天皇皇后両陛下訪問中のインドネシアの王のインタビュー

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朝日新聞の記事です。有料記事なので引用にて紹介します。

「ジェンダー平等」進めるインドネシアの王 天皇陛下へ伝えたい感謝
https://digital.asahi.com/articles/ASR6P7RHWR6PUHBI017.html?iref=pc_ss_date_article

インドネシアの「王(スルタン)」は日本における天皇とはだいぶん様相が異なるようですが、その発言には示唆に富むものが多いです。

 ――スリ・スルタン(敬意を込めたハメンクブウォノ10世の呼び名)は王であると同時に、ジョクジャカルタ特別州知事を兼ねています。世界的にも珍しい立場だと思いますが、仕事にあたり、どんな難しさがありますか?

 私はインドネシアが国として存在する以前から続く、この王宮の象徴です。
 リーダーは「自分には何の力もない」という感覚を持たなければならないと思います。権力は地域のために捧げるという気持ちを持たなければならない。私は社会に奉仕し、誠意を尽くさなければなりません。これは私がこの世に生を受けた時から生じている義務です。
 政治においては、自分の支持者の利益だけを優先するのではなく、全体の利益を優先しなければなりません。自分の中に存在する利害に支配されてはいけません。

日本の天皇には権力はありませんが、歴代天皇のお考えに近いものを感じますね。

 ――ジェンダー平等についての考えを聞かせてください。

 地球上にある全てのものは、神の創造物です。男性も女性もそうです。だから、女性も男性も同等の権利を持つべきです。
 私には5人の娘がいますが、男性と同等の教育を受ける権利、同等の機会を得る権利、抑圧されない権利があるはずです。
 最も重要なのは、男性であれ女性であれ、リーダーとしての資質を備えていることです。私にとっては、指導力のない男性よりも指導力のある女性の方がいい。
 実際、インドネシアの憲法では男女を区別していません。

 ――長女である王女が後を継ぐことについてはどう考えていますか。

 私としては問題ありません。なぜなら、今は時代が違うからです。
 昔は、王は男性であることを義務付ける伝統がありました。このような決まりや伝統は、インドネシアが国として存在する以前からあるものです。
 しかし今、インドネシアの国があります。
 私の子どもが娘であるからということではありません。インドネシアの憲法には男女の区別がない。憲法でそのように規定されているのに、なぜ男女を区別しなければならないのでしょうか。私は憲法に従っているだけです。
 男女平等のための私の戦いが批判されるのはおかしいと思います。

掲載紙の観点から、ジェンダー平等という切り口でまとめられていますが、わざわざ男女を必要以上に分ける必要はないという意見としてとらえることもできます。

日本国憲法の「世襲」は男系も女系も含むという見解に通づるものがあります。

天皇陛下とどのような話をされたのか、興味がわきますね。

2 件のコメント

    ただし

    2023年6月23日

     無私の精神、公僕であること、「しらす」に通じるものを持たれているご様子で、とても印象が良いです。
     陛下と相通ずるものがありそうで、嬉しくなります。

    teatea00

    2023年6月23日

    私も6月22日付け朝日新聞朝刊を読んで「おおっ」と思いました。見出しが「古都の王 男系継承に一石」となっていたので、「何? 男系?」ということで反応して読みました。これは参考になりますね。今上陛下がスルタン主催の晩餐会に出席されたことも、何かを暗示しているような気がします。

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