森暢平先生のこれでいいのか「旧宮家養子案」第64弾です。
サンデー毎日:皇室の「男女不平等」構造 「皇族費」は男性の半分 成城大教授・森暢平
三笠宮家を彬子女王(43)が継いだ。この結果、クローズアップされるのは皇室の男女不平等構造である。もし、彬子女王が男性(王)であったなら、皇族費は2135万円であったのに、女性(女王)であるがゆえに、その額は半額の1067・5万円となってしまったのである。(一部敬称略)
と始まる今回。皇族費の格差から、女性皇族の役割の変遷に話が広がります。
皇族費の「定額」は、皇室経済法施行法によってきめられているとのことで、満額が3050万円。「独立の生計を営む親王に対しては、定額相当額の金額」が支払われるとされています。ただ、制度上内親王には1/2となってしまいます。
そして彬子女王は「女王」なので7割相当で、1067万5000円とさらに減額。彬子女王が男性であれば2135万円。
森先生は、
これが皇室経済法に基づく男女不平等構造である。ただ、男性皇族は皇位を継ぐ権利を持ち、女性皇族はこれがない。だから男女不平等構造と言っても今さら感はあるだろう。
と書かれています。
そして、
しかし、この点は、単に継承権のあるなしを巡る話とは若干ずれる。なぜなら、女性皇族は基本的に公務を担わないという前提で皇室経済制度ができているからだ。
女性皇族は公務を担わない?
愛子さまがラオス訪問が決まり、佳子さまがブラジル、ペルーに訪問されているのに?
記事を読んでいきます。
皇室経済法は1947年5月に施行。天皇家には3人の内親王がいらっしゃいました。
森先生から
この段階では3人とも未成年であったが、成年後、結婚するまでの彼女たちに、何がしかの公務があったわけではない。例えば、裁判所見学を行うことはあったが、いわゆる社会勉強のためであり、現在のように女性皇族が公的団体の総裁の地位に就くこともなかった。
そもそも、孝宮は20歳、順宮と清宮は21歳で結婚した。昭和30年代までは女性皇族は、学校を終えてから数年で結婚し、皇室を離れることが想定されていた。だから、「独立の生計を営む内親王」あるいは「独立の生計を営む女王」なるものが、実際問題、想定されたわけではない。
女性皇族が公的団体の総裁の地位に就くこともない。
女性皇族は、皇室を離れることが想定されていた。
いい・悪いでなく、当時の時代背景であれば、その通りなのでしょう。
森先生は続けて
しかし、現在は時代が異なる。1986年男女雇用機会均等法を契機に女性の社会進出は本格化し、女性の初婚年齢は上がっている。2022年の女性の初婚年齢は29・7歳(平均)である。結婚を選ばない人も増えた。こうした社会状況は皇室に直接、影響する。
と書かれ、紀宮さま(現在の黒田清子さん)から女性皇族が公務を本格的に担った経緯、現在未婚の女性皇族が4名様いらして、皇室の公務の大きな部分を占めていることを記されています。
女性皇族が公的団体の総裁の地位に就くこともない。
女性皇族は、皇室を離れることが想定されていた。
もはや時代遅れですね。
そして「伝統だから」と当時のまま皇室だけこの通り行っていたら、国民から皇室への敬愛は「今時何やってんの?」と薄れていくでしょう。
間違いなく「男だから、伝統だから」と旧宮家の養子が皇室に入ったら「今時何やってんの?」となるのは常識としてわかります。
そして、三笠宮家は女性宮家か?というところにも触れ、女性皇族のキャリアの多様性を考え、
要するに、何を「女性宮家」と呼ぶかは、定義次第なのであり、女性を当主とする宮家の出現は、戦後初の「女性宮家」の誕生と言ってもよい。そうした画期的な事態に、女性当主の皇族費が、男性の半額という「旧態依然」を変える機運さえない。メディアにも政治家にも、これを問題だと考える人はほとんどいないのである。旧宮家養子案以上に、女性差別も甚だしいと考えるのは私だけだろうか。
と締めています。
皇室に続く「男女不平等」について。これは、皇室の皆さまが「男女不平等」と考えているのではなく、「男女不平等という制度」が、未だに皇室に残されているということと強烈に感じています。
現代を生きる当事者が、自分たちで制度を創れない、窮屈なところで過ごされている。しかもその制度を作っているのは法律。国民・国会が決めるものです。
国民は(ごくごく一部のカルトを除いて)皇室の皆さまが過ごしやすい制度を考えている。「愛子さまが女だから皇太子になれないのはおかしい」と考えています。それを阻む議員が「保守」を名乗っている。
こんなおかしなことがあるでしょうか。
保守とは何か、リベラルとは何か。
本日森先生、皆さまの議論に期待です!

3 件のコメント
mantokun
2025年10月26日
現在の皇室の危機は、戦後間もない時代の社会制度や通念に基づいて制定された皇室典範および皇室経済法を、時代に合わせて改めてこなかったことに起因しているのだと、改めてよく分かりました。平成末期に天皇陛下(現上皇陛下)が退位を望まれた際も、自称保守派が「死ぬまで天皇をやれ」と要求していたことを思い出します。
40年間も皇室に男子が生まれず、国民と同様に女性皇族の婚姻年齢が上がり、女性皇族がご公務や祭祀の多くを担うようになっても、状況に合わせて法を変えるのではなく、合わない法に皇族方を合わせようとし続けてきた。その綻びが、ついに繕えないほど大きな裂け目となって現れているのが現在の皇室の危機的状況なんですね。
やはり三笠宮家の件については、皇室経済会議を10分程度でそそくさと終わらせて、なし崩しに宮家を増やすのではなく、時代に合わない女性皇族への差別的待遇を解消すべきだと、参加メンバーがはっきり訴えるべきでした。
名目上の女性宮家が誕生したところで、現行の皇室典範のままでは彬子さまはご結婚とともに皇籍離脱されてしまいます。三笠宮家はそれこそ養子を取らない限り、当代限りでの廃絶に変わりはなく、親王妃家は言うまでもなく信子妃のためだけの宮家です。結局、宮家が二つに増えたのは国民負担を増やして現状を追認しただけであり、安定的な皇位継承には全く寄与しません。皇室の安泰のために愛子天皇を主張されている森先生が、三笠宮家の分裂を批判されたのは当然のことです。森先生だけでなく小林先生や高森先生も懸念を示されたのは、同じ理由からでしょう。
また、皇族費は「皇族としての品位保持の資に充てるためのもの」であり、国会の議決を経て支給されるものです。立憲君主である天皇が、ご自身の判断で「昇進や顕彰」の意味を込めて増額や支給を決められる性質のものではありません。それに、皇族費が増えることには顕彰の意味があるなどと言ってしまったら、高円宮家の皇族費が増えないことの説明がつきません。
女性天皇や皇族費増額は、あくまで皇室典範と皇室経済法における女性差別の是正によって行われるべきです。
ご自身の見解に固執するあまり、天皇が立憲君主であることを理解していないかのような主張を繰り返しコメント欄に投稿される方がいますが、これは昨日のDOJOで、中島先生が「意見の異なる相手の話を聞く姿勢を持ち、自らの考えを変える余白を持つ」とおっしゃっていた保守の態度からはかけ離れているように思います。
SSKA
2025年10月25日
竹田恒泰が自分の爺様の名誉にばかり執着するのにも改めて納得、公的な立場と民間を混同するのがほぼ詐欺師の手口に近いですが、どの様な地位であっても女には絶対継げないし継がせないのが理想だと言いたいだけなんですね。
そう言う恒泰自身竹田家では傍系に過ぎないので旧皇族だった祖父のものを何一つ継げないのが実態ですし、血統が全て均等な価値を持つのもそれが代を超えて続くのも完全な大嘘と言うのを身を持って示す存在と言えるでしょう。
SSKA
2025年10月25日
三笠宮家の事では森先生と意見が違う部分が多いですが、皇族費の男女差については兼ねてから懸念していたので勉強になりました。
報酬や費用ってお金の問題ですけど公人でも私人でも必然的にその人の社外的評価と近くなりますから社会の意識を変えるのも実体が伴わなければ影響が及ばないし、逆に実体があっても法や規則が追いついていなければ修正が必要となる、人数の減った皇室が女性の公務に重きを置いておられる事に疑う余地はないので相応の対価も必要とされる事が無視出来なくなるのを見越した上での「二つの」宮家の発表だったと思っています。
単に親から継ぐ以外にも昇進や顕彰に近い形でこれまでの貢献が認められまだ先の将来が期待されるのも、まだ先に続く若い方も含めて女性の自立を加速させる一歩と考えられるのではないでしょうか。