『のだめカンタービレ』のシュトレーゼマンと皇位継承問題

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「今のままでは千秋と一緒にはいられない。のだめちゃん、もっと真剣に音楽と向き合わないと心から音楽を楽しめませんよ。」
 自分もオーケストラがやりたいと懇願する主人公・のだめに、指揮者・シュトレーゼマンはこう言いました。


 実際、のだめはピアノを弾くときも楽譜を見なかったり曲を勝手に転調したり作曲するなど、音楽に対する姿勢も疑わしいといわざるを得ずオーケストラをあわせられるものではありませんでした。(なお、これはもう1人の主人公・千秋真一も指摘しています。後に、千秋とともにフランスへ留学するときも上述の悪癖は改善されてはいませんでした。)


 では、これと皇位継承に関する議論に共通するものは何か?

 それは”自身にとって辛いことにも向き合えるか”です。


 男系派やその他皇室バッシングをする人々の”自分たちは男系男子が天皇でなければ嫌だ”、”結婚相手が小室なのは嫌だ”という感情と、上述ののだめの”ただ楽しくピアノを弾ければいい。”という姿勢は”ただ自分が楽しければいい”という考えと共通すると、私は考えるからです。


 しかし、それでは皇室や音楽に関わらず限界が来るのは明白で、現に皇室ではもはや男性皇族は悠仁さま1人になってしまっていますし小室さんバッシングに関しても皇室と国民の関係に深い傷跡を残してしまいました。


 また、音楽も同様で”自分が楽しければいい”という考えではオーケストラに合わせることはできませんし、せっかくの作品も台無しになってしまいます。


 皇室も音楽も、他者とを考えを合わせようとする努力があるからうまくいきますし、成功もします。


 ”女性・女系天皇は嫌だ”、”男系男子でなければ嫌だ”という考えも、”ただ自分が楽しければいい”という考えも自分本位の考え方であるということにほかならず、いつかは不快な不協和音を奏でてしまいます。


 国民と皇室が共に、最高の音楽を奏でられるのは国民が皇室としっかり向き合うことができるか、それにかかっています。

 千秋の誘いでパリに留学した後も、のだめの悪癖は解消されませんでした。また、自身の夢であった「千秋との共演」も自身の友人兼ライバルの中国人ピアニスト・ruiに先を越されてしまいます。

 ぞの後、偶然再会したシュトレーゼマンはのだめに自身との共演をさせることで「本気で音楽と向き合うことで得られる楽しさ」を教えようとしますが、自身の幼少期に受けた苛烈な教育のため音楽業界やストイックに音楽に取り組むことにトラウマを感じていたのだめにとっては、かえって逆効果になってしまいます。


 その後逃避行を重ねてパリに戻った時も、同じアパートの作曲科の友人に「自分の作った曲を勝手に変えられるのは好きじゃない」、「ちゃんと楽譜を見て弾いているのか」と苦言を呈されています。(日本にいる時も、千秋にシューベルトの曲は難しくてまるで気難しい人のようだとメールを送った際に「本当に気難しい人なのか、自分のことばかり言ってないでちゃんと相手と向き合え」と返信されています。)


 音楽にせよ、皇室にせよ相手と本気で向き合ってこそ上手くいく。

 ただ一方的に自分のことばかり言っているとうまくはいかない。


 その趣旨を伝えるために今回の文章を投稿しました。

 文責 山梨県 jacker

3 件のコメント

    ねこまる

    2022年6月20日

    ブログの感想から離れることをお許し下さい。
    殉教者@中立派 さんのコメント、の蛇足部分。
    おふくろさん事件ですが、あの時の紅白は、時代を象徴する歌・あの懐かしの曲を再び、というテーマがあり、それで「おふくろさん」が選曲されていました。視聴者は昔テレビで聞いた「おふくろさん」を楽しみにしていたはずです。
    それなのに…。
    「私」に走った森進一。
    国民の8割が女性・女系天皇を容認しているのに、未だ向き合わない男系派。
    そっくりです。
    「私」に走らず「公」をみて欲しいものですね。

    殉教@中立派

    2022年6月19日

    うーむ。「協調性は無いが、一人で行動すると、その方が良い結果を出せる人材」は一定数存在するので、(ある意味では)のだめの気持ちも分かる。
     ただ、これは「他人や、世間に迎合する」という話ではない。その人の「公益心」の問題である。戦争論から続く問題-「私」と「公」の分水嶺はどこにあるのか?それに道を示してくださるのが、天皇陛下や、皇室の存在といえよう。のだめや男系派は「私」から抜け出せておらず、このままでは進歩も何も無いだろう。今から24年前のテーマが、未だにこの国には根付いていおらず、愕然とするが・・・天皇や皇族方の「態度」から学んだこと、決して忘れずに進もう。

    (蛇足)「ワシの歌詞を勝手に変えるな!」森進一VS川内康範の戦い(おふくろさん事件)を思い出してしまった。替え歌作成者の私には、かなり耳が痛い話だが・・・自分の母への個人的なメッセージを歌詞にするのは、「私」の垂れ流しといえるだろう。

    ダダ

    2022年6月19日

    確かに男系派は皇室と向き合っていませんよね。
    身内だけで盛り上がっていますが、どの宮家が養子を受け入れるのか明らかにしていません。そもそも養子当事者がいない!
    政府(加藤元官房長官)は養子実現の計画はないと明言したのに、先に法改正されないと名乗り出ることは出来ない!とか悪あがきも大概にしろと言いたいです。

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