北海道ゴー宣道場 論点まとめ

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L.Kです。
7月10日(日)、参院選と同じ日に北海道ゴー宣道場が開催されました。

皇室への関心が薄いとされた北海道でしたが、予想を上回る参加率で急遽座席を追加するという嬉しい事態が発生。

ご当地ヒーロー・ソーランドラゴンのオープニングアクトもあり、熱気に包まれた中で多岐にわたる議論が繰り広げられました。

以下、道場で語られた論点をまとめてみました。

● 権威と権力の分立

権威が、権力とは逆に弱い立場の人々に寄り添うため独裁が防がれる。
もう少し噛み砕くと、そういう姿勢の権威がいらっしゃるから民心が一方的に権力者になびくことなく、ギリギリバランスが保たれる、ということだと思われます。

尚、高森先生によると、世界の幸福な国(平均寿命が長く、経済力があり、言論の自由がある国)の大半は君主国であるとのこと。

また、「権威」と「権力」の違いをブログの中で次のように説明されています。
・他人を外形的な力(警察・軍隊など)で従わせるのが「権力」。
・他人を本人の内面的な同意や納得によって従わせるのが「権威」。

「天皇・皇室をめぐる基本用語、「権威」と「権力」の端的な違い」より)


● 憲法における天皇の重み

・章立て:「国民の権利及び義務」や「戦争の放棄」より前の、第一章に天皇条項が書かれている
 第一章に君主の規定がまとめられている憲法は、他に例が無い。
・三権の内、行政と司法の長は天皇が任命する。
 これは「主権の存する国民の総意に基づく唯一の国家機関」である天皇の権威を借りることでその正統性が保証される形となる。
・国会開会時の儀礼:
 天皇は、国会を「召集」する(「招集」でない)
 議長は、天皇による宣言のお言葉を受け取った後、向きを変えず(天皇に背を向けず)後ずさりする形で元の位置に戻る
 また、天皇が国会議事堂にお出ましになる際は、国会議員が頭を下げてお迎えする


● 教育の問題

国旗や国歌を習わない地域が多い。

中学までの義務教育までに上記の国の形を学ばないから、皇室が消滅すること、共和制に移行することがいかに危ういかが国民には知られないままとなっている。


● 女性と女系の違い?

厳密には、
男系:男子だけでつながってきた方
女系:女子だけでつながってきた方

を指し、これを単系という。
単系でないつながりを非単系という。

例えば、愛子さまに男のお子さまがお生まれになり、さらにそのお子さま(愛子さまの孫)がお生まれになったとき、この方は厳密には男系でも女系でもない。

しかし、実際には「男系以外」をすべて一括りに「女系」(厳密な女系+非単系)ということがある。

政治家の中には、「女性天皇は認めるが女系天皇は認めない」という者もいるが、
女系天皇を認めないと女性天皇の子に継げないことになるから、皇位の安定継承に結びつかない。
なので女性と女系はワンセットでなければならない。


● 候補者アプローチの効果

当日集計時点で325件のアプローチ報告があった。
これは(女性天皇の議論を見て見ぬふりする)政治家世間の空気を変える画期的な取り組み。
男系派が真似しようとしてもできない、国民の良識を代表する声を届けられた。


● 無意識の男尊女卑

男の血は優秀で、女の血は欠陥という、無意識の男尊女卑感覚がある。
しかし、古代は男女関係なく、実力のあるものが皇位に就いた。


無意識の男尊女卑がいつ頃から根を張り始めたのか。

それが現在応募受付中の9月東海ゴー宣道場につながっていくわけですね(^^)

国民の声を届けた後は、その実現を阻む今の感覚が誤りであることを政治家に知らしめていかねばなりません。

ますます重要になる公論イベントにどうぞご期待ください。

下記よりご応募もお待ちしております!
https://www.gosen-dojo.com/event/33201/


文責:静岡県 L.K(40代、男性、土曜日ブログ担当)

4 件のコメント

    基礎医学研究者

    2022年7月18日

     論点まとめ、ありがとうございました。自分も当日は、関西パブリックビューイングにおいてノートとってしっかり聞いていたつもりでしたが、大変参考になりました。私、個人的には、L.Kさんも言われているように、次の東海道場にうまくつながっていく「話」の展開かと思いました。また、参院選における候補者へのアプローチは、じわじわと「愛子天皇への道」につながっていくことを実感できる”心ある国民の行動だった”、という点で、激しく同意であります。

    ダダ

    2022年7月17日

    L.Kさん
    論点まとめ、ありがとうございました。
    国会では天皇と議員の上下関係が目に見える形で分かる。が勉強になりました。

    本物の権威を肌で感じているはずなのに、議員の皇統問題への無関心さは何なんでしょうね。その一方で、安倍元首相(権力者)に権威を与えようとしている。
    とんでもない事態(時代)に入ってしまいました。

    殉教@中立派

    2022年7月16日

    L.Kさんが記載しなかった内容を、いくつか記しておきます。
    ・改憲VS護憲の戦後史
    戦後間もない頃の憲法学者たちは、(皇室への敬愛こそ薄かったが)合理的にものを考えていた。「公共の福祉という言葉、漠然とし過ぎではないか」「女帝や生前退位を、認めてもいいではないか?」など。

    ・憲法とAI自動運転
    普段の憲法は、国民が眠っている間に自動運転で動かす。国にピンチが迫った時、国民達が「起きて、憲法改正する」事が、現憲法の運用条件。だが実際は「選挙の時は寝ていろ」「立憲主義はお花畑だ」など、そうした理念に逆行する言説が溢れている。「立憲主義か、世間主義か」の分水嶺は、国民が権力を「憲法という道具を用いて」縛れるかどうかで決まる。

    ・緊急事態条項
     まず先に、緊急時における「ルール」「責任の所在」を決めておく事が必要。間違っても「緊急事態においては、政府に従わなければ虐殺可能、女子供は兵役に」などの話ではない。緊急事態条項はむしろ、権力の暴走を防ぐ仕組みのひとつ。

    ・質疑応答より
    憲法99条を見ると、天皇も憲法に命令されている(憲法を尊重・擁護する義務)。自民党員は「立憲主義」を分かっておらず「天皇を憲法の縛りから(99条では)外す」「むしろ、権力が国民に命令する」という形をとっているので困る。また、皇室の年間予算において、国民全員が年額5円を負担している(払ってやれよ、そのくらい)。

    京都のS

    2022年7月16日

     9.11の東海道場に申し込みました!期待しています!北海道は行けませんでしたorz

     「無意識の男尊女卑がいつ頃から根を張り始めたのか」は、朱子学が官学として本格導入された1600年代初期だと思われます。江藤淳の『近代以前』などを読むと「急進的な改造」と呼べるほど社会と思想が変化した時期でした。つまり婚姻の形が「妻問」だった古代、「婿入り婚」が多かった中世を経て、「嫁入り婚」が一般的になった近世こそ男尊女卑が定着した転換点だと思われます。

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