【書評】今こそ「愛子さまを皇太子に」の声を上げよう!『天皇論「日米激突」』・前編

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今回ご紹介する本は、小林よしのり/ケネス・ルオフ共著『天皇論「日米激突」』(小学館、2019年)です。

本書は、ご存知よしりんと、アメリカにおける近現代天皇制研究の第一人者であるケネス・ルオフ氏による対談。

天皇について日米の論客が様々な角度から議論します。

今回は女性天皇、及び愛子さまに触れている「第九章」を、三回に分けて取り上げます。

■伝統は時代と共に変化する

本章は多くの部分で「伝統」について論じています。

そこで重要となるのが、「伝統は変化する」ということ。

日本では側室制度が、アメリカでは奴隷制が「伝統」だった時代があります。

しかし現代においてそれらは否定されている。

何が伝統なのか、どうやって「本質的なエートス(魂)の部分」(222頁)を残すのか、時代の中で考え続けるバランス感覚が必要です。

ここでルオフ氏は「日本の保守派は、皇室に関する伝統の定義を変えてきました」(223頁)と指摘します。

そして「もし女帝制度ができたら、たぶん日本の右派は『やっぱり日本の本来の伝統は女帝だ』と言い出すと思います」(同頁)とも。

間違いないなと笑ってしまいました。

「伝統」という言葉を、自分の主張に都合よく利用しているのです。

しかし現代人は普段の生活で伝統について考えることなど、まずありません。

だから「皇統は男系で続けるのが伝統だ」と言われれば、素朴に「そんなもんなのか」と思ってしまう。

「男系絶対」は単なる男尊女卑の野蛮な意見なのですが、それを理論武装するのに「伝統」が利用されます。

ルオフ氏は「第84回ゴー宣道場」(2019年10月20日)にゲストとして登壇し、伝統を「魔術性」という言葉で説明しました。

常識で考えて明らかにおかしな主張も、「それが伝統だ」と言われると奇妙な説得力を持ってしまう。

しかし「伝統とは何か」ということは、私たち一人ひとりが自分で考えなければいけません。

(中編へ続く)


(文責:福岡県・ゾウムシ村長)

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1 件のコメント

    ナクラ

    2020年7月7日

    私は、未読なのですが、「伝統は変化する」と思っています。
    変える部分と変えない部分の妥当性を常に考え続けることが必要です。

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