安定的皇位継承について、朝日新聞がYouTubeに動画をアップしています。
【解説人語】女性天皇なぜ議論されない?皇室のルールでなにが変わるのか【朝日新聞YouTube】
文字起こしでもお伝えします。
小野甲太郎記者:天皇陛下の長女の愛子様いらっしゃるじゃ ないですか。 天皇陛下の長女ということなんで、この次の天皇になれないのは先生、なんでなんですか?
河西秀哉氏:これは皇室の、皇室典範というものがあるんですけども、その中で男性しか天皇になれないという風に書いてあるんですね。
小野氏:これ女性だからダメっていうことなんですか?
河西氏:基本的はそうです。つまり男性しかなれないという風になってるということです。天皇陛下になるには男性でなきゃいけないということになっているので、これが明治以降、決まっているので、そうなったということですね。
中田絢子:ですから皇室典範ができたというか、今の形になったのが明治時代なんですけれども、その時に皇位は男系の男子が継ぐという風に明文化されまして、戦後もそれを引き継いできてるんですね。
小野氏:よく聞く女性天皇っていうところから女系天皇ってのはありますよね。女性天皇と女系天皇ってのはこれ、河西先生、何が違うんですか?
河西氏:まず女性の方が分かりやすいですけど、これは、性別ですね。シンプルに男性か女性かっていうことで、女性天皇だと いわゆる女性の性別の天皇ってことになるんですね。 ところがその女系天皇っていうのはいわゆる血筋の問題であって天皇の血をどっちから受け継いたのかっていうことになるんですね。
小野氏:両親のどっちから受け継いだかということですか?
河西氏:はい。なので女系ということになると、お母さんから受け継いだということになるんですね。ちょっと分かりやすく言うと、例えば今の愛子内親王はお父さんが天皇でお母さんは元々民間人ですので、女性なんですけど男系なんですね。なのでもし愛子内親王が、一般人と結婚すると 天皇の血は愛子内親王からしか受け継がないないので性別が男であっても女系になるんですね。
小野氏:なるほど。 そういうことなんだ。つまり性別の話が女性天皇で、血筋の話が系天皇。
河西氏:組み合わせ的に4つのパターンが出来上がるんですね。 男系男子、男系女子、女系男子、女系女子っていう。今の場合、男系男子しか認められないので4つうちの1 つしかないのが天皇になれる確率なので。愛子さまはそこに入ってないってことですね。
小野氏:その皇室典範っていうのをね、今なんか改正する。皇室典範っていうのは要は何なんですか?何を決めてるものなんですか?
河西氏:基本的には皇室に関係する法律と考えていいんですよね。ただ戦前の場合は、天皇家っていうのは、国の本当にトップであって、非常に格式の高いものであるから皇室典範ってわざわざつけられて、その一般の法律とはちょっと違うものとして扱われてたわけですね。そこの中で一応、皇室に関係するような 様々な皇位継承の問題とか様々な問題が入ってるんですけど、それが戦後の日本国憲法になった時も基本的にはその旧皇室典範を改正する形で 引き継いでるわけですけど、一般の法律に、天皇が象徴になったので 一般の法律として扱われてるんですね。 その中には基本的に皇位の継承について男系男子に限るんだっていう風に書いてあったりとか、それから皇室については養子を取ることができない、養子は禁止ですねということになる。つまり我々の家だったら例えば家がもしあれだったら(途絶えそうだったら)誰か入れるってことができるわけですけど、それができないってことになってる。それからもう1 つは女性皇族っていうのは皇族以外の人と結婚した場合は基本的に皇室から離れるっていう風に皇室典範では定められていると。
小野氏:最近だと眞子様さま。
河西氏:そうですね。 なので小室さんっていう一般人と結婚したので小室眞子さんになって皇籍から離脱したということになるんですよね。
小野氏:憲法上、いろんな基本的人権とかって定められてるじゃないですか。 でも今の話聞いてると皇室に生まれてきた人ってなんかもう血筋だとかなんだとかいろんなことが決められてて、皇室典範っていうルール別のルールになんか縛られてる気がする。それは問題ないんですか?
河西氏:これはとても難しい問題で。憲法では一応、世襲でっていう風に書いてありますので、そこから継ぐってことになってますので、一応、憲法に従ってるようにも見えるんですけど、一方で憲法は、第1章の天皇に関係する話と、私たちの人権の問題が微妙にずれて るっていうか、よくこういうのは「飛び地」だっていう人もいるんですよね。皇室派、やっぱり我々とはちょっと違って、例えばその世襲、なんて言うんでしょうか、住むところが制約されているとか、それこそ男性だったらもう継がなきゃいけないとか含めて、いろんな問題が我々とは違って人権が制約されてる部分がある。なので飛び地だっていう風におっしゃる方もおられるんです。
小野氏:なんで女性じゃダメなんですか?あとなんで女系はダメなんですか?ちょっとそこ深く知りたいんですけど、それなんでなんですか?
河西氏:これはなかなか難しい問題なんですけど、 明治の頃に決めたっていうのが、さっき書き込まれたって話 なんですけども、やっぱりその時代っていうのは、 1 つは今とは違って男性が優位の社会っていうのが一般社会もあったわけですよね。
中田氏:天皇は軍隊のトップでもあるっていう、近代国家の成り立ちからして男性皇族がみんな軍務につくことになってたんですね。青年に達したら、ある一定の年齢に達したら。そういうような社会全体の中で国のトップが女性でいいのかという議論がやっぱりあったようです。それ以前、近世以前は女性天皇というのは稀れですけど存在していました。
小野氏:例えばどんな人がいるんですか?
中田氏:有名な推古天皇ですとか。
小野氏:推古天皇、歴史で習いましたね。
河西氏:古代のですね、古い天皇ですけども、いわゆる聖徳太子の時代の天皇です。それが初代の女性天皇ですけども、それから 10代8 人、一応女性天皇はいたんですよね。
小田氏:結構いますね。
河西氏:います。古代、特に古代が多くて、江戸時代、近代は2 人しかいないんですけども、それ以外はもう古代。基本的には女性天皇は古い時代に多かった。
中田氏:背景にあるのは女性の地位がやはり日本は高かったんじゃないかということが言われてます。
小田氏:当時は。
中田氏:ですから当時の結婚の形態も男女バラバラに住んで、そこで通って婚姻関係を結ぶとかであるとか、女性にも財産の相続が認められていたりですとか。ですから古代の天皇で言えば、天皇、皇后でいえば、皇后が別の場所に住んでいて、天皇がそこに通ってたっていうような 時代もあって、多分、光明皇后とかそうだった。
小田氏:そういう時代も実はあったんですね。
河西氏:そうなんですね。それがある時期に、中国なんかから男系と女系っていうような概念が入ってくることによって、まさに財産なんかを含めて、守らなきゃいけないとか、それからたくさんあると誰が継ぐのかっていうことで揉めたりしますよね。そういうことも含めてそういう風に揉めたりして争いが起こらないように、それから財産を丁寧に、きちんと継承するっていうことを含めて、 中国から入ってきたような男系とか女系っていう概念が、だんだん日本にも浸透してきた中で、天皇家もだんだん男系男子みたい なので、なんとなく繋がっていくのが現状なんですよね。
中田氏: 厳密に言うと男系じゃない天皇はいないわけなんですけれども、やはり結婚がある決められた社会階層の皇族同士ですとかで行われてた時代がやっぱり古代、中世、ある一定の時代まではそうだったので、基本的には天皇のお子様が皇后になることもありますし。そういう意味では男系であり女系でもある天皇は存在する。お母さんも天皇だし、お父さんも天皇。
河西氏:昔はそういうこと。いわゆる近親婚の社会なので結構それがあったんですよね。
中田氏:だから、事実として男系じゃない天皇は確かにいらっしゃらないんですが、その男系だっていう物差しをですね、古代の人も持っていたかっていうと、ちょっと諸説あるのかなというわけです。
小田氏:なるほど。
河西氏:それがやっぱり、明確になっていくのは明治のいわゆる皇室典範を決める時っていう形なんですよね。だから実は明治の皇室典範を決める時も、最初、例えば担当だった伊藤博文なんかは「男系が尽きたら女系でも」っていう言い方もしてるんですよ。当時はやっぱり男性優位社会になってるので、そういう意味ではやっぱり男系が優先なんだけども、尽きたら女系でもっていうような言い方をしてる。最初は作ってるんですよね。それが伊藤の部下である井上毅が「それはダメだ」っていう形で排除していって、そっちの方が勝っていくって形なんですけども。 なので当時の社会としては、まだやっぱり男系女系っていうことを、男性女性ってことを含めて、まだ今よりはもう少し緩やかだったんじゃないかなという風には思うんですよね。
小田氏:なんで今、皇室典範の改正っていうのは議論されてるんですか?
中田氏: 今、まさに皇族の人数、皇位継承資者の人数が減ってるっていうことから議論が始まっていて。
小田氏:皇室の数が減っている。
河西氏:1 つは我々社会と一緒で皇族もですね、皇室も少子化が進んでいるっていうのが現状としてあるっていうことですね。それはやっぱり数が減っている。それだけじゃなくて女性皇族は結婚したら離れるっていうになっていて、たまたまですけども皇室は男の子よりも女の子ばっかりが生まれた時代があったっていうことなんですよね。そこも含めてたまたまっていうことも、女性皇族がたくさん生まれてしまって、それでさっき言ったみたいに女性皇族が結婚すると離れるってことなので、どんどんどんどん少なくなっているっていう現状があるってこと。
小田氏:そうか。 女性のお子さんが多いと必然として皇室から出ていかざるを得ないと。そうすると、どんどん減っていっちゃう。そういうことですね。それが背景にある。それが要は皇室が今その危機に、危機というか、直面してる課題に繋がっているんだ。
河西氏:もうかなりもうピンチだなとは思いますね。
小田氏:かなりピンチ。天皇陛下になる資格をお持ちの方ってのは、これ何人いるんですか?どなたとどなたになるんですか?
河西氏:現状3人3方ということになります。 1番目に継承に第1位の皇嗣 の立場にあるのが天皇陛下の弟の秋篠宮さま。その次に、皇位継承順位第 2 位の方が秋篠宮さまの長男の悠仁さまになります。悠仁さまには、まだお子様はいらっしゃらないので、その次の順位が遡って上皇さまの弟。つまり昭和天皇の第2 皇子の常陸宮殿下という方が、今90 歳過ぎていらっしゃいます。ご大変ご高齢ですけども、継承順位をお持ちです。
小田氏:その3 方しか、逆に言うと天皇陛下にはなれないっていうことなんですね。 これなんで、人数が少なくなったのかって、要は先ほど先生が説明された…
河西氏:そうなんですね。少子化の問題はやっぱり大きいのと、さっき言ったみたいに、たまたまっていうことは女性が(御誕生されたことが続いた)ってことはあると思うんですね。昔は例えば天皇の妻っていうのは何人もいた時代、普通の正式な皇后じゃなくて、いわゆる側室だったりとか、それ以外にも天皇の子供を産むっていう機会、女性があるってことはあったわけ。なんでそういう風に、いわゆる男子でずっと保ってきたと言われているかというと、それは実は、皇后から生まれた子供ではない人が天皇になってるケースっていうのが、かなり実はあるんですね。昔の場合はね。それがやっぱり社会の変化と共に、我々が一夫一妻制になったように皇室も一夫一妻制 になっていく中で、そういう機会がなくなっていくっていうことで、さらに少子化が進んでいくっていうところだと思うんですよね。
小田氏:なるほどね。 これ、人が少ないっていうことが問題なんですか?それとも皇室典範のルールが問題なんですか?何が問題なんですか?
河西氏:これは両方あるんじゃないかなっていう風に私は思うんですけども、人が少なくなってくると、先ほど出てくるような皇位を継承する人がいなくなるっていうものもありますよね。 ただそれだけではなくて、今、実際に天皇、皇族がやっている公務というものがありますよね。
小田氏:公けの任務。
河西氏:そうですね。仕事ですよね。いろんな公務、お出かけされたりとか挨拶されたりとか人と会ったりってことを、されていると思うんですけど、そもそもいない、人がいなくなってくるっていう問題がありますよね。だから人数が減ってくるとどんどん、仕事の量はむしろ増えているわけですけども、それを担う人たちが減ってくるっていう問題がある。だからだけど現行のルールでいくと、減るしかなくなってきますので、そのままそういう意味では人数が少ないことも問題だし、現行のルールも皇室のあり方と、やや合ってないっていうことなんですよね。だから両方とも問題があるんだろうな。
小田氏:だから少なくなったのはある意味ルールのせいでもある。
中田氏:当然です。だから、①近代以降に男系男子じゃなきゃダメだということにまずなった。②側室、いわゆる正妻以外の子の皇位継承資格も否定されたということで、今まで皇位継承者を生み出してくるのに果たしてた制度が2 つなくなった中で、さらに③社会の流れの中で結婚年齢も高くなっていますし、つまり1人の天皇や1 人の皇族がもうけるお子様の数も以前の時代よりはぐっと減ってきてるっていうことがありますので。
小田氏:私たちの社会と全く同じってことですね。
河西氏:基本的にはそうなんですね。だからやっぱり社会を映す鏡ですので、皇室っていうのはそうですね。現在の議論は皇位の継承を、継ぐ人のことについてはあんまり考えてない。枠外でとりあえず現在、現在の皇族の数をどういう風に増やすかみたいなことに、議論がちょっと向いているところは確かにあります。継ぐ人の問題は、悠仁親王が若い世代でいるので、そこでなんとかっていう風になってるところはある。
小田氏:でも悠仁天皇に、ものすごいまたプレッシャーかかってしまう。
河西氏:ものすごいプレッシャーかかりますね。妻になる人が絶対男の子を生まなきゃいけないっていうプレッシャーになりますので、本来は私はそこまでは議論しなきゃいけないとは思うんですけども、今のところの政治の議論はとにかく現状の公務とか、悠仁親王を支える人の数を増やすみたいなところにちょっと行ってるかなっていう風に。
中田氏:今の議論はですね、皇位継承資格をどうし ていくか、つまり女性・女系も認めるか、この まま男系継承を続けていくのかっていう1番激しい議論になるところは 先送りしまして、皇族の数を当面確保しようという風な、議論の 立付けにしたわけですね。 ですから、女性にまずは残っていただくっていう案ですとか、そういう様々な案が議論されてるんですけれども、やっぱりこの世論調査でも分かるように、女性もなれる方にした方が良い方は 72% で、女系を認めて良い方は74% っていうことで、圧倒的に、この後お話しますけれども、永田町の意見と乖離してるのが、やっぱり継承問題、この国民の世論との乖離がより大きいんですね。
小田氏: 女性の皇族は結婚したら皇族ではなくなります、というのはなんでなんですか?
河西氏:基本的には女性皇族が、もし誰かと結婚した場合、おそらく誰か一般人と結婚するわけですよね。そうすると皇族の血を継いでないような男性と結婚すると。そこから生まれる子供は必然的に女系になるわけですね。ってことになると今までとは違うのじゃないか。つまり天皇の血はやっぱり男子から継がなければいけないのだっていうね、その強い思いがある人たちが いると思うんですね。そこがやっぱり 大きな原因としてある。つまりそこでやってしまうと今までの男系の伝統が崩れて しまうのだという形でやっぱり女性の皇族は結婚したら皇室から出ていってもらうのが 今までの基本的にはパターン。
小田氏:なるほど 。それが今度は、結婚後も残るっていうことになったんですね?
中田氏:なりそう ですね。 もう多くの政党が一致、ほぼ一致しているのが、今、女性皇族も、天皇、皇族以外と結婚したとしても皇族のままでいていただこうという風な議論の方向になっています。
小田氏:ここで議論になってるのが、女性の皇族は結婚後も皇室に残るんだけど、その配偶者や子供は一般人っていう整理にしてるってことなんですか?
中田氏:そこがまた議論が今、非常に分かれているというか、いくつか論点があるところで女性が残るところまでは、ほぼ各党を一致していると、多くの政党が一致していると。ただしその配偶者、結婚した一般の方出身の配偶者や、そこから生まれたお子さんを皇族とするのか、あるいはそのご家族は一般人のままでいていただくのかっていうのは、主要政党で意見の違いが見られまして。例えば与党、自民党や維新の会、例えば国民主党なんかもそうなんですけど、夫と子は一般人のままでいていただくという提案をしています。 一方で、旧立憲民主党なんかは一緒に皇族になっていただくというような意見を言っていまして。そこがまさに今、議論が分れてる。
小田氏:難しいですよね。奥さんは皇族、さっきおっしゃったようないわゆる飛び地っていうことですよね。いろんな制約も課される方なので。だけどご主人とかお子さんは自由なわけですよね。 SNSでうちの母ちゃんがって発信してもいいってことなんですよね。
河西氏:いや、そこが難しいとこですね。
中田氏:そこまで極端なケースがご家族になるかっていうことはあんまり考えにくいとはいえ、やっぱり今回の与野党協議の中では、配偶者は選挙に立候補することもできるし、言論の自由も政治的な発言もできると。ですから配偶者の方の当然、権利を行使して一般の方と同じように振る舞えるわけですから、それ自体は否定するものではないんですけれども、最終的には女性皇族本人の政治的中立性とか、品位を傷つけたりする事態を招きはしないかっていう懸念が実際、与野党協議の場では呈されたということはあります。
河西氏:だから多分おそらくですけど、まだそこまで何にも議論してないと思うんですね。だから制度が決まってから。もし決まったとしてもですよ、これからそういう話がまだ数年単位で私はかかるんじゃないかなっていう風には思いますね。
中田氏:もっと細かな実際上の問題が起きないのかっていうのはやっぱりケースバイケースですし、そういう、どういう風になっていくのかが決まらないとご結婚の相談もできないんじゃないかなとは思うんですね。 こういう扱いになるので、結婚して一緒にこういうような暮らしをしてほしいという風にして、男性の皇族は自分の結婚される、婚約される相手と色々相談をして結婚を決断してきてるわけですよね。ですから私は女性皇族方としても、お相手に結婚後の生活がどうなる、人生設計がどうなるっていうことは、よくよくお2 人で相談して結婚っていうのはするものだと思うので、あまり決まってないことが多すぎると、むしろ支障になってしまうんではないかなという心配もあります。
小田氏:この配偶者と子供の扱いが、今回、重要になってくる、つまり皇族にしないんだっていうのはこれはいわゆる女系論。
河西氏:そうなんですね。もし皇族にしてしまうと何が起こるかって言うと、例えば愛子内親王に子供が生まれたとします。今のところ皇位継承権はなしって言ってても、その子供には女系だからなしって言ってても、子供も皇族で夫も皇族だとすると、我々、国民感情的にやっぱり愛子さまの息子さんだったら、
小田氏:おじいちゃん、天皇陛下ってことですね。
河西氏:天皇にしてあげようよって国民感情が後からもっといってくる可能性があるわけですよね。そうすると30年後ぐらいには愛子内親王の子供が天皇になってる可能性があるかもしれないですよね。つまりそれは女系になるわけです。 だからまさにそこを避けたいんだということがあるんだと思うんですよね。だから、そこ避けたい人たからすると、女系になることを、とにかく防止したいという考え方からすれば、今のうちからもう夫も子供も皇族じゃないんです、一般人ですっていう風にしておけば、いくら子供が生まれても、それを天皇にしようというようなことは防止できるんだっていう、つまり女系を防止できるんだっていう考え方なんだと思うんですよね。
ただ一方で、先ほどから出ているように、もしそういう風に一般人としてしまうと、いろんな弊害が起こってくるとは思うんです。例えばそれこそ選挙に出れるかもしれませんし、でもそれはできないようにしないといけないことになるとは思うんです。でもそうすると何が起こるかって言うと、一般人にも関わらず何かを制限される一般人が現れてくるってことになりますね。そうすると先ほど言った、皇族と一般人っていう形で今まで分れてたのに、皇族と一般人の間に、さらに身分を作ってしまう可能性が出てくるわけです。それはだから、それを避けたいという人たちからすると、そこは皇族にしといた方が、変な身分をね、 新しく作ってそれこそ憲法違反的な問題にならない可能性が出てこないこと を考えると皇族、今までのようになってもらう形になってもらった 方がいいんじゃないかっていう風に考える 考え方もある。
小田氏:もう1つ。これ女性皇族のお話とはまた別の方向の議論もあるっていうことなんですね。
中田氏:はい。もう1 案、話し合われています。 戦後間もなく、戦後すぐに皇室を離れた、かつての皇族の方の男系男子の子孫に養子として皇室に入ってもらおうという案がありまして、これがもう1つの案で、自民党、維新の会は第一優先としている案です。
小田氏:そのお家の人たちってのは皇族ではないんですか?
河西氏:元々中世、室町時代だから、今から600 年くらい前なんですけど、現在の皇室から、枝分かれずっとその後、江戸時代も含めて、それから明治とかも含めて皇族ではあったんですね。ところが、さっき言ったみたいに枝分かれしたってこともあって、離れてい るってこともあって、戦争に負けた後、1947年ですけども、現在の皇室が少し縮小していく中で彼らも一般人となったっていうこと なんですよね。だから70年、80年ぐらい、1947 年ですけど、そこで今後、皇族から離れて一般人になった人たち。
中田氏:それに離脱した当時に、ご存命だった方というか、元々皇族として生まれて一般人になった方っていうのはだんだん少なくなってきていて、今いらっしゃる男子の子孫の方はほとんど戦後生まれ。
小田氏:ああ、そうか。
中田氏:そうなりますと、そもそも生まれながらの一般の方で すね。
小田氏:家柄はいいんでしょうけどね。
河西氏:そうです。 だからもうおじいちゃんとかはそうだったかもしれないけれども、自分は一般人として、もう何十年か暮らしてきてるっていうことですよ。
小田氏:その人たちを要は養子に入れますと、そういう案ということなんですね。これ可能なんですか?制度的には。確かなんか、皇室典範で、養子はダメって言ってたから、それを要は〇にするってそういうことなんですか?
中田氏:そうです。ですから、皇室典範の9条で、皇族は養子はできないっていう風に結構厳しく禁止規定が設けられています。これは皇位継承者が乱立するというか、皇統の流れが分かりにくくすることを避けるための規定だったんですけれども、特例として、誰でも養子に取れるわけじゃなくて、この戦後に脱した方の男系男子の子孫に限って養子を解禁しようという案でして、それを 立法措置で、法律上、法改正でそれを可能にしていこうというのがこの養子案になるんです。制度的には可能なんですが、実際問題、いくつかの課題があるとは思います。
一般の人が皇族になるっていう事例は今もあるんですね。それは男性皇族が女性と結婚すれば、女性は妃殿下、お妃さまになるわけですよね。
小田氏:皇后陛下もそうですね。
中田氏:本当に両方の合意によって結婚が成立して、それを国民も祝福して受け入れているということになりますけれども、この養子制度も議論の中で確認されてるのは、双方の自由意思による養子縁組 をするっていうことが認められているのですが、今現状、養子を取る意思がある皇族の方がいらっしゃるかも不明ですし、養子に入るという意思を持ってる子孫の方がいらっしゃるかも不明なんですね。 ですから、制度的に可能にしても、実際、機能していくかっていうのは、今、全然分からない状況です。
小田氏:これも結局、守ろうとしてるのは数を増やそうとする。
河西氏:基本的には男系で繋がっているっていうとこなんですよね。 だから男系で繋がっていて、その人を入れると。そうすれば、もしですけど、先ほど言ったように悠仁親王に基本的に託してるんですけども、そこで何か保てない場合は、この方々にっていう。要はスペアって言い方がいいかわからないですけども、そういう側面があるんですよね。
小田氏:これでも当事者の人も相当、覚悟いりますよね。 一般人から急に皇族になるっていうことの難しさ。
河西氏:そうなんですね。だからここは確かに自分はそういう家に生まれたかもしれないけれども、もう10年20 年と一般人として育ってきてるわけですよね。もう私たちと同じように自由を謳歌してるわけですよね。ところが「あなたは血なので明日から入ってください」って言われて、じゃあ手を上げるかっていう問題があると思うんですね。そうするとやっぱり皇族なので例えば先ほど 言ったように、いろんなことが制限される。住むところが制限されるとか職業選択の自由とか。それから、そもそも いろんなことに注目されて生きなきゃいけないっていうことですよね。これが 普通は、先ほど中田さんおっしゃった みたいに、好きで結婚するってことだったら決断って話になりますけども、そこが ちょっと違いますよね。「あなた血だから」って話になった時に、「いやそこは」ってなる人は、やっぱりあると思いますよね。
中田氏:非常に今、世論調査でも、賛成が反対を上回りましたが、女性皇族が残る案に比べて賛成するか賛否が、やや拮抗していると言えると思いますし、そういう中でやはり自分のみならず養子に入る方、養子に入ることを決断する方にとっては、自分のみならず、これから結婚する自分の配偶者やこれから生まれてくる自分のお子様や孫の人生までも規定してしまう重大な決断になりますよね。 自分1人の問題じゃないわけです。かなり重い決断になりますし、そういう時に本当に国民がこの案を9 割の国民がですね、望んで待ち望んで受け入れてくれるのかっていうことも当事者としてはすごく気になるんではないかなと想像はしますが。
河西氏:私たちは、今のところ皇族は割と小さな頃から、今の皇室ですけど、見てるから、こういう風に成長してきて、こういう風になってるのねってことが分かるわけです。メディアを通して分かるわけです。ところがポッと そういう人が現れて、私たち自身が受け止められるのかっていう問題がやっぱり大きくあると思いますね。これ実は2005 年に一度、有識者会議、小泉内閣の時ですけど、その時は、もう女性天皇、女系天皇ありだっていう風に言った時に、実はこの旧宮家の問題も議論になったんですね。その時にはもう国民は受け入れられないっていう形で、もうピシャッと実は小泉内閣の有識者会議は、はっきり言ってるんですよね。
小田氏:あ、そうだったんですか。
河西氏:そうなんですよ。それがじゃあ20 年経ってるから、さらにね、代としてはもっと先に行ってるのにも関わらず今回出てきて。もう 20 年前に受けれられないって言ってたのに、今回なぜ20 年後になって受けられるかっていうのは、ちょっと説明されてないところが私はあるんじゃないかなっていう風に。
中田氏:重い責務が皇族の方にはやっぱり、課せられていて 当然住まいも今、事実上、留学中とか、別の東京以外に居を構えてる方もいらっしゃいますけれども、基本的には皇室用財産の東京に拠点を持って、年間何日もある宮中祭祀にも参列しますし、新年祝賀の儀、一月一日から皇室行事に参加しますし、自分の1 年のスケジュールが、かなりの部分、公的な皇族としての活動で埋まってるわけですよね。それ以外で自分のお仕事をしたりとか、家が継いできてる名誉職だったりとか、公的な社会のための仕事もしているわけで、そういう意味では、すごく様々な制約の中で暮らしてらっしゃるし、国民と国のために、働いておられるっていうことになります。そういうことを今、一般に生まれた方にも、どこまでお願いできるのかという問題もありますし、本当に耐えられるのか。少しでも皇族の方が幸せに、制約を感じる場面を少なくしていくべきだと思うんですけれども、とはいえどんなに制約を少なくしても、やっぱり一般で生きる我々とは、もう全く違う超えられない方の大きな大きなプレッシャーがあると思います。
小田氏: これは皇室の数が少なくて公務が多いから大変なのか、じゃあ公務を減らすっていうことは、なかなか難しいんですか?
河西氏:いや、これも本来は、そこまで考えなきゃいけない問題なんだろうなと思うんですね。 残念ながら現在の議論っていうのは、そういう意味では場当たり的になってるところがあって、現状を肯定した上で、じゃあ現状に合うために、どういう風に制度設計したらいいのかみたいなとこになっちゃってるんですけど、本来は、そこも含めて皇室全体を見直す時期に来てると思いますので、もうそういうことも含めて議論した上で、本来は設計しなきゃいけないんですけど、でもそうすると、もっと時間かかりますので、ご 対象となる人たちは、どんどん年齢を重ねていきますので、そこの難しさだと思うんですね。
中田氏:議論すべき論点はたくさんあるんですけれども、一方で現実として皇族方、生身の人間ですので、年齢も重ねられるし、やっぱり人生設計にもダイレクトに影響しますので、早く決めていかなきゃいけないっていうことは現実あると思います。
河西氏:我々国民の方がですね、天皇、誰かあの人たちが何かやってくれてる、誰 かがやるっていうような感じになっちゃっ ていて、ご本人たちのことをどこまで考えているのかって言うと、残念ながら そこまで思いが至ってないっていうの が事実としてある。これもずっと歴史的にあるんですよね。 だからこの問題に関わらず。例えば、戦争の時の昭和天皇なんかが不満を漏らしてるってことは結構あるわけですけど、そういうことも含めて、我々の方の方が政策を決める時にご本人たちのことを、どこまで考えているのか、やや観念的な話とか、もしくは違う方を優先させてしまっている。 それはもうずっとあるんですけど。
小田氏: 違う方とは?
河西氏: 例えばその制度を守るためとか、その伝統を守るためとか、男系を守るためっていうね、そういう方にちょっと意地になっちゃってるところがあって。
そうではなくて今の御本人たちがどうやって幸せに暮らしていくか、そして私たちが皇室を見て、日本国の象徴でありとか、そういうことを考えていくはどうしたらいいのかっていう風な、そういう形から考えていかなきゃいけないんですけど、どうしても違う方の議論をしているっていうのが、これはもうずっとあるんだと思うんですよね。そろそろ変えていかないと、本当に今、先細りしている中で考えていかなきゃいけない帰路に立ってるという風に思うんですけどね。
中田氏:やっぱり当事者は天皇が憲法で政治的な言動を禁じられてるっていうことがありますから、 議論が色々ある中で、宮内庁であったりとか天皇陛下ご自身、あるいは秋篠宮殿下とか記者会見してる方々が、1 つの方向性を差し示すような発信ができないんですね。
小田氏:この問題についてなんとなく、天皇家の話とか、法律の話、典範の話っていうよりも、私たちはじゃあどう考えるのみたいな、我々の皇室観みたいなものも結構なんか問われてるような気もしますよね。
河西氏:私は先ほど皇室っていうのは社会を映す鏡だという風に言いましたけども、皇室っていうのは長い歴史の中で社会の在り方に応じながら色々変化してきていて、あるわけです。皇室が変わったことで我々の社会が変わっていくっていう面もある。例えば現在の上皇上皇后陛下の2 人が恋愛結婚で結婚したことを踏まえ、見てミッチーブームが起こるわけですけど、そうすると我々の方も、お見合い結婚から恋愛結婚の割合が増えていくっていう形で、皇室が変わっていくことで社会が変わっていくってこともあるわけですね。
小田氏:なるほど。
河西氏:だから実を言えば、家の問題っていうのは、多かれ少なかれ、我々の社会も変わっているわけですけども、実はやっぱりまだ根底にある部分もあるわけですよね。だからそこが、変わっていかないと変わっていかない、私たちの社会も最終的には変わっていかない部分もありますので、実を言えば、なんか遠い世界の話ではなくて、やっぱり自分事として、もう少し色々議論を考えていかないといけないんじゃないかなという風に思うんですね。
我々の社会も変わっているわけですけども、実はやっぱりまだ根底にある部分もあるわけですよね。だからそこが、変わっていかないと変わっていかない、私たちの社会も最終的には変わっていかない部分
ラストの提言は、選択的夫婦別姓に移行できない現状をはじめ、
まだどなたにも蔓延る無意識の男尊女卑を超えることで、
皇室も、社会も変わってゆくということになるでしょうか。
皇室の皆さまと国民の共通の幸せのために。
安定的皇位継承について、基本的なところから、根本問題まで、
分かりやすく網羅された動画、ぜひ御覧ください。
「愛子天皇への道」サイト運営メンバー まいこ