天皇制は必要かと考えるとき、私は次の出来事を思い浮かべます。
昭和20年8月。先の大戦末期のことです。
本土決戦で徹底抗戦しようとする日本。
民間人を軍隊と思えと言わんばかりに民間施設まで攻撃するアメリカ。
それに終止符を打ったのが、昭和天皇のご聖断です。
政府が機能不全に陥ったときに、
天皇の存在が事態を収束に向かわせた
代表的な事例ですが、
いくら天皇のご聖断とはいえ、
お言葉一つで戦争を終わらせることができるものでしょうか?
もしそうなら対米戦争自体を止められたはずです。
当初から、昭和天皇は対米戦争に消極的でしたから。
しかしそのときは、天皇ですらそれを表に出して言えなかった状況だったのです。
戦争終結には、ご聖断だけでなく、
尊皇心の高い忠臣(=国民)の働きが欠かせませんでした。
当時陸軍大臣だった阿南惟幾は、
自分が戦争継続派をまとめて
徹底抗戦を主張していましたが、
ご聖断が下るとその意に従い、
自決して陛下のご意思を軍全体に浸透させました。
また、当時首相だった鈴木貫太郎は、
陛下の意を汲んで終戦工作に奔走していました。
鈴木貫太郎は、当初「政治に関わることはない」
と首相の座を固辞していましたが、
昭和天皇が「この重大な時に人がいない、
頼むからどうか曲げて承知してほしい」
と述べたからこそ就任した、という逸話もあります。
陛下の忠臣であり、そのご意思を理解していた阿南惟幾陸軍大臣。
陛下の意を汲んで終戦工作を行った鈴木貫太郎首相。
ご聖断は、この二人がいたからこそ最大限に力が発揮されました。
皇室の権威は、鈴木貫太郎首相、阿南惟幾陸軍大臣のような、
忠臣と呼ばれる尊皇心が高い国民の働きにより、国を安定させる力となります。
皇室が心の支えとなり、
道しるべとなるからこそ、
国民は、国のために自ら物事を考え
行動していけるのではないでしょうか。
私にはそう思えてなりません。
一般の国民からすれば雲の上の人でしかない皇室ですが、
実は身近で私達を見守っています。
自分たちが住んでいる所にかならずある神社がそれです。
皇室と国民はその様に支え合うからこそ
多少のごたごたがあっても平穏に生きていられると思います。
文責 ジェイク小島
4 件のコメント
ねこまる
2021年2月12日
尊皇心が高いこと。
選挙の時に気にしなければならない事柄だと強く思いました。
基礎医学研究者
2021年2月10日
ジェイク小島様の言われることはまったくその通りでくあり、”昭和天皇のご聖断”は、まさしく伝統の英知がなせる業だったと思います。また、”皇室と国民は歴史上支え合う”という結論についても、少なくともこのホームページの読者には、かなり共有されているのではないかと思います。ただ、一方で思いますのは、天皇制は存続する必要はない”(あるいは皇室終了派)という、本来は理解しがたい対立概念についても考えを巡らす必要があるのでは?ということであります(急いで断っておきますと、私は”天皇制は必要!!”という立場であります)。それは、公論を形成するための重要なステップであるだろうと、私見では思われます(孫子の兵法で言われる「敵を知り己を知れば百戦危うからず」ということなのだろうかと。考える機会を与えていただき、感謝致します)。ただいずれにしまても、本来の日本の歴史・伝統に沿う形で安定継承が行われ、皇室が存続することを望みます。
ラッシュ
2021年2月10日
教えて頂きありがとうございます。
ダダ
2021年2月10日
上皇陛下のお言葉はご聖断であり、今上天皇も皇室の存続を望んでいます。
尊皇心がある政治家(国民)であれば、天皇から受けた恩を少しでも返そうと、この危機を何とかしようと、奔走するでしょう。
そんな数少ない政治家の力になりたいです。投稿ありがとうございました。