「お兄さんは、アイヌの方ですか?」
私がこの業界に入ってから、何回お客さんから同じ事聞かれたかもわからない質問です。
もっとも、ここ数年は「お兄さん」と呼ばれる機会もめっきり減りましたけどね(笑)。
「北海道の奥地に、我々とは違う部族がひっそりと住んでいて、独自の生活を営んでいるに違いない!」という、ある意味「差別の裏返し」と呼んでも過言ではない期待感が、まだまだ多くの日本国民の間に根強い事は、日々全国から来るお客さんと接する中で、ひしひしと感じています。
「ゴールデンカムイ」のヒットも、後押ししてるのかな?
そんな、お客さんが漠然と抱いている「アイヌ民族」に対する異世界幻想をブチ壊す為にも、私は極力、質問にはこう答える事にしています。
「いいえ、僕は九州出身なので、アイヌとは全く関係ないですよ。『アイヌ民族』を名乗ってる人達だって、どうせ混血ばっかりですよ~。」
とね(勿論、後半はちゃんと皇室の話題に結びつけてありますんで、愛想尽かさないで最後まで読んでね~)。
無論、私がやってる事は商売上はマイナスにしかならないし、アイヌ協会の勢力がけっこう根強い地域なので、いつ村八分喰らうかもわからない行為ではありますけどね。
実際、「アイヌ民族なんかいない。」と発言しただけで、何回怒鳴られたかもこっちは覚えてないぐらいですから。
けど、いないものはいないんだから、仕方がない(笑)。
極力、個人を特定されないよう、具体的にどこの観光地かという明言は避けますが、「差別意識」と「アイヌへの補助金事業」を利用して商売が成り立っているという我が地元の現状を、ちょっとでも改革するには、お客さんの意識を変える努力も続けなきゃダメだと思いながら、日々接客してます。
そもそも補助金に頼る観光って、「観光ビジネス」と呼べるのか?
ほんまにアカン土地じゃ。
その「アカン土地」の観光目玉の一つとして、「アイヌ古式舞踊」の上演というのもほぼ毎日やっておりますが、勿論アイヌ( ※ 厳密に言うと、アイヌ協会から「アイヌ民族」と認められた日本国民)ばかりでなく、道外出身でこの地に定住し、雇われて踊っている国民(いわゆる「和人」と呼ばれる人達)も、少なからずいます。
勿論、和人の踊り手だからといって、「いわゆるアイヌ」と比べて舞踊のパフォーマンスが極端に下手くそ、という事は決してありません。
それでもいまだに、特に「コタン」と呼ばれるエリアに住む一部の人達からネチネチと問題にされ続けているのは、「アイヌの血を引いてない者が、伝統行事に加わっていいのか?」という血統意識です。
もちろん舞踊だけでなく、アイヌ文様を彫る木彫り師とか、アイヌ料理屋を営む者等も含め、「和人」が関わる事なくしては、観光地としての街の規模を維持できないのが「我が地元」の現状なので(中には、奥さんが「アイヌ」で、旦那が和人だったり、その逆だったり、という人もいます)、コタンの側も極端な排斥行為に打って出る気配もなく、お互いにバランス取りながら、大筋では仲良くやってるのが現状ではありますよ。
にも関わらず、いまだにそうやって「アイヌの血を引く人」に遠慮するあまり、「和人」の側が肩身の狭い思いを強いられながら、伝統文化を守る活動に加わっている、というのも実情なのです。
「地域社会でアイヌの血を受け継いでいると思われる人(後略)」という、北海道が2013年に実施した生活実態調査の定義に依拠して道内の「アイヌ民族」の数を把握している事からも、大本のアイヌ協会ですら「血統」という民族の定義を、捨てられない様子ですから。
(「アイヌの生活実態」アイヌ協会HPより)
また突撃一番の悪い癖で、バカ長文になっちゃいましたので、これで第一回とさせていただきます。
まだ皇室の話に一言も触れてないのに、申し訳ないですm(__)m
次回はこの現状を踏まえた上で、もしも「皇統維持の為の血統差別」を国民に認めてしまったらどうなるのか、軽くシミュレーションしてみましょう!
文責 北海道 突撃一番
2 件のコメント
突撃一番
2024年5月19日
掲載ありがとうございます!
5月17日から、国会での全体会議が開始されたという事で、改めて「血統差別への警告」という形で、アイヌを例に論述させていただいてます。
実は根っこの部分で、「旧宮家」問題とも繋がってる案件なんですよ。
ふぇい
2024年5月19日
全くアイヌてかけ離れている地域に住んでいるのです普段気づかないですけど、
実際にこのような事象が起きているのですね。
次回楽しみです。