【皇室と競馬】ステレオタイプを破った外国人騎手の敬愛心

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L.Kです。

明日、5月29日は、競馬の祭典・日本ダービーが行われます。

皇室と競馬には深い関係があります。
戦前は、皇室・御料牧場の競走馬が競馬界の主役を担い、
現在でも「天皇賞」は伝統のビッグレースとして特別な存在感を放っています。
(その他に、「高松宮記念」というレースもあります。)
さらに、上皇上皇后両陛下、今上陛下は、平成時代にそれぞれ2回ずつ競馬場にお出ましになられています。


そこで、今日・明日の2回は、【皇室と競馬】シリーズと題して、上皇上皇后両陛下、今上陛下が競馬を観覧されたときの印象深いシーンをご紹介します。


上皇上皇后両陛下、今上陛下は、平成時代、以下のレースを競馬場でご覧になられています。

  • 平成17(2005)年10月30日 天皇賞(秋):上皇上皇后両陛下がご観覧(106年ぶりの天覧競馬)
  • 平成19(2007)年 5月27日 日本ダービー: 今上陛下がご観覧
  • 平成24(2012)年10月28日 天皇賞(秋):上皇上皇后両陛下がご観覧
  • 平成26(2014)年 6月 1日 日本ダービー: 今上陛下がご観覧

平成1719年のレースでは、優勝馬の騎手がスタンド前に戻る際、馬上から陛下に敬礼をするという、感動的なシーンが見られました。

私が皇室に敬愛心を抱くようになったのは、このシーンを目撃したことも大きな要因としてあったように思われます。


さて、この次に上皇上皇后両陛下がお出ましになられたのは、平成24年の天皇賞(秋)
これが今回ご紹介したいレースです。


このレースを優勝したのはエイシンフラッシュという馬。

後方から、内側の空いたスペースを突いて逆転する、見事な勝ちぶりでした。

しかし、私は正直複雑な思いがしました。

馬券が外れたからではありません。
優勝馬の騎手が外国人だったからです。

天皇皇后両陛下(当時)がご覧になる前では、日本人騎手に勝ってほしかった。
外国人が、両陛下に対して敬愛心を持った態度が取れるのか。

当時は本気でそんなことを思ってました。


しかし、現地観戦していた私の眼前に広がった光景は、思っていたものとは全く異なるものでした。

優勝した人馬が、ウィニングランをしながらスタンド前に戻ってきたとき、
その騎手、
ミルコ・デムーロはおもむろに馬から降りて、
両陛下に向かい、膝をつき、深々と頭を下げて、西洋式の最敬礼をしたのでした。

私は、自分の排他的で選民思想的な考え方を恥じました。

天皇を敬愛する気持ちは日本人だけのものではない。
むしろ外国人の方が素直で深い尊皇心を持っていたりするのではないか。

当時、ちょっとネトウヨ的な自己慰撫史観に偏りがちだった私ですが、
そうした考えを改めるきっかけとなった瞬間でした。

皇室に対しても、その頃辺りから、ありのままのお姿に敬愛心を持てるようになったように思います。


文責:静岡県 L.K (40代、男性、好きな馬はサイレンススズカ、オルフェーブル


12 件のコメント

    サトル

    2022年6月3日

    これを『美しい所作』と「感じる」のが、「価値の序列」に繋がる「道」と感じます。

    それが騎士「道」であろうと、武士「道」であろうと。

    また、ミルコ・デムーロは、イタリア人。
    戦後のドタバタの際、活発な左派の活動もあり、「国民投票」により、「王制廃止」➡「共和制」へ移行。「イタリア共和国」となった歴史を考えると……。(また、その「元となった」背景も考えると)

    今「皇室の危機」を迎える日本。まさかの「男尊女卑」あろうことか「血の崇拝」。

    「許すまじ……」かと。

    「失うと取り返しがつかない」ことがある……と、思わずにいられませんね。

    れいにゃん

    2022年5月29日

    すごいです!ミルコ・デムーロ騎手の最敬礼の映像は、鳥肌が立ちました。海外から日本をみて初めて気づく事は多々ありますが、このエピソードはその類いの、更に上を行く衝撃がありますね。雷に打たれたLKさんの映像が脳内再生されました。

    殉教@中立派

    2022年5月28日

    思えば、マッカーサー、トランプ、陛下に挨拶に向かう外国の大使たち・・・外国人の方が、むしろ皇室と親和しているのでは・・と思える。

    ただ、将来「青い目の天皇」が誕生した場合、諸外国に「日本は、移民に制圧された」という、悪いイメージを広げてしまう。その前に、日本人だけで皇室を立て直す・・愛子天皇と女性宮家を実現して。マスク外し問題然り、「外国人頼み、外圧頼み」ばかりでは良くないから。

    昭和43号

    2022年5月28日

    競馬はほとんど見る機会がなかったので、皇室と競馬に深い関係があることは全く知りませんでした。
    ミルコ騎手の敬礼には本当に感動しました。男系派よりも尊皇精神があるかもしれない、とも思えてきます。
    貴重な情報を提供して頂いたL.kさんとちぇぶさんに感謝申し上げます。

    基礎医学研究者

    2022年5月28日

    自分も正直、L.Kさんが競馬好き(もちろん、単に馬を見るのが好きというのとは、違いますよね(笑))というのは、ちょっと意外。でも、L.Kさんの尊王に対する心境の変化がよくわかるエピソードで、楽しく読ませていただきました(ちぇぶさんからも貴重な情報ありましたが、競馬も勉強になりました)。

    マーちゃん

    2022年5月28日

    素晴らしいですね。落涙しました。

    京都のS

    2022年5月28日

     曇り無き目で見たなら本物の権威は自明なのかもしれません。日本人の場合、ある者は目にGHQフィルター(WGIPフィルター)を着けていますし、別の者は権威「主義」フィルターを着けています。案外、純粋に「愛子様ラヴ」だけの人こそがフィルター(穢れ)無き目で見上げることが出来るのかもしれません。

    ダダ

    2022年5月28日

    ちぇぶさん
    情報提供ありがとうございます!
    鳥肌が立ちました!!

    ちぇぶ

    2022年5月28日

    これ、ほんと、すごかった。
    本当はここでは降りてはだめなんだってね。
    失格になりかねない行為と、後から知った。
    ジョッキーだからそのルールを知らないわけがない。
    でも、競馬としてのルールよりも、天皇陛下への敬意を払ったことに、本当にすごいと思った。

    くりんぐ

    2022年5月28日

    ミルコ・デムーロ氏のような日本以外の国の出身の方は、日本以外の国の出身ゆえに「日本をもっと詳しく知りたい」と日本文化を深く探究され、その中で日本の象徴である天皇陛下への敬愛心が自然と育まれていったのでしょう。

    roku

    2022年5月28日

    素晴らしい光景をご紹介下さってありがとうございます。
    ちなみに、私が好きな馬は、テンポイント と ディープインパクト でした。

    ダダ

    2022年5月28日

    L.Kさんが競馬好き(割とガチ)なのが意外!

    天皇への敬愛は自然と伝播するんですね(*^-^*)
    とても面白かったです!!

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