〈記事紹介・感想〉第12弾 森暢平成城大教授の警鐘(これでいいのか「旧宮家養子案」)

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森先生のこれでいいのか「旧宮家養子案」第12弾です。

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サンデー毎日:宮家繁栄と皇統護持は利益背反の関係にある 社会学的皇室ウォッチング! /110  成城大教授・森暢平

 宮家は皇統護持のためにある――。そう語られることが多い。だが歴史を仔細にみるとき、この命題は必ずしも当てはまらない。たとえば天皇家は、断絶した宮家に皇子を養子に入れることで宮家の新陳代謝を促し、血統として天皇に近い宮家を創出しようとした。ところが、宮家側ではこれを拒否し、独自の家の維持に固執する場合があった。今回は18世紀の伏見宮家の継承を例に、宮家繁栄が皇統護持の目的から相反する面があることをみていきたい。(一部敬称略)

と始まる今回。

天皇家と宮家の関係。過去に何かあったようです。
読んでいて恐ろしくなったのが今回の第一印象。

伏見宮家の当主が跡継ぎがなく亡くなり、伏見宮家は仏門に入った当主の弟宮に継がせたい、天皇家は桃園天皇に第2皇子ができたら継がせたいと対立関係が出来上がります。
当時は仏門に入った皇族が宮家に戻る例(還俗)はなかったようで、幕府も間に入り、桃園天皇の第2皇子が伏見宮家を継ぎます。
ただ、継いだ第2皇子は12歳で亡くなり、13歳の桃園天皇に「皇子を3人産むこと」が義務づけられる事態に(実際には皇子を産まずに亡くなり傍系の光格天皇が即位)

伏見宮家は仏門に入った弟宮が還俗し、その後多くの子をもうけた。
当時血のスペアとして存在意義があった宮家が、子々孫々に継がれていくと、天皇家との血縁が疎遠になっていく(その通り)
伏見宮家が皇室からの養子を取らないように戦略的に宮家の繁栄を願っての動きとの事。

血のスペアとしての宮家であれば
森先生の書かれるように、

 天皇家側から有り体に言えば、四親王家が適宜断絶し、そのたびに皇子を養子として宮家を継がせれば、四親王家が随時、新陳代謝し、皇位の備えとしては理想の状況がつくれる。

この通りなのでしょうが、宮家の繁栄を願うのが目的になると

皇統護持の使命とは矛盾する

江戸中期の儒学者、中井竹山の言葉として

四親王家があるのは皇統の備えが大事だからだが、年歴を経ると属籍も遠くなるので、数百年の後、宮家が皇統を継ぐことがあれば、恐れながら安心できないという趣旨を書いている(『草茅危言(そうぼうきげん)』1789年)。

230年以上経って「旧宮家養子案」というものが出てきました。
「男系男子」が「養子に入る」と「皇統がつながる」といいますが、はっきり言って血縁が遠すぎます。
赤の他人です。しかも国民。
「恐れながら安心できない」事態が間近に迫っています。

百地章が、産経新聞の正論で「急げ『旧宮家の養子案』法制化を」と書いていることを
当サイトでも動画で「とんでもないこと」とアップしました。
森先生は正論の中で百地が書いた内容について

四親王家では、しばしば養子を迎えたと書いている。しかし、それは天皇家から養子に入った例である。江戸時代に限って言えば、現在検討されるような宮家に生まれた者が他の宮家を継承する例はなかった。そもそも、宮家における養子の目的は百地が述べるような「宮家存続」というより、むしろ「天皇家に近い宮家創出」であった。

「天皇家に近い宮家創出」という養子案を、あたかも「宮家が宮家を継ぐ」養子案があったかのように書く、
捏造データを使い、「有識者会議ヒアリング」で自分の都合のいいように話を持っていく「センモンカ」

何が目的なのか。本当にいい加減にしてほしいです。

いまのところ、旧宮家系国民の中に「皇室に入る意思のある男系男子」はいないようですが、
どこからか「皇室に入る意思がある男系男子です」という、
皇室の存続など考えない、よくわからない人がでてくるかもしれません。
(そんな人いたような…【小物ronpa】春ですね。)
「旧宮家養子案」は、皇室を脅かす存在になるでしょう。
そのようなことがないように「君臣の別」が守られているのではないかと素人目にも思います。

安定的な皇位継承とは程遠い「旧宮家養子案」
本当に国会議員は何を考えているのでしょうか。

森先生の次回作楽しみです。

文責 愛子天皇への道サイト運営メンバー ふぇい

3 件のコメント

    くりんぐ

    2024年4月15日

    伏見宮家の血筋にこだわる伏見宮家に対して、伏見宮家の当主に皇女を嫁がせて、皇女が産んだ子に伏見宮家を継がせるのは、天皇本家の対抗策だったのでしょう。

    旧宮家の祖である伏見宮家が当主に天皇の皇子を迎えるより、伏見宮家の血筋にこだわったことを考えれば、その子孫が天皇本家に養子入りすることが君臣の別に反することも含めて相応しいとは思えません。

    SSKA

    2024年4月12日

    自分の子孫が最優先となるのはスキャンダラスな旧皇族や竹田親子の振る舞いから自ずと分かる事で生物の本能としても当然の成り行きですね。
    血統以外取り柄の無い存在は実務重視の皇室も国民も欲していないので当人達もこのままでは針の筵でしょう。
    国会議員も誰一人信用していないものからいい加減解き放たれたらどうかと思います。

    京都のS

    2024年4月12日

     森先生の本連載が書籍化されたら絶対に買います!毎日新聞出版様、是非とも、できれば早急に、お願いします。

     「どこからか『皇室に入る意思がある男系男子です』という、皇室の存続など考えない、よくわからない人がでてくる」事態は大いにあり得ます。「ジャニー喜多川氏による性被害に遭いました」という、日本の芸能文化など考えない、よくわからない人が大量発生している件を思えば自明です。

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