【結言① 民意は常に「悪しきポピュリズム」なのか?】
前回ブログで、せっかくワクチンの話題が出たので、もう少し引っ張ってみましょう!
イントロダクションで説明したような、「エリート・権力の否定」というポピュリズム思想の成立背景を踏まえれば、厚生労働省とか忽那賢志、宮坂昌之ら、「いわゆる権威」「いわゆるエリート」達の「ワクチン打て打てキャンペーン」に乗っかって、マゾ大衆が自分から免疫力を虐殺されに向かった、あの奇怪な現象は、もしかしたら「ポピュリズム」とは呼べないかも知れません。
なにしろ、「テレビに出てるセンモンカが、安全だと言ってるじゃないか!」という、ある意味権威主義・エリート主義丸出しの大号令の下で、ワクチン全体主義が形成されていったのですから。
まあ、「大衆が間違った判断を下した悪例」とまでは言えるでしょう(大衆は自分で「判断」すらしてないと思うが)。
では、平成最後の折、上皇陛下の生前退位を巡る世論調査の場合はどうでしょう?
平成28年8月8日、天皇在位中の上皇陛下が国民に対してお気持ちを発せられたビデオメッセージを受けて行われた各社世論調査では、読売・朝日・産経その他、思想の左右問わず8~9割以上が譲位に賛成、という結果でした。
高森明勅氏も、
「もちろん、天皇のご進退が直接、世論調査の結果で左右されるようなことがあってはならない」と釘を刺しつつも、「陛下のご意向がまずあって、それを圧倒的多数の国民が自然に素直に受け入れている構図」であり、この民意を疎かにしてはならないと述べています。(高森p136~137)
当時を振り返れば、私の周りにいた、大して尊皇心も持たないご近所さん方の間ですら、「天皇様も高齢なんだから、ゆっくりなさっていいのに・・・」という程度のコンセンサスは、出来ていたように思います。
決して上皇陛下が、ヒトラーとか河野太郎みたく、玉音放送で国民を扇動したという事ではなく、
国民の素直な良識に対して、陛下の御言葉がドストライクで突き刺さった、という解釈が妥当でしょう。
それにひきかえ、逆賊代表・安倍晋三が招集した生前退位に関する有識者会議に招かれて、民意をバカにし、上皇様の御意志に最後まで逆らい続けたのは、保守を自認する「知識人=エリート」の側でしたよ。
「摂政を置けばいい」だの
「天皇は国民の目に触れなくていい」だの
「続くことと祈ることに意味がある」だの、
極めつけには上皇様のご意向に対して、
「ちょっとおかしいのではないか」
とまで言い放つ者すら、出てくる始末でしたよね?
令和の祝賀ムードと共に、譲位に反対してた櫻井よしこなんかも、あっという間に手のひらを返したけどね。「景気にもいい影響を与えています」とかなんとか。
そんな人物を令和の会議にまで招くんだから、自民党政権も恥を知らん者の集まりだ。
本当に正しかったのは、エリート層でなく「圧倒的多数の民意」の側だったじゃないですか。
これはむしろ、「ポピュリズムの良い側面」とも言えるのではないでしょうか?
「エリートとされる側」が実際問題、間違いなく腐敗してたんだから、それとは正反対の9割の国民感情を「ポピュリズムだ!」と批判されても、
「その通りですがなにか?」
としか言えないよ。
文責 北海道 突撃一番
参考文献
・高森明勅『天皇「生前退位」の真実』幻冬舎2016年11月30日
・小林よしのり『ゴーマニズム宣言 2nd Seazon ③』扶桑社2019年11月10日
「第44宣言 退位を阻止しようとした者たち」
「第47宣言 令和で豹変するエセ保守」
3 件のコメント
パワーホール
2024年7月11日
男系固執派も感染症専門家も同じ穴の狢なのになぜ国民は見抜けなかったのだろう。その点が悔やまれる。
突撃一番
2024年7月11日
コメントありがとうございます!
ポピュリズムの質の良悪を分けるのはひとえに、民衆の攻撃対象となる「権力者」とか「エリート層」と呼ばれる人々が、
「ホンモノの権威」なのか、それとも
「形骸化した権威」なのか
を、民衆が、或いは民意をすくい上げるカリスマリーダーが見極めた上で、ちゃんと後者を攻撃出来るか否か、という点に尽きるのではないかと思います。
例えば、次回のブログでも少し触れますが、京都のSさんや基礎医さん、サトルさんも前回議論されていた、秋篠宮家の方々を喜んで叩いてるバカ大衆の場合は、要するに臆病なんだと思います。
本当に攻撃しなきゃいけない、週刊誌その他のガセネタメディアを叩く勇気も知性も、彼等には無い為に、皇族という名の「手足をもがれたサンドバッグ」を、喜んで叩いてるだけでしょう。
絶対に反撃してこないのをいい事に。
秋篠宮バッシング問題の場合、本当に腐敗してる「形骸化した権威」は、もちろん断じて皇族などではなく、週刊誌その他の「第3の権力」の側です。
SNS住民が「良質なポピュリスト」になりたければ、今まさに紀子さまを叩いてる「デイリー新潮」とか「女性自身」を、ボコボコに攻撃すべきなのです。
京都のS
2024年7月11日
第9回、お疲れさまでした。令和日本におけるワクチン全体主義は権威主義(権威者への媚び諂い)と世間主義(世間の空気に自身の意見を同化させる性向)の合体した産物でした。もし大衆が時の権力者に権威を感じてしまったら、権威主義+世間主義で容易に全体主義に陥るはずです。日本人は世間主義という禄でもないファクターがあるので、全体主義に落ちないように権威と権力とを分離する天皇がフィットしたとも言えます。しかし天皇・皇族が関与することでポジティブ・ポピュリズムが働く日本であっても、権威主義+世間主義に戦前の好戦主義が結び付くと軍国主義に傾き、戦後の生命至上主義が結び付くとワクチン全体主義に堕ちたという事実は憂慮すべきです。ちなみに軍国主義もワクチン全体主義もネガティブ・ポピュリズムだと形容できそうです。