東京新聞Webサイトに、5月18日付で日大名誉教授・百地章氏による男系派の主張が掲載されました。
東京新聞
<代替わり考 皇位の安定継承>(2) 旧宮家男子の皇籍取得を
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202005/CK2020051802000143.html
この記事を材料に、男系派の主張の問題点を検証してみます。
以下は、記事からの引用とその反論です。
「秋篠宮殿下と悠仁(ひさひと)親王の継承順位はすでに第一位と二位に決まっており」
→秋篠宮殿下と悠仁親王の継承順位は、確定していません。
仮に天皇陛下に男のお子様が新たにお生まれになった場合、現行の皇室典範でもお二人の順位は下がります。
立皇嗣の礼を意識して国民をミスリードする主張と言うしかありません。
「旧宮家の男性は現憲法下でも皇籍離脱まで約五カ月間、継承資格があり、(中略)法的経緯を踏まえると、旧宮家の男性を皇位継承の『特別な有資格者』とみなすことができる」
→男系派が皇籍取得の対象と考える旧宮家男性は、終戦後に皇籍離脱した人たちではなくその子孫ですが、この人たちは生まれながらの民間人です。
従って、「特別な有資格者」とは到底みなすことができません。
「四つの旧宮家には明治天皇と昭和天皇の皇女が嫁ぎ、香淳皇后は別の旧宮家から昭和天皇に嫁いだ。天皇家と血縁が近く、親戚として交流している」
→男系による皇位継承に拘りながら、女系による旧宮家と天皇家の血縁の近さを主張することは、明らかな矛盾です。
「現代に女性天皇が即位すれば、制度としても男性配偶者と子の地位や待遇をめぐって法的な混乱を招く可能性が高い」
→第五条を改正し男性配偶者も皇族に含める等、皇室典範の一部改正で対応できる事項であり、何も混乱は生じません。
また、百地氏は、記事の冒頭で「『男系男子』の皇位継承は皇室の二千年近い伝統」と男系派の決まり文句を述べます。
しかし、百地氏を含む男系派は「昔からそうだった」と言うだけで、男系継承が皇位の本質と何の関係があるのかを一度も説明できていません。
以上のとおり、男系派の主張は何をとっても最初から論理が破綻しており、男系への固執は欺瞞以外の何ものでもありません。
皇位継承の議論は平成17年の「皇室典範に関する有識者会議」で尽くされており、新たに議論が必要な重要事項は基本的にありません。
国会議員は、この有識者会議の結論に沿って速やかに愛子皇太子を実現するよう動くべきです。
文責 東京都 りょう
2 件のコメント
りょう
2020年5月25日
コメントありがとうございます。
二千年続こうが男系継承に何の内実があるのかが説明できなければ、単に続いてきたという以上の意味のない慣習でしかないんですよね。
「昔からそうだった→伝統→絶対固守」では、論理を欠いた単細胞に過ぎません。それゆえに、議論先送りとか姑息な手を使うしかないわけで。
男系派のやることなすことは、「愛子皇太子」が正しいと結果的に証明しています。
花谷香史郎
2020年5月24日
男系固執の方は皇統が男系で長く続いてきたということで、
男系継承そのものに変な幻想を持っている人が多いようです。
様々なイデオロギーを排して男系継承の意味
を考えてみると、私は
「男の方が子孫を多く残せるから」
という結論に行き着いてしまいました。
男の方は妻を多く娶ればそれだけ子孫が残せる
可能性も高くなりますので。
勿論、これは近代まで側室制が認められていたが故
の話です。
側室制が続けば男系継承が続くのも当然のこと。
しかし、一夫一妻では男系にこだわる意味は
ほぼ無いでしょう。
愛子さまが皇位を継ぐことに問題はないはずです。