343空、剣部隊司令官の源田実氏をご紹介します(その9)

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引き続き意気軒昂な剣部隊と航空司令官、源田実氏をご紹介します。(前回のあらすじを含みます。)

源田実氏はようやく上層部から航空戦で戦ってみろと言われ、自分の部隊、航空343空を編成し、あの手この手と最高の設備環境、最高の人材、最高の戦闘機を配備します。そのさい、源田実氏はズルい!何で自分達に最高の人材、機材、設備を渡さない!?と非難あったそうですが、

源田実氏より、お前らがお国の為に頑張っているのか?最善尽くしているのか?考えてるのか?口と見栄ばっかりの大艦巨砲主義を抜けれず、頭が固い、まるで未来の男系固執議員達と同じ何もしないくせに文句を言ってるんじゃない!

と言いたいところがある中、源田実氏は意気揚々にパイロット達の環境を整えて行きます。


源田実氏は、その中で、伝統や階級にとらわれず部下と接する司令であったそうで、有名な話ですと、戦闘では働き抜群、私生活では癖があり、上層部と揉めたり、憲兵を殴ったりとパイロット達が問題を起こすと、”しょうがねぇな。”とフォローして上層部を丸めこんだりして、部下たちからはオヤジと呼ばれて敬愛されていました。源田実氏の死後もそれは続いたとあり、中々して懐深い一面を覗かせてくれる司令官です。
 また、戦いにおいて司令官として地上で現場指揮を執るのは源田実氏と志賀淑雄大尉で、これは地上からの方が総合的な判断できるため、信頼できる空中指揮官(鴛淵孝大尉や菅野大尉など)に細部の戦闘指揮は一任するやり方に決めました。また、編隊戦闘をし、フォーメーションにて四機一区隊で、乱戦でも必ず二機一組に、更に偵察飛行部隊も追加し、アメリカの爆撃機やB29、ヘルキャットなど渡り合う形にしました。また、戦い方は爆撃の数と性質から妨害不可能な見送るべき敵編隊に対しても見敵必戦ををとり、正面から当たっても犠牲が出るだけであることからやみくもに戦わせず、例えばアメリカ軍が空襲帰りで燃料を消費して、油断している中に奇襲をしかけ、最後尾を捕えて攻撃をし、敵のパイロットに撃墜されるという心理的効果を与え、こちらには撃墜による日本軍の士気向上という狙いから出撃させたりもあったそうです(ウィキペディア参照)。

そんな剣部隊の今までの敗戦の空気を一掃し、味方を勇気づける戦いが起こりました。
時は1945年3月19日松島上空にてー。
敵は米艦上機160機来襲し、剣部隊の戦力は、紫電7機と紫電改56機が迎え撃ちます。
数では圧倒的に不利に思えますが、剣部隊パイロット達は一騎当千の強者で、更に源田実氏の知略が数の差を覆します。
 アメリカ軍は先の戦いで零戦を攻略し、この戦いで日本軍を壊滅させようと意気軒昂に向かって来ます。もう自分達に怖いものがないと言う感じだったのでしょうか、そこへ源田実氏が「古来これで十分という状態で挑めた戦の例などない。目標は敵戦闘機、爆撃機には構うな!」と訓示し、総員攻撃開始すると、アメリカの戦闘機を次々と落とし、アメリカ軍が驚愕し、交戦したアメリカの戦闘機隊長曰く、”かつて経験したことのない恐るべき反撃を受けた”と話あり、剣部隊は米軍機58機を撃墜し、日本最後の大戦果となったとあります。
 また、連合艦隊司令長官・豊田副武から「機略ニ富ム戦闘指導ト尖鋭ナル戦闘実施トニヨリ、タチマチニシテ敵機六十余機ヲ撃墜シ全軍ノ士気ヲ昂揚セルハ、ソノ功績大ナリ」と感状が授与されたとあります。
 また、別の戦いで、源田実氏は地上の作戦指導にて敵が奇襲してくる事を読み、味方をその方向へ向かわせて逆に奇襲をしてアメリカ軍に一泡吹かせる事をしたそうです。


最強剣部隊は日本が劣勢になっている中でも士気旺盛にアメリカと対峙し、またパイロット達の卓越した腕と源田実氏の知略で、日本を力の限り支えて行きます。また、4月ごろに、特攻が強く押し出されていく中、源田実氏は特攻をさせるつもりはなかったのですが、第五航空艦隊の命令に従って、343空を沖縄戦で特攻の制空権確保に参加させました。援護機としてではなく、制空権を取るために突撃啓開して経路を確保する戦法をとったそうです。
 この第五航空艦隊の司令官は宇垣 纒と言い、草鹿龍之介中将から(問題児で潜水艦艦長になった板倉光馬を目にかけた人で)「木で鼻をくくったような冷淡な男」と評されて渾名は鉄仮面、黄金仮面など呼ばれてたとあり(*これって、もしかして「江戸川乱歩」の明智小五郎シリーズの影響ですかね。あの小説は、戦前、戦後の話が混ざっているので、興味深いby基礎医)、源田実氏とは正反対に見えるタイプでした。その中で、第五航空艦隊から343空に特攻を出すように打診がきた際に、志賀淑雄大尉は「私が先頭で行きます。兵学校出は全て出しましょう。予備士官は出してはいけません。源田司令は最後に行ってください。ただし条件として、命令してきた上級司令部参謀が最初に私と来るというなら343空はやります」と上申、源田実氏も「全くだ」と同意してその意思を上に伝えたが、それ以降343空には特攻の話が来なくなったとありました(**)。(志賀淑雄氏談とウィキペディア参照)。

今回はここまで、次回は剣部隊のパイロットと源田実オヤジ殿のほっこりエピソードをご紹介致します。

その10へ続きます。

文責(色々アヤシイ)神奈川県 神奈川のY

**この部分ですが、神奈川のYさんが書かれたようなやりとりは、あったのでしょう。ただし、部下に特攻を強要したにも関わらず自身はバックレた冨永 恭次とは異なり、宇垣 纒氏は終戦の日に自ら特攻を行ったので、軍人としては筋を通したのではないかと。この辺りは、「戦争論3」で学びました(by基礎医)。


6 件のコメント

    KO

    2024年11月16日

    神奈川のY様、返答ありがとうございます。何とも興味深いですね。笹先生に聞いてみたいなーと思いました。ご丁寧にありがとうございました。

    神奈川のY

    2024年11月14日

    KOさま、コメントありがとうございます。宇垣 纒氏には様々な意見があり、中には家族愛が強く、言ったことはやる人と言う評もあり、中々難しい人と思いますので調べていくとまた何か発見があるかもしれません。情報ありがとうございます。343空と対の存在かもしれません。

    KO

    2024年11月14日

    今回も読み応えありがとうございました。1981年公開された東宝映画「連合艦隊」で宇垣纏役の高橋幸治さんの記憶が蘇り、今回見直しました。(飛ばしてながら)。作品の宇垣纏はカッコ良く描かれますので史実の評価とは様々でしょうが、私も戦史に詳しくないので下手な事言えませんです。343空とは対極で掘り下げるともっと出てくるのでしょうか?加えますと作品には宇垣纏の最期もナレですがあります。フリーアナウンサーの宇垣美里は末裔だそうです。

    神奈川のY

    2024年11月14日

    基礎医さま、コメントありがとうございます。確かにこの時期は硫黄島、沖縄戦と大空襲の時ですね。制空権がアメリカにあり、包囲されつつある状況かと思います。また、剣部隊は特攻隊の護衛をして、アメリカの包囲網を潜りぬけ、特攻隊に名誉ある死を見守り、自分達も空襲で犠牲を出したと言います。また、宇垣 纒氏についてですが、最期に特攻して散った姿は先に批評した草鹿龍之介中将から軍人を貫き通したとあったそうで、源田実氏のような社交的な異端児な気質と正反対な性格で、素朴な寡黙の日本軍人だったのではないかと思われます。渾名は推察の通りで、彼の非社交的な感じからつけられたそうで、江戸川乱歩の黄金仮面が由来とも言われてます。
    冨永 恭次は軍人の風上にも置けない為、個人的に鉄拳制裁をしたく思えました。軍人にも色々あると考えさせられました。
    あしたのジョージさま、コメントありがとうございます。
    剣部隊の戦闘、他のパイロットから観ても素晴らしかったそうです。編隊の動きはたぶんブルーインパルスの動きと似ているかと思いますので、想像のご参考に。私も男系固執の人達はボンクラな上層部の人や特攻を人にやらせて責任を取らない卑怯者しかいないと思われます。鉄拳制裁は駄目だから源田実氏みたいに戦闘機の練習機に文句ある人を乗せるぞ!と同じ、連れ回すのはどうでしょうかと考えてしまいます。逃げますね、きっと。

    あしたのジョージ

    2024年11月14日

    全くこういう話は知らなかったので、凄く面白かったと言っては良くないのかもしれませんが、惚れ惚れする源田実氏のエピソードでした。

    男系派の人達にもこんな漢気溢れる人がいるでしょうか。
    男系派にとっての雲域が怪しくなってきたらトンズラする人達ばかりだと思います。
    屁理屈ばかり言っているだけなので、そんなところでしょう。『偏見)
    次回も楽しみです。

    基礎医学研究者

    2024年11月14日

    (編集者からの割り込みコメント)「何もやらないくせに、文句ばかりいうんじゃあない!」確かに、これはいまの「皇位継承問題」に通じるところが、ありますね。結局、何もしない人が「皇室を終了」することに加担することに、なるわけですから(特に、政治家)。で、この状況をみると、本土の上空での航空戦ですから、確実に追い詰められていますね(しかも、時期的に硫黄島攻略や東京大空襲が起きている時期ですよね)。このような時期にも”良く戦う”ということを目指していたのは、すごいのと、上官の心がけ1つで同調圧力を跳ね返せるのも、良い教訓となります(このエピソードでもわかるように、物事、単純ではありませんね?)。

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