
カンヌ映画祭で脚本賞を取った是枝裕和監督の最新作「怪物」を観た方はおられるでしょうか。本作は「怪物」とは何だったのか?が問われるべき作品だと考えます。
(ネタバレ注意!)
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本作は3章に分かれています。ある地方都市の小学校で起こったイジメ事件を、当事者の母親、担任教師、当事者(生徒)という3視点から眺めた時に見え方が全く異なるという構造です。
1.小学5年生の息子・麦野湊(黒川想矢)が虐めを受けていると感づいた母・早織(安藤サクラ)は学校へ問い質しに向かいますが、校長(田中裕子)も教頭(角田晃広)も要領を得ない態度に終始し、担任(永山瑛太)が出てきてもテンプレ謝罪を述べるだけです。ある日の夕方、車内で「湊が普通に結婚して家庭を持ってくれることが願い」と母が伝えた時、湊は反射的に車外に飛び出してケガを負いました。
2.麦野湊らのクラス担任・保利(永山瑛太)は熱心な教育者で、彼の目には麦野湊が問題児だと映り、星川依里(柊木陽太)を虐めているという情報も聞かれ、湊が暴れている現場に出くわしたので制止すると接触事故で湊は鼻血を出してしまい、怒った母親が乗り込んできました。やがて作文「将来の夢」に隠された暗号から湊と依里との関係に気付いた保利は麦野の家の前で大声で謝罪しました。
3.星川依里は美少年な上に雰囲気が女子っぽかったためクラスの皆から「宇宙人」だと言われ気味悪がられていました。麦野湊は依里を庇っているうちに、自分にも同性を愛する性質が眠っていたことに気付きます。依里は「普通」を望む父親(中村獅童)から折檻されていました。行き場のない二人は廃線となって捨てられた車両に二人だけの場所を作って立て籠もることにしました。
結局、怪物とは誰だったのでしょうか?モンペと化した母親?イジメを見過ごした担任?保身に走る校長や教頭?イジメを面白がった生徒たち?違うでしょう。湊の母親や依里の父親のように「世間体」のために「普通」を求め、そして異物の存在を許さない「世間主義」こそが「怪物」ではないでしょうか?
そうした世間主義が今、統一協会の価値観(LGBTは生産性が無い!皇室も一般家庭も男系継承がスタンダード!)と同化した保守系の政治屋・言論人主導の下、女性や性的少数者を苦しめ、そして皇族方の願い(女系継承の公認による皇位継承の安定化)を踏み躙っています。
即刻「怪物を退治せよ!」そして「愛子さまを皇太子に!」
文責:京都のS
12 件のコメント
京都のS
2023年6月13日
ねこまる様、※ありがとうございます。「愛子天皇論」と公論SP「愛子様を皇太子に」で怪物を倒しましょう!
映画「怪物」はご覧になりましたか?技巧(3視点の3章編成)を凝らしつつ、大問題(LGBT問題と普通を求める世間)も孕ませつつ、画の美しさも最高度に追求した是枝監督の最高傑作だと思います。坂本裕二の脚本がなければ不可能だったとも思います。しかも劇伴は坂本龍一の遺作です。
ねこまる
2023年6月12日
怪物だ〜れだ?
そうですね。即刻怪物を退治して、この国の未来を明るくしましょう!
京都のS
2023年6月11日
チコリ様、※ありがとうございます。江戸期には男色も普通にありましたが、そういう「異物」に不寛容になったのは明治期からだと思われます。皇室に男系絶対主義を強要し始めたのも明治期からです。150年未満の「似非伝統」は早く捨てるべきですね。
ぜひ「怪物」も観てくださいね。おそらく是枝監督の最高傑作です。「万引き家族」「海よりもまだ深く」「歩いても歩いても」「三度目の殺人」「海街diary」…これら傑作群と比べても最高でしたよ。
チコリ
2023年6月10日
是枝監督は人間性からして大好きです。映画は観ていませんが、
世間体はもちろんそもそも、親も教師もクラスメートも「LGBTQ」を完全に異物と見做しています。
だからこそ、なんでなの?と言う疑問を持つことすらなく、理解しようと努力すらしない、間違っている、と矯正しようとする、恐ろしく傲慢です。
自分が絶対正しいのか!
どうして自分に置き換えて考えられないのか!
なぜなんだろう?と寄り添えないのか?
fei
2023年6月10日
大変失礼しました。
原因がよくわからないのですが、今回PCとスマホで書いたからかな?
次回以降気を付けます。
京都のS
2023年6月10日
あ、反映されました。ありがとうございました!!お手数をおかけしました。
京都のS
2023年6月10日
いや、指定した画像を思い出しました。「怪物」のパンフレットとコーヒーが映り込んだ画像を文章と一緒にお送りしました。そちらでお願いします。
京都のS
2023年6月10日
え?まだ私のブラウザでは本3冊の画像(平等と格差3)が出ています。今回のは関連写真は無いと思います。
fei
2023年6月10日
画像が反映されるようになりました。大変失礼しました。
ふぇい
2023年6月10日
ふぇいでございます
京都のSさま
ただいま画像が反映されない原因を調べております。
申し訳ございません。
京都のS
2023年6月10日
「怪物」は脚本賞と共に「クィアパルム賞」を取りました。「クィア」とは「LGBTQ」の「Q」の字です。本文中に書いたように本作には「G」の字が大きくかかわっています。さぁ、外圧と権威に弱い諸君(笑)は、「統一」的な価値観を手放すべきですぞ?
ところで本作が脚本賞を取れたのは坂本裕二氏が脚本を担当したからだと思われます。是枝監督は自身で脚本を書かない場合に任せられるのは坂本裕二しかいないと考えていたようです。坂本裕二フリークにとっても嬉しい出来事でした。
京都のS
2023年6月10日
ふぇい様、申し訳ありませんが、今回のブログは画像を指定していません。