アニメ化もされた芥見下々先生の人気漫画『呪術廻戦』をご存じでしょうか。本作は「呪い」を祓うことを生業とする呪術師たちが活躍する作品ですが、キャラクターそれぞれが独自の行動指針や美学を持っており、思想的にも深い漫画だと私は感じています。例えば主人公の虎杖裕二は「正しく死ぬ」ことを是とします。
「死」そのものを悪としていないので本作は生命至上主義を超克しています。裕二は死に際の祖父から「お前は強いから人を救え」と遺言されます。それが行動指針となった裕二は「正しく死ぬ」ことに拘ります。そして「正しい死」とは「理不尽な死に方や殺され方でないこと」や「満足して死んでいけること」が該当すると思われます。自らコロナ死することを怖がって他人に自粛を強要した人々は、自粛を原因として自死に至った人々やコロナワクチンの副作用死に遭った人々に「それは正しい死だ」と心の底から言えるでしょうか?
ところで、劇中の呪術界には御三家があり、禪院家と加茂家は旧家だけに極めて男尊女卑的な因習も残っています。呪術高専京都校の西宮桃は言います。「呪術師が実力主義なのは男だけ」「女はかわいさも求められる」「女の呪術師に求められるのは完璧」。そして禪院家に身を置く真衣を評して「真衣ちゃんが求められてるのは完璧なんて生易しいもんじゃない!」と叫びます。なりたくなかったのに呪術師として完璧を求められる真衣と禪院家を勘当された姉の真希との、実は互いに思い合っているのに対決してしまうシーンは、秋篠宮(&小室)批判のために愛子様推しが逆に盛り上がっている現状が重なってしまい、皇族女子たちの境遇に思いを馳せてしまいました。また、加茂家の嫡男・憲紀は側室の子ですが、正室が術式を受け継ぐ子を産めなかったからです。この時点で「産む機械か!」とキレました。このような理不尽を是とする御仁らとは最早「呪い合う」しかないですよね。祓うしかないですよね。以上のように『呪術廻戦』は現代日本の理不尽が集約されたような作品だと私は感じてハマりました。
さて、私たち日本国民が正しく死ぬ(自らが死ぬ段になっても後悔なく逝ける)ためには、皇室という歴史的英知の結晶を次代に受け継ぎ戴天すべく活動することが求められるのではないでしょうか。
文責 京都のS
10 件のコメント
呪術高専京都校のS
2022年8月15日
基礎医様、『鬼滅の刃』が浅いと感じてしまほど『呪術廻戦』は深いですよ。内容については多くを語りません。既にブログ本文で語っていますが(笑)。これ以上は言わないように語彙を絞っておきます。「しゃけ」「おかか」…。
実は私、原作に触れたことは無く、アニメ(しかも再放送)勢なのです。たまたま仕事で知り合った少年に勧められて観たのがキッカケです。25話以降の製作が進んでいるらしいので、24話までネット視聴をお勧めしたいですね。
基礎医学研究者
2022年8月14日
「呪術廻戦」、本屋言ったら最新刊が平積みされているのを見かけました。なるほど、京都のSさんが時々使われる”変名:呪術高専京都校”は、この漫画に由来するのですね(僭越ながら、今回初めてわかりました)。閑話休題。
で、話を見るに、一言でいうと、少年ジャンプっぽくないスタンスですね。まあ、あの雑誌、結構実験作も載せているので(例えば、荒木飛呂彦先生の作品)、そこから外れても違和感はないのですが(;^_^A。しかし、”正しく死ぬ”といコンセプトはかなり意表を突かれました。”生きろ”といわれると偽善的な匂いがしますが、こう言われると、哲学的な死生観が展開されていそうな気がした、と自分は思う次第でございます。
呪術高専京都校のS
2022年8月13日
ダダ様、返信ありがとうございます。やはり私は資産家の篤志家が主体の私設組織(鬼殺隊)よりも、公費が投入されている(東京都立)からこそ各方面の世間に影響され、それでも五条や虎杖や伏黒らの個人が呪霊にも呪術師世間にも立ち向かっていくという作劇の方が好みなのですよね~。
ダダ
2022年8月13日
京都のSさん
芥見先生、一年前は接種予約ができず怖がっていましたが、今は分かりません。言葉足らずでスミマセン。
ナナミンのような人気キャラを退場させるので、上手いですよね。セリフも秀逸です。
鬼滅では人間を哀しい存在と捉えていて、人間から変異して生まれた鬼もまた、生きる哀しみ、存在する哀しみがある。人と鬼の対立ではなく、人≒鬼の暗示があると思いました。
また、鬼殺隊が政府「非」公式(お館様の私設部隊)であることに、グッときます!この点、皇位の安定継承を求める情熱が政府を凌駕している、私たち公論サポーターに重なります(`・ω・´)ゞ
余談ですが、私は吾峠先生の肋骨さんも好きです(*^▽^*)
鬼殺隊京都支部のS
2022年8月12日
そうそう、悠仁様のお相手として相応しいのは「鬼滅の刃」の禰津子だと評したこともある高森先生に「呪術廻戦」の評価を訊いてみたいと思いました。
京都のS
2022年8月12日
なのフェイ様、機会があったら観てみます。論文ならぬ作品は日本人の深層心理が現れてきますから、日本人の基礎が男尊女卑でないことを如実に示しているのでしょうね。
呪術高専京都校のS
2022年8月12日
ダダ様、コメありがとうございます。芥見先生はコロナフォビアなのですか。残念。私は「鬼滅」の世界観より「呪術」の世界観の方が好みです。「鬼滅」は御館様の下に鬼殺隊が結束してるじゃないですが。だからジャンプ的に「友情、努力・努力・努力・努力…、勝利」という単純な図式になっている気がします。その点「呪術」の場合は虎杖裕二を巡って呪術界や高専上層部に対し一講師である五条悟が歯向かったりしますよね。そういう一枚岩じゃないところが好みです。じゃあ「呪術」は「どっちもどっち論」なのかと言えば全然そんなことはなく、呪霊や呪詛師は絶対悪として描かれますし、逆に「鬼滅」の方が鬼になった悲しい理由が明かされて情状酌量の余地が出てきたりします。
さて、私が本稿を書いたのは、残念ながら時間外労働(笑)でした。
なのフェイ
2022年8月12日
同感です。劇場版イデオン2作品もオススメします。後継者に男が欲しかったのに、女だらけ。父親が不満に思っています。日本のアニメは、ジェンダー的に面白い。
ダダ
2022年8月12日
呪術廻戦は好きです!
が、オマージュとパクリは紙一重だなと、ヒヤヒヤしています(;^_^A
呪術の作者はコロナを怖がっているのですが、それが作品に反映されていないので、感心しています。
呪術廻戦と同じジャンプ作品の、鬼滅の刃は分かりやすく生死をテーマとしていました。
次代にその影響が表れることを期待しています。もちろんラスボスの鬼舞辻無惨ではなく主人公側の精神が、ですが(^-^)
呪術高専京都校のS
2022年8月12日
この際だから未登録の特級呪霊「トーイツゲンリ」も一緒に祓いたいですね。