河西秀哉氏、高森明勅先生、島田裕巳氏、笠原英彦氏、青木理氏の発言を掲載した「週刊現代 2025年9月1日号 (発売日2025年08月18日)」の「天皇と皇室の危機」特集がネットで公開されました。今回は笠原英彦(かさはら・ひでひこ)氏の記事をご紹介します。
笠原英彦(かさはら・ひでひこ)/1956年生まれ。慶應義塾大学名誉教授。専門は日本政治史、皇室典範。皇室に関する政府ヒアリングに2012年、2016年、2021年の3度招かれた
「愛子天皇」を望む国民は増えているのに…「女性天皇・女系天皇」の議論が一向に進まなくなってしまった「政治的理由」【週刊現代】
概要
・2001年の御生誕後には「女性天皇と女系天皇の違い」の解説の依頼が多かったが、今は国民の理解が深まった上で
「やはり愛子内親王殿下にぜひ、女性天皇となっていただきたい」という意見が多い。
・象徴天皇制においては性別問わず直系継承とするのが自然
・先の国会で自民党は「夫と子は皇族にしない」案と養子案を出したが現在の社会通念上、現実味が薄く、野党の反対で先送りに
・平成の有識者会議報告書は「皇位継承順位は、性別にかかわらず長子優先とする」と書かれている
・「女性皇族が結婚しても皇族にとどまれるようにする」ところまでは暫定的に法改正が必要
・国民は覚悟ができている、決断を下す政治家が妥協点を見出さねば事態がさらに行き詰まる
笠原氏は、令和の有識者会議ヒアリングで意見を述べていましたので、ピックアップしてみます。
○内親王に限り皇位継承資格を認めるべき。我が国は古来、男系女子に皇位継承資格を認めてきた伝統があり、男系男子に限定されたのは、明治22 年の明治皇室典範以降の短い期間に過ぎない。
○内親王が皇位継承資格を有することを前提として、内親王は婚姻後も皇族の身分を保持するが、女王は婚姻に伴い皇族の身分を離れる。国民の意向を十分に踏まえたうえで、配偶者や生まれてくる子を皇族とすべき。
○(養子案について)憲法第2条に定める世襲と認められる方に限り皇族とすべき。継体天皇が「応神五世孫」であることが強調されたように、傍系といっても血縁が遠く世襲と認められない場合には、認めるべきではない。宮家の親王や王が天皇や皇族と養子縁組をする場合に限り、養子を認める。
〔世襲の範囲について〕どれだけ遡ると天皇と血筋がつながるか。天皇の地位が国民の総意に基づくことから、世間一般でどの範囲を血縁関係にあるというかを考える必要がある。常識的には4世までか。10 世も 20 世も離れると、血縁関係はあるだろうが、それにより正統性を得ることは難しいのではないか。
令和3年12月に提出された報告書を読んだときは、宮家の親王や王が天皇や皇族と養子縁組をする場合に限り、養子を認める。との文言には、大いに引っ掛かりを覚えていましたが、さらに四年たって、養子案は、現在の社会通念上、現実味が薄いと、明言するほどにアップデートされたようです。
「愛子天皇への道」サイト運営メンバー まいこ