自民総裁選 候補者共同記者会見での時事通信からの質問への回答を文字起こししてみました。
https://www.youtube.com/live/1KuN4jbZ8aQ?si=eq28xewuFXjOUgz8&t=4887
1:21:27~時事通信
「安定的な皇族数の確保策について伺います。政府の有識者会議が報告書を取りまとめてから三年弱が経ちますが、立法府としての結論が出ていない状況です。喫緊の課題として自民党は議論をリードする立場にあったと思いますが、結論を得られなかった理由を、どう分析していますでしょうか?また先の国会の与野党協議では、女性が婚姻後に皇族に留まる場合の子や夫の身分について与野党などで意見の隔たりがありました。今後の与野党協議に向けて、何か具体的な妥協策があるかどうか、あるいは一部野党が反対したとしても、皇室典範などの改正を行う考えかどうか、これについてお伺いできればと思います」
加藤候補
「皇族の皆さまを如何に確保してゆくかといった観点について、まず政府の有識者会議が行われました。その時は菅政権の元で私は官房長官をやっておりました。報告書が出たときは岸田政権でありました。またそれを踏まえて党でも議論をいただき、今、簡単に要約されたようにですね、女性の皇族の方を引き続き活動していただくのか、すでにこれまで所謂、旧宮家の皆さん方について、養子という形でですね、皇族に、その子供さんからなっていただく。ただし、皇位継承権はその子供さんからということでありますけれども、そうした報告が出されております。与野党間の協議をしておりますから、これはしっかり与野党間で議論するべきだと思いますけれども、基本的にその方向、党の方向で議論すべきでありますし、先ほど、お話にあった夫、子の身分についてはですね、やはりこれまでが男系で来た我が国の皇室の歴史、これをしっかりと踏まえながら、そこはしっかりと説得をしてゆく。これが基本的な立場であります」
河野候補
「自由民主党として所見を取りまとめておりますので、その考え方で宜しいかと思います。両院議長のもと、議論されておりますので、静謐な環境の中で、しっかり議論すべきだと思います」
石破候補
「皇位が安定的に継承されるということは、極めて重要なことであります。何故、なかなかまとまらないのかということについては、それぞれに意見の隔たりがあるということは事実でありますので、何処がどのように隔たっておるか、それは如何なる理由に基づくものであるかということをきちんと明らかにしながら、この議論を進めていかねばならないと考えておる次第でございます」
茂木候補
「私、前回の天皇陛下の生前退位の法案制定の時から中心的な人物として関わって参りました。この問題、静謐な環境の下で、如何に立法府としての総意を作り上げてゆくかということが極めて重要だと考えております。安定的な皇位の継承につきましては、悠仁親王殿下、次代以降も、皇統に属する男系の男子、これを前提に、将来において議論を深めてゆく問題だと思っております。皇位継承権というのは決まっております。悠仁殿下が適齢期になられた時にしっかり議論したいと思っております。一方で今、皇族数の減少と、これが喫緊な課題でありまして有識者報告書も踏まえてですね、早急な対応を取って参りたいと思っております。前回の時もそうだったんですが、衆参の正副議長の下で、今ですね、各派協議会というのが行われている、静謐な環境の下で、出来る限り多くの会派の賛同を得て、それを国会の、立法府の総意として取りまとめる努力を進めて参りたいと考えております」
高市候補
「まず、時間がかかった理由というご質問でございますけれども、自民党では、麻生副総裁を中心に、しっかりと議論を進めてきたと思います。これはやはり、立法府の総意ということになりますと、丁寧な議論も必要だということで時間がかかっていると思います。私自身の考え方を申し上げますと、やはり126代、男系で続いてきた皇統をお守り申し上げるということは、今に生きる私たちの責任であり、また未来に生きる人たちへの責任でもあると思います。これは日本にしかない、日本の宝物です。これだけ古い王室を持つということです。天皇陛下の権威と、そして正統性の源でもあると、私は考えております。旧ご皇族の養子縁組、復帰ということが、私はもっとも期待している、希望している案でございます」
小林候補
「安定的な皇位継承、そして皇族数の確保につきましては、党の懇談会、麻生副総裁をヘッドとする懇談会、限られた固定メンバーで議論をし、報告書を出しました。私自身、事務局の末席で加えていただきまして、その中で自分なりの意見は申し上げました。それが党の見解と同一であるということは申し上げておきたいと思います。皇族数の確保につきましては、喫緊の課題ですので、しっかりと進めていかなければならないと思いますが、野党との見解の違いの中では、やはり126代の皇統、日本の国柄でもございますから男系男子、これで繋がれてきたこの皇統というものを、しっかりと守ってゆく、その前提?になって、静謐な環境の下で与野党協議を進めてゆくということに尽きると思います」
林候補
「私は、有識者会議の報告を国会にお出しして、そして第一回目の各党会派の議論が正副衆参の議長の皆さまのもとに行われている、その第一回目の会合に、政府を代表して陪席をさせていただきました。そうした立場から、概ね、有識者報告書の三点にですね、多くの政党、同意されているのではないか、こういう風に思わせていただきました。この、残った論点をしっかり詰めてですね、なるべく、早期に結論を出すように、総裁になった暁には、努力をして参りたいと思っております」
小泉候補
「安定的な皇位継承等の問題は先送りできない課題ですし、皇位継承の流れを揺るがせにするつもりはありません。今、多くの方々からお話がありました通り、皇族数の確保に向けては、政府有識者会議の報告書や、衆参議長に提出している自民党の考え方に基いて内親王・女王の婚姻後の皇室身分の維持、そして、皇統に属する男系男子の養子縁組を検討する、こういったことを踏まえて、何よりも大切なことは、皇室のあり方の議論が、政争の対象になったりせず、静謐な環境の下で、立法府としての総意をまとめることが出来るように、自民党がしっかりと議論に貢献してゆく、そういったことだと考えています」
上川候補
「安定的な皇位継承のあり方につきましては、政府は2022年の1月に皇族数を確保する施策につきまして、有識者会議の報告書が国会に提示されたところでございます。現在、額賀衆議院議長のもと、この問題につきましては、政府、立法府としての総意を取りまとめ、これを急ぐ考えをお示しされておられます。何といっても、静謐な環境の中での総意の取りまとめが、しっかりと行うことができるように丁寧な議論を積み上げてゆく必要性があると考えております」
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「有識者報告書を踏まえて」「静謐な環境の下で」「与野党協議を進め」「立法府の総意として取りまとめる」というテンプレートに従って回答した候補が多いようです。
「愛子天皇論2」で、しっかり学んでいただきたいです。
文責 愛知県 まいこ
6 件のコメント
のーたん
2024年9月14日
自民党は、皇位継承問題を「完全先送り」と決め込んでいるのではないか?
「養子案」は実現不可能と分かっているので、悠仁様に男子が生まれないと決定的になった時に、「旧宮家系国民男子」を養子ではなく、そのまま「皇籍取得」させ、さらには「皇位継承権」も与えてしまおうという策略だろう。
国民の大多数もほとんど無関心で、皇室の方々も「国政の権能」の関係で口を塞がれているので、完全先送りがまかり通りそうです。
生前退位の時のように「天皇陛下の玉音放送」しか、方法は残されていない。
SSKA
2024年9月14日
以前、額賀議長が上皇后様より励ましのお声を頂いたとする報道があった際に宮内庁から強く否定された事がありましたが、額賀一人に限らず現在の総裁選の顔ぶれやそれ以外の主要な幹部から末端に至るまで大半が近い気持ちでいると考えられます。
額賀は政治家として名誉を得る為に生前退位の経緯をなぞって議長の立場から貢献を果たそうと功に焦ったと考えられ、当時と違い野党を完全に無視し参院との連携すら疎かにした拙さを森先生の連載でも厳しく批判されましたが、政府関係者にとって野党が申し入れた付帯条項やそれに基づく宮内庁の批判に対し効いていない振りをしながら実際は相当な重圧が地味に伸し掛かっているのと、当時の国民の絶対的な支持を無視出来ない欲と弱気な部分が隠せない本音が見えて来ます。
しかしその一方で20年以上掲げて来た男系説が保守派の支持を得て選挙で戦う為の最後の一線として揺るがずに生き続けている事から、党と所属の議員が勝手に板挟み状態となって喘ぎ続けているのが総裁選各候補の発言から窺えますし、先の国会で岸田総理が皇統問題の解決を申し出ながら皇族数確保と言う低い目標に下げたのも低迷する自身の支持率回復の目的で国民目線と頑迷な保守派の意見とを両天秤に掛ける浅知恵でしたが、結果として党の方針に変化の無いまま無理な法案しか出せずに野党の反対に遭い、協議は停滞し現在は産経紙を子飼いとしながら責任の擦り付けに必死な様子からも、長年蔑ろにし続けたつけによる心理的圧迫からいよいよ逃れられない時期に至ったとも考えられます。
今の状態では虻蜂取らずのまま時が過ぎ、皇室と国民双方の不満を受け止める体力が残っているとも思えないのですが、男系主義は皇室を縛る目的でありながら、自民党組織そのものに呪縛を掛け生きながら視野を狭くさせ地獄の道を進ませている様にしか見えず、内部の人間は面子の為に気付かないか、そう言った振りをしているのでしょう。
麻生を大親分の様に崇め古い体質を自ら誇るのも滑稽な所で、このままでは皇室を苦しめた戦犯として永久に悪名が残るだけでは無く、敗けて政権交代した元総理が再び党の破滅を招く発端にもなるのかと残念な気持ちになります。
神奈川のY
2024年9月14日
婆様の部屋を掃除中、記者会見を偶然観て、皇位継承について時事通信の人の問いかけに”おお、言ってやれ!具体案は何ぞや?と!”とはたきかけながら聴くと、自民党議員のお決まりの一言一句ツッコミたい答えに思わずTVを見据えてしまいました。
“貴様ら、マジでええ加減にせぇよ。”と
婆様はウトウトされ、「何じゃった?」とTVの内容聞かれ、「自民党の記者会見でしたよ。」と言うと「なんだ、しょーもな。」とまた眠られてしまいました。
自民党、民にも呆れられてる感じです。
基礎医学研究者
2024年9月14日
本日(2024年9月14日)にオドレら正気か?LIVE 「民主主義に希望があるのか?」につながってくる話と思いますが、総裁選前後の短期間で、「皇位継承問題」についてこれぼど候補者が切り崩される状況には、かなりの疑問を感じますね。時事通信さんが、この質問をされたのは、意味があったと思います。で、すごく好意的なことをいっておくと、候補者の中にはかなり濃淡があるのは、わかります。石破さんなんかは、「スッキリ」でコバホークに圧倒されていたよりは、まだましな回答だったとは思います。加藤議員、上川議員、林議員は葛藤をにじませていることは、感じます。
一方、コバホークや令和の光秀は、ある意味ゆるぎないし、茂木にいたっては、上皇陛下の生前退位から関わっていたみたいなことを平然といっているので、こういうとこは、やはり「光秀」なんじゃあないかと。これは、自民党と立憲民主党の政策のはっきりした、対立軸だと、改めて感じた次第です。
でも、全員に共通するのは、この回答は自民党関係者には向いているが、国民や皇族の方々には向いていないでしょう。
ひとかけら
2024年9月14日
結論を出せずに旧宮家や旧皇族も現れない悠仁さまと未来の奥方様は男子誕生の重圧がのしかかる。自民党は安定のゼロ回答で天皇制は緩慢な死を迎えます。愛子天皇論2を読んで国民と皇室の想いを知れ。
SSKA
2024年9月14日
生前退位の際、与党は現在と同様に反対する保守層に媚びて全く消極的だったところを野田元総理等野党の後押しと大島議長の決断によりやっとの事で政府が動いたというのに、何もしなかった自分達の手柄のように誇っている茂木に反吐が出ます。
当時の野党の介入を逆恨みして功績を否定したい心理がある一方、皇室への国民の支持を自分達に繋げようとするさもしさが際立つコメントばかりで、公に関わる皇室の制度を独断で決めようとするのも与党の下らないプライドや面子と意地しか感じられませんし、党の事や皇室について麻生に一切逆らえず昔ながらの密室政治が幅を利かせているのも良く分かります。
ここ数年の間に政治献金や統一協会問題で権力の腐敗を連日批判された事も全く反省していませんよ、この人達は。