世襲を選ぶとは「断絶を覚悟すること」 天皇制議論に欠けてきた視点(朝日新聞)

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朝日新聞デジタル版、10月2日の記事です。

世襲を選ぶとは「断絶を覚悟すること」 天皇制議論に欠けてきた視点

 皇室メンバーをこのまま人権のない状況に縛りつけ続けてよいのか――。今から約20年前、そう訴えて大胆な改革を提言した社会学者がいた。東京工業大学名誉教授の橋爪大三郎さんだ。日本国民が象徴天皇制に幕を引き、共和制に移行するとの構想だった。皇位継承のあり方をめぐる議論が停滞する中で、目を背けられている問題とは何か。「世襲制を採用するということは、そもそも断絶を覚悟することなのだ」と説く橋爪さんに聞いた。

と始まります。

橋爪さんは皇位継承の議論が進まないことに「政府は何をやっているのだ」という意見があるが、国会に代表を送っている国民が決めることだ。当事者意識の欠如で主権者に相応しくない姿勢と話します。
(そりゃそうだ)

橋爪さんは、

世襲という問題が直視されていないことです。そもそも世襲という仕組みを採用するということは、断絶する可能性を引き受けるということです。

と話し、後継者がいなくなった場合(断絶した場合)の選択肢を3つあげます。

①よその国の王室から後継者を連れて来る
②いないものは仕方ないとあきらめる(共和制への移行)
③皇族という概念の範囲をめちゃくちゃに広げ、たくさんの普通の人々を手当も特権もない皇族とみなし、その中から天皇を選考していく

どれもすごいな。という選択肢ですが、③の「皇族という概念の範囲をめちゃくちゃに広げ」ている案を国会で議論しているから笑えないですね(ここには詳しく書きませんが、憲法改正は必要など法についてはきちんと書かれています)

この方は20年前に「尊皇共和制」というのを提唱した方のようで、

皇室は国家機関であることをやめて無形文化財になり、国民の拠出する寄付金を経済的基盤にして自由にお過ごしいただけばいい

という構想のようです。

「天皇や皇室の存在が万一なくなったら日本の伝統はどうなるのか」という聞き手の問いに

「天皇という存在がなぜ大事なのかを考える機会にしてはどうでしょう。『日本人とは何者か』という難題に、皇室の長い歴史と伝統が何となく一つの答えをくれる気がする。それが大事な点だと私は考えます」
「だとすれば、仮にいつかその存在が過去のものになったとしても、国民の中にその歴史と伝統の記憶が生き続けてさえいれば十分なのではないでしょうか」

天皇が日本の国体であり、歴史であると考えています。その存在が過去のものになったら、そこで日本の歴史は終わるのでないでしょうか。
上記①で、皇室の皆さまが外国人を見初められるというのであれば話は別ですが、王様を他国から連れてきたらその国になってしまうとしか考えられません。橋爪さんはイギリスがジョージ1世をドイツから連れてきた例をあげ、イギリスらしさは失われていないと言いますが、皇室と国民の相思相愛は③同様崩れるのではないでしょうか。
世襲は断絶を覚悟することというのはその通りです。断絶しないような安定的な皇位継承を皇室の皆さまが望まれているので、1番安定する方法をこれからも考え、その制度になるよう実践してまいります。

ある意味朝日新聞らしい記事と感じました。
記事を教えてくださったまいこさん。ありがとうございました。

文責 愛子天皇への道運営メンバー ふぇい

10 件のコメント

    ねこ派

    2024年10月8日

    朝日新聞が取り上げた、社会学者・橋爪大三郎氏の弁、

    「そもそも世襲という仕組みを採用するということは、断絶する可能性を引き受けるということです」

    でもさ、世襲を採用するのなら、まずは、親から子へ、子から孫へと、末永く、継承されることを願うのが先でしょうに。
    断絶することをまずは覚悟して、世襲を採用するかね?
    変なの。
    親から子へ、子から孫へ、という世襲には、男も女も関係なし。男女どっちであっても、世襲は維持される。
    皇位継承問題は、世襲自体の問題ではなく、現行の皇室典範が、皇位継承者を男系男子に限定しているという、世襲の幅の狭さの問題である。
    だから、世襲の幅を、広げればいいのです。
    世襲の幅を広げるというのは、皇位継承者を男系男子に限定しない、ということ。
    そのためには、皇室典範を改正して、女性天皇・女系天皇を公認することが必要である、ということ。
    何より、女性天皇・女系天皇を、国民の大多数が支持しています。
    よって、世襲自体の問題を言う、橋爪大三郎氏の弁は、そもそもから、ピントが外れている。
    そんなのを取り上げる朝日新聞は、何か良からぬ魂胆を抱いているのでしょう。

    因みに、橋爪大三郎氏は、哲学者の竹田青嗣氏、よしりん先生、この3名との間で、鼎談本を出しています。
    タイトルは、

    『ゴーマニズム思想講座 正義・戦争・国家論―自分と社会をつなぐ回路』

    よしりん先生が、『脱正義論』を描かれたのと同じ頃に、世に出ました。
    だから、大分前です。
    30年近く前、20世紀末のこと。
    当時、私は、よく足を運んでいた書店に陳列されているの見つけるや、すぐ手に取って、買って、一気に読んだように記憶しています。
    家の本棚に、あるはずです。

    SSKA

    2024年10月7日

    世襲が永遠や絶対では無いとの指摘は御尤もなのですが、左側の人は立憲主義と皇室の繋がりから日本人や社会全体の秩序感覚を守る事を何故正面から論じようとしないのか、それだけが納得行かない部分です。

    まいこ

    2024年10月7日

    ふぇいさま、御紹介した記事をわかりやすくまとめてお伝えいただきありがとうございます。
    SPA!ゴー宣235章「朝日新聞の恐るべき企み」で描かれた-極右の「無意識の皇室廃絶」の荒唐無稽さを利用して、皇室の御意向と国民の総意に基づいた真実の中に、嘘の一文を混ぜることで「確信的な皇室廃絶」を目論む極左の狡猾さ-を鑑みても、「共和制」への誘導=「確信的な皇室廃絶」がこの記事の真意なのだということがよく分かり、ゾッとしました。
    「愛子天皇論」は、右脳で「愛子天皇が最適解」と分かっている常識ある国民を、左脳でステルス攻撃を仕掛けてくる極左と、両脳が麻痺し男系固執の初期設定のままの極右から守る防波堤であることを実感します。

    ありんこ

    2024年10月6日

    朝日新聞らしい記事だこと。
    あのネットアンケートの利用目的はこれだったかって思いました(笑)
    みんな論理的理性的西洋文化的な理性主義で天皇制を語れないぞ!相思相愛だとか信頼だとかそんなくだらないものしか天皇制にはないならば勝機は賢いわれらにあり!みたいな感じなんですかね。
    根本は男系男子固執派と大して変わらない印象ですね。男系男子固執が「無理筋」である事が分かっているみたいではあるので多少はマシなのでしょうかね。(同じに見えるけどね!!!)
    しかし政争の具にしない、静謐にとか言ってるわけであって、国民の判断云々言えるのかは疑問ですね。政府は何やってんの?は当然なのではと思いますが。あんな国会からのボールをめたくそにした有識者会議報告書出して来たんですから。安定的皇位継承どこいった?何してくれてんの?国民からの一応要請たる憲法の履行をしましぇーーん!してるんですよ。
    ある意味国民の無関心はまぁその通りとは思いますが、各種世論調査では他の選択肢はないレベルで答えは出しているんですよね。各種世論調査で「わからない・無回答」が90%ならもうダメだこりゃにはなりますが。そうじゃない。昭和の無関心っぷりとも全然違う。それ見てないのかな?朝日新聞は世論調査の内容を見て、国民はこう考えている!という意識を持たないって事でいいんですかね〜。もう世論調査を元に政府批判はやめなよって思います。
    そもそも性別を問わない皇位継承を無いものとしたのは官房長官だった安倍晋三周辺なんですから政府何してんのでしょうよ。

    記事紹介ありがとうございます!

    神奈川のY

    2024年10月6日

    最初、”お!朝日が何か風向き変えたか?”と思い読んでくと、”あれ?んんん!?何か変!”と”やっぱり朝日は変わらなかった。”と感じました。どーして目の前の直系直子継承を避けて、曲がりくねった断崖絶壁の道を行くのでしょうか。度数が高い合わない眼鏡でもかけてますかね?

    たこちゃん

    2024年10月6日

    私も、出た当日にこの記事読みました。
    皆さんと同じく、いかにも朝日らしい記事と思いました。
    共和制が最高だと考えるならば、こんな識者に書いてもらうのでなく、自社の
    論説委員が書いたらいいのにとも思いました。

    サトル

    2024年10月6日

    朝日の場合、①は「血統差別」を肯定する考え方(ダンケーの養子案と同じロジック)を(否定したいくせに)ボヤカシつつ、③のように、むちゃくちゃにかき回しつつ、いかにも今は「膠着状態」だからと、実は機運が高まるのを見てとり焦り、②のように「共和制も視野に」との意見に繋がるように、いや、「繋げたい」…しかも自らは言わないで人に言わせる…ところが、朝日新聞だよなぁ…と、あらためて。

    突撃一番

    2024年10月6日

    俺はこの記事、無料部分しか読んでないので助かります。

    無批判に賛美しなくてよかったわ。

    皇室が無くなっても国民の記憶は行き続けるとか、橋爪さんもどうせ本気で思ってないでしょ?

    皇室なんか無くなっても大して気にしないもんだから、テキトーに言ってるだけでしょ?

    それとも、マリー・アントワネットの首チョンパ動画で遊んでるようなフランス国民の中に、王室の「歴史と伝統の記憶」が生き続いてるように見えるのかね?

    この人の目には。

    パワーホール

    2024年10月6日

    確信犯的な記事ですね。外国の王室から連れてくるなんて男系固執派の旧宮家養子案とたいして変わらない気がします。世襲ならばいかに安定的に続けていくかを考えるのが筋ではないでしょうか。

    サトル

    2024年10月6日

    私もこの記事?をネットで知りましたが、いかにも朝日新聞らしい…と思いました。
    で、ふぇいさをご指摘のように、「相思相愛の関係」を朝日は絶対に認めたくないんだな…としか、ワタクシには思えてならない…確認できました。
    「相思相愛」…の持つ意味とその視点は、とても素晴らしく、小林よしのりの「言葉の選び方の凄さ」…と、あらためて感服する次第です。

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