「烏は主を選ばない」という和風ファンタジー作品は御存じでしょうか。NHKでアニメが放送されています。日本神話に登場する三本足の烏・八咫烏に似た、人間化する能力を備えた存在が山内という異世界で活躍する物語で、平安朝の宮廷文化(后・女房・入内…)と江戸期の武家文化や町人文化(日本刀・色街)が適度にブレンドされた純和風の世界観です。山内に君臨する金烏陛下への即位が確定した皇太子的な立場に若宮(奈月彦)がなるまでがアニメ第1期、第1期から若宮を支えてきた近習・雪哉の活躍を通して金烏の真の役割が明らかになるのが第2期でした。
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結論から言えば、山内という八咫烏の世界は我々人間が暮らす世界の隣に在る設定であり、闇を嫌うが故に夜も人工の光が煌々と輝く人間世界は闇を好む烏の世界(山内)を次第に侵食し、山内と人間世界との境界の綻びを修繕することが「真の金烏」の役割だったわけです。
ある事件を通して金烏は八咫烏を殺せないことが明らかになります。若宮の妃が語ります。金烏にとって全ての八咫烏は慈しむ対象だから例え相手が自分を殺しにきた者でも殺せない、金烏には感情が無いと言われるがある、疲弊すると心が壊れる…と。それでも金烏は同胞のために山内の結界を守る使命を果たしているわけです。
私は、金烏とは天皇の隠喩だと感じました。天皇にとって全ての国民は慈しむ対象だから、例え自分たちを抹殺する意図を持つ者に対しても反論が許されず、それでも国民のために精神的な支柱としての使命を果たそうと決意されているように拝察できるからです。
天皇陛下は劇中の奈月彦のように「国民を救うために全てを捧げる、それが私の喜びだ」と決意されていましょうから、自分はナショナリスト(国民主義者)だと自覚する者なら、雪哉のように「陛下、貴方を守るということは日本を守ること、即ち私の故郷を守ること…これからも貴方を支えることが最良の選択です…陛下に伏してお願い申し上げます…これより後、私は、この命尽き、体朽ち果て、魂の最後の一片が消えて無くなるまで貴方様に忠誠をお誓い申し上げます」と言わねばなりません。
そして皇族方の感情(ご意思)を拝察し、逆臣らの言とは異なる愛子様の立太子や即位が望みだと判ったなら、それに向けて邁進するのみでありましょう。
文責:京都のS
2 件のコメント
京都のS
2024年9月26日
Y様、※ありがとうございます。NHKは「光る君へ」「大奥」「燕は戻ってこない」「烏は主を選ばない」…と、男尊女卑の解消や尊皇心の涵養を示唆する映像作品を多発しており、いよいよ公共放送がギアを上げてきてますよね。
神奈川のY
2024年9月26日
すごいアニメがあるのですね。ふと、
枳棘(ききょく)は鸞鳳(らんぽう)の棲(す)む所にあらず。という言葉が思い浮かびました。陛下達が安心して過ごせる環境づくりで棘(男系固執派や逆臣)を取り除ければと思いました。しかし、すごい誓いの言葉ですね。男系固執の議員達は口が裂けても言わなさそうです。