日本に「老黄忠」、ここにあり!

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ふと介護の現場でまだ戦時中兵隊さんだった爺様達とのやり取りで、大陸の「老いてますます盛んな人」の意味の老黄忠を思い出しました。

黄忠とは、中国の三国志時代に活躍した武将で、劉備の下で関羽、張飛、趙雲、馬超、といった面々の仲間です。老年でありながら、弓の腕はピカ一で、戰場にて同じく弓の名手、曹操軍宿将の夏侯淵を、弓で討ち取ったエピソードが有名です。彼は、壮年から60後半戦死するまで活躍した爺様です。

日本にも、彼のように老いても(色々)盛んな爺様がいます。中には、当時の陛下から恩賜(おんし)のタバコをもらった、寡黙(かもく)だけど足がしっかりしてる爺様や、異国で日本軍人の側役で活躍し、認知症状があっても、時間、友人・知人の誕生日、電話番号、およびその日何があったか記憶し、空で数字を言える爺様もいます。
 この爺様、日がな、女性が好きで隙あらばお尻を触ろうとする爺様ですが、でっかい虫が施設に入って来てヘルパー達が「きゃー!!」と騒いで軽くパニックになった際は、なんなく普通に虫を手で掴み取る姿もあり、”日本に老黄忠がいっぱい!”と感じました。ただ、この老黄忠は段々と少なくなり、彼らより若い年代の爺様はあまり見受けられないと思いました。

ちなみに黄忠、爺様達には共通のNGワードがあります。それは年寄り扱いです。 先の黄忠の君主の劉備が、若者達の活躍を見て、つい「さすが若いなあ、年取ると、ね。」(意訳)とこぼした際、黄忠が「年寄りは役に立たないと申すか!!」と怒り、大戦にて戦死してしまった話が有ります。
 介護でも、爺様に向かって「もう年なんだから。」と言ったさいには、「何を!!若僧が!!」と激昂(げきこう)し、そうするとケアが難しくなります。

皆様もまわりに貴重な老黄忠がいましたら、優しくして頂けると幸いです。

文責 神奈川県 神奈川のY

2 件のコメント

    神奈川のY

    2024年8月4日

    基礎医さま、コメントありがとうございます。黄忠は頑固爺様であり、彼も張飛と同じく抑え役がいないと危なっかしい人だと思います。弓矢の腕はピカ一なので、門神でも活躍中だと思われます。年をとったらの振る舞い、私も考えてしまいますが、年をとったらたぶん、若僧には負けん!と暴れまわる婆になってるかもしれないです。その”オムツ替えは何だ!?””声掛けがなっとらん!!”とか言いそうです。

    基礎医学研究者

    2024年8月4日

    (編集者からの割り込みコメント)黄忠、でてきましたね。自分、なんか黄忠って、結構NGワードのエピソードが目立つ印象が強かったです。蜀群の漢中攻略戦のときは、孔明が黄忠のやる気を出させるときにうま~く使っていましたが、やはり最期はそれがアダとなってしまったのは、何ともいえない皮肉です。敬老と言いますが、少なくとも普通に動けていたり、本人から言ってこない限りは、「ご老人」のような形で、変に気を遣わないほうが良いのでしょうね。逆にきちんとした人でしたら、それこそこんなところで出すのは不敬かもしれませんが、上皇陛下の生前退位のように時期がきたら、それなりの振る舞いをするもの。自分は、そのように思いました。

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