国スポと皇室の関わりについての記事(毎日新聞)

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毎日新聞からの記事です。

国スポ 「象徴天皇」浸透 第2回に初出席 国民と交流、支持高めるhttps://mainichi.jp/articles/20241011/ddm/012/040/113000c

*デジタル版で、導入部分を読むことが可能です。

この記事は、本日(2024年10月11日(金))の朝刊19面に、山田奈緒記者(社会部)により掲載されたものです(紙面のハイライトでも、紹介されております)。

本日、愛子さまが佐賀県に入られたということをDOJO掲示板で報告してくれた方がおられますが、本記事では「国民スポーツ大会(国スポ)はどうしてこんなに皇室との関わりが深いのか。」という観点から、国スポ(前身は、国民体育大会(国体)」の歴史などを、うまく解説しています(なお、記事に添付された表が、今回の大会で皇室の方々が一堂に会する様子をよく表しているので、以下に載せます)。

この記事に記述された、歴史的経緯を箇条書きします。

・1946(昭和22)年10月30日、石川県で開かれた第2回の開会式に昭和天皇が出席した。
・この出席は時代の運命のようなもので、46年2月から開始していた「地方巡業」の視察先が石川に出向くタイミングと重なり、昭和天皇の国体出席が実現した。
・地方巡業が終わっても、昭和天皇と国体の関係は続いた。第3回大会から天皇杯、皇居杯がおくられるようになった。第4回大会からは天皇の開会式出席やおことば、競技観戦が恒例となり、皇后も同行するようになった(開催地で福祉施設や現地の産業などを見学するのも定型化した)。
・このスタイルは、平成でも令和でも受け継がれている。

さて、上にも書きましたように、恒例化されただけでなく、現在は皇族が一堂に会するような形で、続いております。記事の後半では、これらのことにふれています。ここでは、研究者の意見と、昭和天皇の末弟、故三笠宮さまのご意見を引用します。

「国体がはじまったころ、戦争責任論や新憲法制定などで天皇という存在は非常に不安定でした。ナショナリズムが高まりやすいスポーツを国民と観戦し、励まし、天皇杯を贈る仕組みは存在価値、象徴天皇制を浸透させていく役割を果たしたでしょう」
(天皇以外の皇族が多く関わるようになった点について)
「天皇が不安定ということは、皇室全体の存在意義が揺らぐ事態でもあります。皇室が社会に支持され、必要とされていることを示す舞台としてスポーツは効果的」と指摘する。(立命館大 権学俊教授)

「ほかのいかなる催しにも全皇族が集まるということはなかった。何も両陛下やわれわれが一緒にゆきましょうという相談をしたわけではなく、自然に集まっちゃったわけですよ」
(天皇杯の授与については)
「非常に全体的な感じがする」と懸念を示していた。(三笠宮)

山田記者はこれらの意見について解釈をしているわけではないのですが、「スポーツはプロパガンダの手段として利用されてきた歴史がある。昭和時代、国体の開会式では大会会長の発声による昭和天皇や香淳皇后に対する万歳三唱がプログラムに入っていた時期もあった」という事実は、書かれています。

そして、最後に関わり方、転換期というセンテンスで、上に書かれた万歳三唱などの儀式は、現在は姿を消し形式にこだわらない開会式のことを論じています(これについては、両陛下は好意的に受け取ったようです)。

それから、全国の自治体では、開催自体にのしかかる財政負担や、国スポ以外の大会の発展などを理由に、規模縮小や運営方法の改革を求めている声もあるらしい(”転換期”というのは、そのような意味です)。

いかがでございましょうか?

ナビゲート:「愛子天皇への道」サイト編集長 基礎医学研究者

*毎日新聞への意見・コメント

https://www.mainichi.co.jp/contact/content.html

6 件のコメント

    基礎医学研究者

    2024年10月12日

    >枯れ尾花さん
    現場レポートありがとうございました。なるほど、このような報道があると、安全保障上、悠仁さまがいらっしゃるから大丈夫!とはとてもいえませんね(さすがに、サラエボ事件とまではいいませんが、人の運命を完全に予測することは不可能です)。皇族の方々も国民も「皇室の存続」を望んでいるわけですから、皇位継承者が複数人いてしかるべき、ということを今回の事件で感じた次第です。

    枯れ尾花

    2024年10月12日

    >基礎医学研究者様
    コメントありがとうございます。
    貴殿が心配されている皇室の方々の警護については全国から警察関係の人達が多数来られていて、あちらこちらで周囲を監視されていました。また、私達、天皇皇后両陛下や皇族の方々を拝見しようと沿道に立っている者は漏れなくポケットの中身を出して、更に全身金属探知機で調べられました。( 私も既に3回調べられました)
    やはりいかに我々日本人にとって大切な方々なのかを改めて思い知った次第です。

    基礎医学研究者

    2024年10月12日

    >枯れ尾花さん
    コメント、ありがとうございました。冒頭に、「愛子さまが佐賀県に入られたということをDOJO掲示板で報告してくれた方」と書きましたのは、枯れ尾花さんの最近のコメントを意識してのことだったのですが、ご本人からコメントいただき、恐縮です。現在、皇室の方が佐賀県に入られているようですが、枯れ尾花さんの素朴な敬愛が伝わってきますね、。

    自分は国スポのことと皇室のことを良く知らなかったのですが、この毎日新聞のことでよくわかりました。愛子さまの様子は、本日の毎日新聞(10月22日(土)の22面、”愛子さま国スポ観戦 佐賀 初の地方単独公務”でも、その様子が伝わってきました。この記事に同時に、「施設訪問予定地でナイフ所持容疑」などというぶっそうな記事もありますので、皇族の警護はしっかりやってほしいと思う次第です。

    枯れ尾花

    2024年10月12日

    今回、皇室の方々が沢山佐賀を御訪問され国民スポーツ大会や様々な県内の施設を視察なさっています。
    昨日から今日にかけては愛子さまがいらっしゃっていて昨日は陸上競技を今日は柔道を観覧されています。先に両陛下がいらっしゃっていましたが、両陛下がバレーの試合を御覧になったことを愛子さまにお伝えになられたところ、愛子さまがとても羨ましがっていましたとお話されました。このことから皇室の方々は我々国民と一緒になってこの国民スポーツ大会を楽しまれているのだなあと感じましたよ♪また、私の知人達は両陛下と一緒に競技が観られたことがとても嬉しかったと言ってましたよ♪
    私達と皇室が相思相愛な関係にあるのだなあと感じられた一時でした♪

    サトル

    2024年10月11日

    さすが毎日新聞!

    さすが『山田奈緒記者』!!
    共々素晴らしい!

    基礎医学研究者

    2024年10月11日

    自分、このような意見・コメントを、毎日新聞に送りました。
    ご参考までに。
    —————
    10/11朝刊の皇室関連記事への意見コメント

    10月11日朝刊の19面に掲載されました、山田奈緒記者による「国スポ『象徴天皇』浸透」を読みました。まず、国民スポーツ大会(国スポ)と皇室の関わりに関する歴史をまったく知らなかったので、非常に勉強になりました。個人的には、これまで使われていた、国民体育大会(国体)は、いわゆる天皇制の歴史を指す“国体”の漢字と同じで紛らしかったので、今回、国スポとされたのは、この大会をアピールするためにもよかったのではないかと。さて、山田記者の導入文は非常によかったと思います。私個人は、今回の大会において、愛子さまが初の単独公務というところに関心が向きましたが、「国スポはどうしてこんなに皇室との関わりが深いのか。」という部分は、実は素朴な疑問でした。記事に添付された表は非常に助けになり、なぜ皇族の方々がここまで一同に介するのかは、国民として関心があります。
     きっかけが、「昭和天皇さまの地方巡業と国体開催が重なったこと」というのは時代の運命を感じますが、まず天皇陛下が強い感心を持ち、続いて他の皇族の方々が自然発生的に参加される、というところに、私は皇室と国民の間の交流、もっというと“相思相愛”の関係のようなものを感じます。その意味で、これは山田記者の責任ではありませんが、研究者として談話をとられた権氏の「国体への参加は、皇室の生き残り戦略だった」という見方に共感しません。私見では、それは少し穿った見方であり、昭和天皇さまも他の皇族の方々も、戦後はより国民との距離を近づけたい、という意思の表れなのではないかと、素直に思います。「ナショナリズムが高いスポーツを・・・」という話になると、何かナチスドイツ政権下のベルリンオリンピックや、共産圏の国のみで開催されたモスクワオリンピックのようなものをイメージしてしまいますが、日本における皇室と国民の関係は、そのような国威発揚を必要とはしていないだろう、というのが私の理解です。ただ、結果として、国スポが「象徴天皇」を浸透させたのはその通りでして、「関わり方、転換期」というセンテンスで、これまでのやり方にとらわれず、時代とともに国スポの在り方を考える、というのも、実に皇室の方々らしい仕方だと思いました。
     現在、「皇位の継承」は確実に危機的な状況ですが、今回の記事にありますように、国スポなどで皇室の方々が一堂に会して参戦されることは、国民に元気を与えてくれますので、「皇室の存続」のために、国民も努力しなければならない、と改めて思う次第です。

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