「愛子さま排除法」施行を来月に控えて、『君主制原理 その生成、終焉、そして遺産』(長谷部恭男・早稲田大教授著)への加藤陽子東京大名誉教授(日本近代史)の書評を、毎日新聞が掲載しています。
皇室典範改正の今に読む 長谷部恭男氏の新著『君主制原理』【毎日新聞】
皇室典範「改正」が79年ぶりに強行された現在にあって、君主制原理の淵源(えんげん)について、他ならぬ著者から語って貰(もら)える僥倖(ぎょうこう)を思うとき、読み進む手も震えるというものだ。本書が描いたのは、19世紀のドイツと日本における、君主制原理と国家法人理論の緊張をはらむ歴史的展開である。
(中略)
君主制原理とは、君主は国の統治権全てを持つが、自ら定めた憲法の規定に従ってそれを行使するという原理である。フランスの1814年憲章前文で定式化され、ドイツ諸邦の憲法典を経由して、日本においては天皇主権原理としてそのまま継受されてゆく。大日本帝国憲法の天皇の位置づけは、特殊ではなく普遍のなかに置かれる。
一方の国家法人理論とは何か。国家を国民から構成される法人だと考える。統治権の主体は法人たる国家にあるとみる。美濃部は天皇主権原理と国家法人理論が両立不能であり、天皇主権原理が過渡期の概念だと知っていた。著者は、伊藤博文に最も影響を与えたことで知られるシュタインをも深く読み込み、社会改革を実践する君主制のみが歴史的に生き残りうると看破していた事実を教える。
9月12日開催「愛子天皇への道」公開生放送において、小林先生は
「権威は天皇 権力は政権 権力は権威を敬わねばならない」との至言を述べられました。
天皇主権原理と国家法人理論が両立不能であり、天皇主権原理が過渡期の概念との
後に「天皇機関説」を唱えた法学者の見解と、
社会改革を実践する君主制のみが歴史的に生き残りうるとの
旧皇室典範制定への提言を伊藤博文に与えた法学者の見解は、
時代に合わせて変化することで続いてきた皇室のあり方に沿うものであり、
天皇が国の統治権を持つ天皇主権原理が移行した象徴天皇制と
統治権の主体が法人たる国家にある国家法人理論とが齟齬なく両立しうるためには
権力が権威を敬うことが大前提。
権力が権威を敬うことなく「養子の子を天皇に」据えて
男系維持を強化しようとする時代に逆行した制度は
歴史的に生き残り得ないことを、再確認できました。
「愛子天皇への道」サイト運営メンバー まいこ