは、要するに「男尊女卑が明治憲法の国是であったので、その筋を通すとそうなった」というだけなので。
田村氏:その憲法の筋を通すと「女性天皇を認めるわけにはいかない」ってことに?
木村氏:要するに男尊女卑ってってことです。
中村氏:そもそもですね、この時の旧皇室典範の総案の条文には、「皇族中男系タユルトキハ皇族中女系ヲ以テ継承ス」として、女系を容認してたんですけれども、井上毅氏が日本は男尊女卑だから、女性天皇よりも夫の威厳が大きくなるかもしれないと。そして仮に女帝に源姓の夫を迎え子が生まれると、王朝は源姓に変わってしまうんじゃないかということで、やっぱりこれは男子、男系で繋ぐということなんですね。
田村氏:無茶苦茶な理屈だなと思いますけど、榎本さん、どう捉えます?明治くらいからですよ、男系に拘り始めたっていうのは。
榎本氏:ぶっちゃけ僕も、今回の皇室典範改正があるまでは、男系とか女系とか女性天皇とか違いわかってなくて、ぶっちゃけ今の若者も説明できる人、ほどんどいないんじゃないかって。
田村氏:俺だって説明できないもの。でも男系で継いでいけるんだったら、その方がいいじゃない。本当に継いでいけるんだったら。でもそれも側室制度がなく継いでいくって。もうそんなに男の子ばっかり生まれるって確率の方がね。
榎本氏:低いですよね。でも 2600年も続いたってなるなら、やっぱり日本の伝統的に続けた方がいいのかなとは思うんです。
田村氏:いつもそこが気になるんですけど、大川さん、本当に2600年続けられたんだったら、そのシステムを使えばいいじゃないか?なんですよね。
大川氏:戦前の皇国史観になるんですよね。今の歴史学で2600年続いたっていうのは、やっぱり歴史学者で言う人はまずいない。
田村氏:なるほど。
大川氏:ただ、それが今の保守思想家でそれを言うと、やっぱり受けるわけですよね。ちょっと聞いててびっくりしたのは、若い人たちが普通に「2600年」って、戦前のストーリーをするっていう。これが普通に出てくるっていうのは、今日、聞いてて、ここは靖国が近いけれども、なんかそういう近いような発想なのかなというふうに思いましたけどね。
登坂氏:2600年は伝説というか、そこも含めて2600年。確実だったら 1300年、1500年ぐらいかなとかっていう認識でしたけど、確かにそういう認識なんだなっていうのは。確かに続いてきたものこれって本当にすごい。普通に一般家庭の普通に子供を授かるということと考えた時だとしても、命の誕生ってすごい奇跡的じゃないですか。だからこれを本当にずっと紡いでずっと連綿と繋がってきたっていうこと自体はすごくことで、確かにこれが続けていけるんであれば、それを伝統として続けていける方向に、今、悠仁様まではね、いますからっていう感じは持ちますけどね。
田村氏:でも今度ね、その次の世代がまたどうなるかが、まだ不確定なわけですから、じゃあ急に天皇家だけ側室がオッケーになるっていうのは理解示せます?
長谷川氏:最初は難しいと思いますね。
田村氏:でも継いでいくためには、日本の伝統なんだよって言ったら、どうですか?
畠中氏:あまりにもかけ離れすぎてて、ちょっと受け入れ難いのかなって気がします。
長谷川氏:伝統を守るためだったりとか、悠仁さま一人にプレッシャーをかけ過ぎないためにっていうんだったら…
田村氏:側室制が急に悠仁さまから?
木村氏:側室の前に、女性、女系天皇を認めるっていう手もありますからね。
田村氏:その一手だけしかないですもんね。
木村氏:普通の国民は別に女の人だから財産継げませんませんっていうことはないですからね。
大川氏:世界だと直系長子相続ですよね。だから今、天皇家は愛子さまが継いでいくって形ですけど、そういう世界の王制と比べて、なんかね、それじゃダメだって理由はあるんですか、若い人たちは?
田村氏:どうですか?愛子さまがいらっしゃいますけど。
長谷川氏:そうですね。やっぱりちょっとこの先になってくると、ちょっとわからないところはあるんですけど、やっぱり今、愛子様を天皇にしてしまうと、現在、正式に継承権を持ってる悠仁様が落ち度がないのにっていうところではあるかなっていう風に思います。
田村氏:なるほど、今のね。でも気持ちとしてはどうですか?愛子様が継いでいくっていうことに関しては?
長谷川氏:そうですね…
田村氏:納得度はない?
榎本氏:いや納得…
田村氏:難しいよね。ごめんなさい、こんなパスを出した私のミスだと思います。
皇室典範改正と男系継承についてお話を伺っていきたいと思いますが、大学生もやはり困惑するような事態になっている、登坂さん大人もそうですけどね。
登坂氏:そうですね。確かにこれはなかなか考える。でも大学生だから悠仁様と同じぐらいか同い年。僕は悠仁様誕生を伝えたのでニュースで、2006年。皆さんは同世代だから確かに考えるきっかけには一つなるかな。難しいことではあるけど。
中村氏:では皇室の皆さんはどう思われてるのかということなんですけれども、そもそも制度に関わる事項については言及することは難しいと皆さんしてるんですけども、天皇陛下は「国民の皆さんの理解が得られるものになることを望んでおります」とお言葉述べられています。そして 8月 13日、つい最近ですね。秋篠宮様も「先般、天皇陛下が話されたことももっともだと。その通りだと私も思っています」として、「やはり喋るのは難しい」としてるんですけれども、「やっぱり世の中って進歩していくことが大事ですから、常にどうなったらいいのかということをですね、いろんな人が考えていくことが大事だなと思います」と表明されています。
田村氏:陛下のお言葉として「国民の皆さんの理解が得られるものとなること望んでおります」ということですけど、大川さん。
大川氏:そうですね。いま今の憲法では天皇はやっぱり国民の統合の象徴なわけですよね。象徴っていうのはかずの立法府だけじゃなくて、やっぱり国民からですね。支持され愛される皇室の在り方っていうことを念頭に置いてお言葉だと思います。
田村氏:木村さんはどう捉えましたか?
木村氏:まず政治的権能を天皇は持たないということなので、皇族や天皇の言葉ということを何かの根拠にすることは、避けなくてはいけないということですが、一方で養子を取るってことになりますと、養子を取るかどうかの決定を天皇家の誰かがやるわけですね。なので、「この人で国民の理解を得られるのか」という高度な政治的判断を天皇家に委ねてないかということは、問題になりますね。
田村氏:そうか。「私は養子を取ります」という言葉を自分で決断して言わないといけないってことですよね。
木村氏:「この人ならOKです」って相当な政治的判断ですからね。
田村氏:確かに。そうなると登坂さん。制度があったとしてもなかなか…
登坂氏:確かにどんな風にやっていけるのかって。皇室典範改正の条文とか見てみたら、「養子を取る時は皇室会議の儀を経て決める」っていうことになってるので、皇室会議で決められるっていうことは条文には書いてありましたけども、でもとはいえ、その意思を出すっていうかね、それをやる。そして決めるっていうのは非常に難しいですよね。どうなのかなっていう感じがします。
田村氏:大川さん、秋篠宮殿下が発したお言葉というのは、すごく、ここまで、なんていうんですか、ギリギリのラインをというようなメッセージにも受け取れますが…
大川氏:非常にご配慮された慎重な言葉だったと思います。もう一つ、「天皇の務めはやっぱり男女共に変わらず」っていうお言葉もおっしゃってましたよね。この言葉もやっぱり考えなくちゃいけない言葉だと思うんですね。
田村氏:なるほど。「男女共に変わらず」という言葉があったってことですけど。
中村氏:では、実際に男系男子の養子を運用するとどういった課題が起こるかというところです。まずは「実際に本当に養子に応じる旧宮家家の男子はいるのか?」というところです。というのも旧宮家の皇籍離脱から、もうおよそ 80年が経っています。対象となる人は生まれた時から一般国民として生活しているので、皇族となれば生活は一変します。これを受け入れる人がいるのか。
さらに先ほどありました「国民は受け入れられるのか?」ということです。これ 36親等から 38親等の隔たりがある遠い傍系なんですね。これを受け入れられるのかというところです。
そして「恣意性は?」ということなんですが、養子と養親となる皇族の意思を確認して、双方の間を取り持つ際、時の政権の意向などによって恣意的な力が働かないかどうかというところも心配されています。
さらに「憲法違反にならないか?」ということですが、国民の中から旧宮家という特定の家柄だけを皇族に引き上げる制度、これは憲法 14条で禁じる「門地による差別」になるのではというところです。
田村氏:さあ、旧宮家男系男子の養子運用の課題については、大川さん、どのようにお考えですか?
大川氏:そうですね。木村さんもおっしゃってましたけども、やっぱり非常に難しいマッチングですから、受け入れる側と手を上げる側が。一方的に手を挙げて「行きたいです」って言っても難しいわけですよね。
田村氏:お互いが納得しないといけないので、旧宮家の方から仮に手が上がったとしても、今度、天皇家サイドから「じゃあいいよ」という。両方からですよね。
大川氏:あと 15歳以上ですけど、 15歳ぐらいの子供がですね、そんな難しい判断をできるかどうかっていうのはちょっと酷だと思うんですよね。
田村氏:ってなるとこの男系男子の、旧宮家による男系男子の養子はなかなか成立しなさそうという見立てですか。
大川氏:まあこれは小泉内閣の時の一つの答申になったわけですよね。なかなか難しいということは。
田村氏:なるほど。登坂さん、やっぱり難しい、難しいですよね。
登坂氏:そうですね。どれも難しいなという感じはしますけれども。ただ、もし養子を取った場合に、条文に「民法798条の規定は適用しない」って書いてあって、なんだろうと思って。養子を取った後に未成年だと家庭裁判所の許可がいるみたいなのが民法の規定にあるみたいですが、それは適用しないというふうには書いてありましたけども。ただ、本当に国民が受け入れるのかっていうのは難しいのかなって。
田村氏:皇室から離れていた旧宮家がこういう事態なんで、「うちの養子に」って言った時に、皆さんが受け入れられるかどうかですよね。そこからの血筋の方が天皇になられた時にどうですか。
榎本氏:やっぱ悠仁様とかって幼少の頃からテレビとか出てて、やっぱ日本国民、全員慣れ親しんでるじゃないですか。そこでなんか養子縁組の方が来られても、日本人からちょっと理解がなかなか。
畠中氏:やっぱり出てきても批判とかもすごく多くなってしまうんじゃないかなとは思いますね。
田村氏:そうだし、自分がその立場になった時になかなか「じゃ私が」っていうのも難しくないですか。
畠中氏:すごい怖いなっていう風に思ってしまいます。
田村氏:大川さん、これもなかなか難しい…
大川氏:相当、ハードルがありますよね。皇室っていうのは単に即位するだけじゃなくて、色々なお務めもあって、外交や祭祀、お祀りもあります。こうったことをいきなり言ってですね、どうなるかって。これもまた難しいことですよね。そうですね。
田村氏:引き続き皇室典範改正と継承についてお話を伺っていきたいと思いますが、課題は山積みです。
中村氏:続いてはですね、女性が残る場合の課題です。こちら女性皇族が一般の国民と結婚した場合、「夫と子供は皇族としない」とあります。これによっていろいろなことが生まれるんですよね。
一般国民の夫と子には政治活動には制約はなくて、職業の選択も自由になります。さらにですね。実際にどこに住みどう生計を立てていくのか。政府は「御用地に住んでいいですよ」と言ってるんですけど、これはどうするのか。
さらに公的な支援や配慮、その一般国民の夫と子供にどこまでするか。
あとはご夫妻やご一家で当たられるケースが多い各種行事などをどうやってやるのか。一緒に登壇させるのかどうか。
あとは護衛の皇宮警察本部がどこまで守るのかというところもあります。
そして住民基法台帳の改正ですね。これも「皇室に残る女性皇族には住民基本台帳法を改正して適用する」としてるんですけれども、家族内に皇族と一般人が混在する形になります。皇族の身分を保つため戸籍がない妻と一般戸籍の夫や子供が同居するこの不都合をどうやって解消していくのですか、ということです。
登坂氏:「新しい家族の形」みたいなね、このふざけた感じで言うことじゃなくて、本当に…
田村氏:「伝統を重んじなきゃいけない」って言ってたのに、新しい家族のあり方になったみたいな…
登坂氏:みたい感じのイメージを用いてしまいがち。だから本当にどういう風にするのか。あと男性、一般の男性が入って皇族にならないっていうのは確かにそれは、女性が皇族と結婚すると、民間から普通に皇族になられることは今までもあった。男性がっていうのはない。
田村氏:自分は一般人ではあるけども、奥様が皇室の方ってこと。
登坂氏:だからすごくどういう風に、そのいろんなことをやっていくのかっていう。公の行事っていうのはなかなか。役割があるのかっていうね。
田村氏:あと「御用地に住んでいいよ」って言われても住みづらいような気もする。それはわかんないですけどね。僕はその立場になれないけど。木村さん、なかなかこれも課題としては大きな課題だなと思いますが。
木村氏:でも住まないと、今度はじゃあ「女性皇族の人が団地に住んで隣にいるのか」みたいな。
田村氏:住まざるを得ない。それか離れて。
中村氏:別居婚。
田村氏:別居婚という形をとるのか、わからないですけどね。
木村氏:日本ほど、同居の義務があるのって…
田村氏:そうなんですね。
木村氏:婚姻はね。あと政治活動の制約がないのもなか面白いですよね。
田村氏:政治活動ができるようになるってことですか?
木村氏:だから「皇族の〇〇さんの旦那さんが立候補しました」
田村氏:じゃ、御用地にいながら、立候補することも可能?
木村氏:あるってことですよね。そもそも皇族数って言いますけど、皇族の人がこうもやらなきゃいけないなんて法律も憲法もないわけですよ。だからなんで公務をやるために、女性の皇族数を確保しようって方向になるのかってことも問題で。もともとそんな公務っていうこと自体がおかしかったんじゃないかという議論をした方が良かったと思います。
田村氏:なるほど。大川さんはどう見ますか?この課題は?
大川氏:木村先生がおっしゃる通り、やっぱり天皇はまずは国事行為をしなくちゃいけない。公務はその歴代の天皇の自発的なボランタリーの意思に基づいてってるっていうことなんですね。ただ、そういった公務が、例えば今で言えば災害であったり、慰霊地の訪問であって、そういうお姿を見て、私たちが天皇に対する敬愛を築き上げて、これが今の象徴天皇制の核なわけですね。これなしにはやっぱり今の象徴天皇制は持続できないという考えるのが普通だと思うんですね。
田村氏:なるほど。ってなるとこの女性皇族と家族の問題もなかなか「これが答えだ」みたいな風にはすぐには出てこないんですよね。
大川氏:経済的な問題を、もう少しちょっと政府頑張ってくださいっていうことなんですけど。一番やっぱり懸念するのは、木村先生がおっしゃったんですけど、政治活動ですよね。パートナーのね。実際、戦後で旧宮家の出身の方が新興宗教に関わったりとか、立候補されたり、実際あったので、今、多分それやっちゃうと、結構、票集める可能性が。
田村氏:ある程度の大きな政治団体になり得る。
大川氏:だからそこは非常に危惧はしてます。
田村氏:どうですか、長谷川さん。
長谷川氏:そうですね。もうちょっと別のやり方があったんじゃないのかなって思うところではあって、実際、木村さんがおっしゃったように、公務って絶対やらなきゃいけないものではないと思うので、公務を減らすだったりとか、他の関係者の方にお願いするとか、そういった対策も議論されるべきだったんじゃないのかなっていうふうには思います。
田村氏:榎本さん、どう思います?立候補する可能性だってあるわけです。
榎本氏:それだったら結構、その思想の方からの支持が…
田村氏:得られるでしょうけど、でもそれで果たしていいのかっていう。畠中さん、どう思いますか?
畠中氏:政治の自由が出てくるっていう側面を聞くと、もうなんて言うんですか、めちゃくちゃすごい怖い部分だなと思いましたし、やっぱり皇族の方と一般人の方が混在するような形っていうのは、私たちが自分ごとしては捉えるのは難しいですけど、もう暮らしていくのもいろんな難しいことがあるのかなと思う。
田村氏:いろんなハードルがきっとね、そうなってみないと分からない問題点も出てきそうですからね。けど皇室典範も改正されましたからね。今後の運用をどうしていくのかね、見守っていきたいと思います。
ここからは月イチ企画「キキタイ思考実験室」です。
中村氏:思考実験とは頭の中で特定の状況や条件を設定し、論理的な推論によって結論を導き出す思考の手法のことです。このコーナーではそんな思考実験の問題を現代の社会問題を絡めながら専門家の方々や大学生の皆さんと一緒に番組内の結論を導こうという企画となっております。
田村氏:さあ、今日のテーマこちらです。「テセウスの船」です。
中村氏:何をもって同じものと言えるのか。皆さんが思う同一性について伺います。
VTR
同一性とは何をもって保たれるのでしょう?昔、ギリシアのアテネにはテセウスという英雄がいた。英雄テセウスが怪物ミノタウロスを倒し帰還したときの木造船が後世に残されるため大切に保管された。しかし時間が経ちあちこちが古びてくると傷んだ箇所を新しい部品と置き換えていった。さらにあちらが朽ち、こちらが傷み、数十年経つと、すべての部品は新しいものに変わっていた。果たして、すべて新たな部品となった木造船は元の『テセウスの船』と同じと言えるのか。
思考実験 テセウスの船
同一性とは何をもって保たれるのか?
”存在の自己同一性・アイデンティティ”を問う実験
連続性を重視
全部部品が変わっても その過程が途切れず機能や名前が継続
→『テセウスの船』とみなす
構成要素を重視
すべての部品が変わってしまうと もはや『テセウスの船』ではない
さまざまなパターンで考えてみましょう 次の5つのうち、あなたは何処まで
『テセウスの船』とみなしますか?
A元々のテセウスの船
B一部が朽ち一部を別の部品に置き換えた船
Cすべてが違う部品に置き換わった船
D保存していた元々の船の廃部品から新たに組み立てた船
E元々の船と同じ設計図をもとに最初から作った船
そのほかにもメンバーが全員、入れ替わったアイドルグループは
同一グループと言えるのか?
元々の設計図を元にコンクリートで作られた天守閣は
本物の天守閣と言えるのか?
二十年ごとに行われる伊勢神宮の式年遷宮 すべて新しく建て替えられるが
伊勢神宮に変わりはあるのか?
また『テセウスの船』に関連してこんな指摘もなされています。
皇位継承において女系天皇を認めた場合、
それは本当に皇室として継承されたのか?
それとも天皇陛下の血筋ならば女系でも
皇室は問題なく維持されているとするのか?
あなたは何をもって同一性が保たれていると思いますか?
田村氏:畠中さんはDまで?
畠中氏:例えたがりで本当に申し訳ないんですけど、私は考える時にやっぱり
学が足りないので色々例えながら考えて AKBで例えた時に
ABCDまでは想像がついたんですけど、ちょっとEだけは。
仮に秋元さんが AKB集めようって言ったとしても、私の中では違うなっていう風に。
長谷川氏:自分は形が似てるかどうかっていうところよりかは、
その決まりとかルールが引き継がれているかっていうところに
本質とか同一性があるかなっていう風に思ったので、自分の中では
Aと Bなのかなって。
榎本氏:僕も長谷川と一緒で Aと Bかなって思います。
田村氏:なるほど。全てが違う部品に置き換わったら、もう違うものになってしまうと。
僕はお城が大好きなんで、よくコンクリートのお城があるんですよ。
だけど、僕はその場所にあったのだからお城としては認めるけども、
価値は失ってるよっていう風に僕は言ってるんですけど、登坂さんは?
登坂氏:似てますね。Dのもともと保存してたもの。そこから
新たに組み立てたその部分が多いというか、あると再現性が、
割合が多ければちょっといいのかなというふに思いますね。
木村氏:目的によるので「答えがない」というのがこの問題。
どういう目的で『テセウスの船』を定義したかによって
回答が変わるので「AからEのどれかですか?」ではなくて、
「あなたはどんな目的で『テセウスの船』のを定義しますか」って
訊くのが正しいんです。問いが間違いです。
こういう正しい問いを立てると、この問題は消失するので
番組の作り方としてはとても正しい。
大川氏:私たち自身が『テセウスの船』ですよね。
つまり生まれた時からの細胞って残ってないでしょう。
細胞は分裂でどんどん死んでいって、新しい細胞が作られるじゃないですか。
そこで私たちの同一性って何処で保たれるかだけど、多分、記憶。
だけど記憶を失った人は同一人物じゃないとも言えないじゃないですか。
ってなってくると、どんどん問いが深まっていく。一応、哲学専攻の教授なので。
木村氏:法学専攻なので。
田村氏:専攻するものによって、全然、答えも変わってくる。中村さんはどうですか?
中村氏:私はなんか答えづらいですけど、そのものに心を寄せるために
それがあるのであれば、まあ形とかルールとかが決まってて、
コンクリートであっても…あ、コンクリートはダメかな。
木村氏:最初から目的から入ったんでしょ?
中村氏:目的はそれです。心を寄せるためのものだとしたら。
田村氏:式年遷宮はすごく良い仕組みだなと思うんですけど、
新しいものにはなってるんだけど、この式年遷宮自体が、
ずっと語り継がれてきてるわけですよね。
大川氏:だから神道の思想ってリフレッシュの思想なんですよね。
常に更新して新しいものを生んでいくってことだから、
エネルギー自体がアイデンティティ、新しくどん湧き出てくるような。
大学生の方が「2600年云々」と男系固執で側室もOKというのは驚愕。
高校の歴史教科書を教科書をもう一度学び直しては如何でしょうか。
大川真氏が非常に真っ当な意見で、特に
「天智天皇はお母さんから受け継いでる 元明-元正っていうのはお母さんから娘
これ辿ってくると、遠い先祖が天皇で男系になるからってちょっと無理筋になる」と
地上波で述べられたのは、特筆すべきことではないかと思います。
また、木村草太氏の公務への見解に対して、今の象徴天皇制の核と応えられたところも
非常に興味深く。
木村氏:(女性皇族の配偶者が御用地にいながら、立候補することも)あるってことですよね。そもそも皇族数って言いますけど、皇族の人がこうもやらなきゃいけないなんて法律も憲法もないわけですよ。だからなんで公務をやるために、女性の皇族数を確保しようって方向になるのかってことも問題で。もともとそんな公務っていうこと自体がおかしかったんじゃないかという議論をした方が良かったと思います。
田村氏:なるほど。大川さんはどう見ますか?この課題は?
大川氏:木村先生がおっしゃる通り、やっぱり天皇はまずは国事行為をしなくちゃいけない。公務はその歴代の天皇の自発的なボランタリーの意思に基づいてってるっていうことなんですね。ただ、そういった公務が、例えば今で言えば災害であったり、慰霊地の訪問であって、そういうお姿を見て、私たちが天皇に対する敬愛を築き上げて、これが今の象徴天皇制の核なわけですね。これなしにはやっぱり今の象徴天皇制は持続できないという考えるのが普通だと思うんですね。
「愛子さま排除法」によって、ますます「愛子天皇論」が高まっているのも
愛子さまが成年を迎えられた際の麗しい御姿と、会見での卓越した受け答え、
学習院大学ご卒業後の御公務における素晴らしいお振る舞いの数々が、
国民の心を動かし、敬愛を築き上げているから。
さらに「神道の思想ってリフレッシュの思想
常に更新して新しいものを生んでいく
エネルギー自体がアイデンティティ、新しくどん湧き出てくる」とは
時代に合わせて変わることで連綿と続いてきた
皇室の在り方そのものであり、式年遷宮を初めて行った
持統天皇の偉大さに改めて瞠目しました。
「愛子天皇への道」サイト運営メンバー まいこ