『愛子天皇論』【第二部、付録2】感想:「愛子天皇論」の謎に挑む③(殉教@中立派さん)

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・第二部:15年戦争編(序文&全体の構成)の感想
 P170からの序文は、小林先生が(過去の)無知を反省する所から始まり、これまでの戦いの経緯がまとめられています。そして先生よかったですの本心は、ラスト5行に込められています。「まえがき・最初の6行」の静かな闘志とは違い、真正面からの闘争心を感じさせる内容でした。
 各章の補足である「その後」が良かったです。それぞれの作品の意義を再発見したり、或いは最新の「ダンケー迷言集」を紹介するなど、歴史の記録としても機能しています。
これらの文章は過去ブログ・メルマガを原型としつつも、より分かりやすい内容です。本それ自体は重厚長大に、でも内容は簡潔に。これまでの作家性を維持しつつも(ファスト文化という)「時代の要請」に応えるのが、先生の現在の境地だと思いました。

・第二部:15年戦争編(内容)の感想
 単行本未収録の作品もあれば、既に3回目の収録となる作品(19、20章)もあります。また現在は「統一協会の影響力」など、新たに判明した情報も踏まえて読むと、別の発見もあるでしょう。過去に読んだときに「ちんぷんかんぷんだ」と感じた章も、(あの頃より鍛えられた)今になって、ようやく理解が追い付きました。
 内容自体は第一部より難解ですが、ゴー宣らしく、楽しく読める工夫もあります。それは小林先生の心得である「連載漫画には、キャラ立ちが必要だ。それが無いとストーリーだけの漫画になるから、途中からの読者が入ってこれない(よしりん辻説法①より)」です。
 第2部も第1部と同じく、個性豊かな悪役キャラ達が、風刺ギャグと共に暴れまわる・・という面白さがあります。八木、安倍総理、明恵夫人、腐敗した宮内庁職員、竹内、竹田など。ただこれは、現実に実害をもたらした「戦犯ども」の記録でもあります。
雅子さまら皇族方が受けた被害や、議論が停滞した原因などが、具体的に記録されています。いるいる詐欺師・政治の劣化・論破祭りのきっかけ(TV番組への反論)・統一協会の暗躍などを読むと、否応なく怒りが再燃します。
 激しい感情を抱く事件があっても、慣れてしまうと、以前ほどは感情を揺さぶられなくなります。だからこそ、その惨禍の記録を読み返し、その怒りを原動力に、戦い続けたいと思えます。

・付録2:天皇系図の感想&結び
 「天皇論 平成29年」収録の系図と同じく、気合の籠った手描き付録です。あちらは年表形式であり、学校教科書の基礎知識が併記されています。一方こちらは、側室出身・中継ぎ・失われた宮家などが図解しており、新しい発見に満ちています。
 「あ、男性の中継ぎ天皇がいた!」「600年離れた男系子孫・・・今まではちんぷんかんぷんだったが、これは良く解る図解!」「え、推古天皇や明治天皇が側室出身!?意外だー」「中宮制度かあ。現代では『重婚の禁止』に引っ掛かるし、復活は無理だろう」「欽明天皇が女系継承?え、両親のうち、母親は天皇じゃないのに?駄目だ、これは理解できない!」など、様々な感想を抱きました。
 論破祭りにおいても、強力な「上級者向けの武器」になるでしょう。ただ一部、理解できない箇所もあったので、自分には使いこなせないと感じました。それでもこの本には、初心者でも使える武器(情報・知恵のタネ)が、あちこちに埋まっています。それを掘り出して深めていき、情報を知識に変え、自分の言葉として鍛え、まっとうな表現者となるのが目標です。
読んだ人の感想は様々ですが、ボーカルマジョリティを切り開く物語の起点は、間違いなくここにあります。まだまだ壁は多いですが、この本と共に進んでいくのみです。(完)

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