林芳正氏「双系の方向で検討すべき」【わしズムvol.31 対談「皇統の問題は信条の問題であり、党議拘束すべきではない」】文字起こし

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小林先生と林官房長官の対談-「わしズム vol.31 2012年7月25日発行」編集長インタビュー 参議院議員 林芳正「眼前の批判に怯まない、世論には迎合しない」-より、「皇統問題は信条の問題であり、討議拘束すべきではない」の部分を文字起こししてみました。

小林先生 最後に、皇位継承問題についてうかがいます。いわゆる保守論壇は「男系絶対」が主流ですが、皇統は男系だけで続いてきたわけではありません推古天皇や斉明天皇などの女帝はいましたし、斉明天皇から天智天皇への流れは系図上は女系です。元明天皇から元正天皇も女系。さらに言えば、皇統譜の世系第一は天照大神ですよ。神武天皇は世系第六。即位した天皇が執り行う大嘗祭は、世系第一の天照大神と一体になる儀式から始まるんですね。ならば、そもそも皇統は女系だったと考えてもいいぐらいです。現実的にも、側室がない状態で男系を続けるのは不可能でしょう。だから、わしは双系でいいと考えています。そこで民主党政権が女性宮家創設を検討しているわけですが、それがもし「一代限り」のプランになったとしたら、いまの内親王の方々が皇族として残るだけで、その子供は皇族になれない。結局、将来は悠仁様お一人になられてしまうんです。

林芳正議員 それでは意味がないですね。

小林先生 もちろん、一代限りではないプランを民主党が出してくる可能性もあります。その場合、安倍晋三を筆頭とする自民党の男系絶対派は間違いなく反対するでしょう。

林芳正議員 この問題については、みんなでわいわい議論した記憶がないですね。それぞれの議員が外に向けて議論をおっしゃっているだけで、党内での話し合いは私の知る限りありません。もし党として反対するなら「では将来の皇位継承をどうするのか」という対案とセットにしなければ無責任です。ただ、これは党の綱領や党是とは離れた各自の信条の問題なので、例えば「消費税率を5%にするか8%にするか」といった問題とは違って、折衷案をまとめにくい。かつて臓器移植法案の賛否で党議拘束を外したことがありますが、そうなる可能性もあるでしょうね。小林先生のお話をうかがうと、双系の方向で検討すべきだろうと思いますが。

小林先生 立ち上がれ日本あたりは、強硬派のナショナリストたちに突き上げられて「憲法に男系を明記する」と馬鹿なことを言い始めましたからね。それが選挙で票になると思っているんだろうけど。

林芳正議員 これは政治家の宿命ですが、例えば岸信介さんが安保改定を断行したときも、竹下登さんが消費税を導入したときも、その時点では厳しく批判されました。しかし後から振り返ると、「よくぞあのとき決断してくれた」と評価される。ですからどんな政治課題であれ、目の前の批判に怯んだり、世論に迎合したりしてはいけないと思います。中曽根さんもおっしゃられたように、われわれは歴史と言う法廷の被告席に座っている後年、「あのときにこれを決断したのは誰だ」と聞かれたときに、自分の子孫が誇りを持って「うちのおじいちゃんです」と答えられるような仕事をしたいですね。

小林先生との対談から12年後の昨年10月30日、記者会見において、林官房長官は、国連の女性差別撤廃委員会が「皇位継承を男系男子に限る皇室典範について改正を勧告する最終見解を公表」したことに強く抗議し、削除の申し入れを行ったと明らかにした際に、次のように述べています。

皇位につく資格は基本的人権に含まれていないことから、皇室典範において皇位継承資格が男系男子に限定されていることは、女子差別撤廃条約第1条の女子に対する差別には該当しない

「ゴーマニズム宣言 愛子天皇論」第254章「男系ホステス、国連で国辱」には、この仁を失った政治家の姿が克明に描かれており、皇統クラブ活動によって全国から、掲載誌である週刊SPA! 2024年 12/24 号が、林官房長官をはじめとした議員に届けられています。

後年、「あのときにこれを決断したのは誰だ」と聞かれたときに、自分の子孫が誇りを持って「うちのおじいちゃんです」と答えられるような仕事をしたいですね

仁の政治」に立ち返り、「双系の方向」での皇室典範改正に、御尽力お願いします。

「愛子天皇への道」サイト運営メンバー まいこ

10 件のコメント

    まいこ

    2025年1月13日

    ダダさん、愛子さまサイトに投稿する際に国会議事録を紐解く機会がありますが、本当に一言一句、しっかりと記録されていますね。言葉の重みを充分に分かっているはずの国会議員と、言論で闘ってこられた小林先生。2012年と12年後の違いに驚くばかりでした。
    叶丸さん、2012年発行のVOL.31「大特集 古事記りばいばる」、対談を含めて物凄く充実した内容で、今こそ再販していただきたいなと思います。

    叶丸

    2025年1月13日

    自分の勘違いでした。

    叶丸

    2025年1月13日

    記憶違いだったら、すみません。
    細かい事ですが…2012年の時点では、わしズムは既に廃刊になっていたと思います。

    ダダ

    2025年1月13日

    文字起こし、ありがとうございました。
    小林先生は書籍、国会議員は国会議事録、どちらも後世に残るものです。
    時代に合わせて思想が変化することは理解できますが、林議員の劣化具合を見ると、国会議員が漫画家よりも言葉を軽んじていることに失望しました。

    まいこ

    2025年1月12日

    コメントいただきありがとうございます。

    サトルさん、わしズムでの皇統クラブ活動、素晴らしいです。

    daigoさん、孫に誇りを持ってもらえる「仁の政治」をしていただきたいですね。

    京都のSさん、「仁・儀・礼・智・忠・信・考・悌」は歌舞伎で八犬伝を観た時に覚えた言葉なのですが、たしかに一番最初に仁がありますね。忘九…名言です。

    あしたのジョージさんも林官房長官に愛子天皇論、お送りしておられるのですね。いま戻れば全部抱きしめてもらえるはず。私も送り続けます。

    京都のS

    2025年1月12日

     下のコメは八徳目のうち「孝」が抜けていました。失礼しました。

    あしたのジョージ

    2025年1月12日

    まいこさん、文字起こしありがとうございます。
    林芳正官房長官の手の平返しには、がっかりですね。
    男系派に闇堕ちしてしまった林芳正官房長官には、連載中の愛子天皇論と簡単な手紙を送りましたが、また送りたいと思っています。

    京都のS

    2025年1月12日

     まいこ様、解りやすい記事をありがとうございます。この頃から小林先生は凄いですね。「斉明天皇から天智天皇への流れは系図上は女系」「元明天皇から元正天皇も女系」「皇統譜の世系第一は天照大神」「側室がない状態で男系を続けるのは不可能」「双系でいい」「民主党政権が女性宮家創設を検討…それがもし「一代限り」のプランになったとしたら、いまの内親王の方々が皇族として残るだけで、その子供は皇族になれない」「結局、将来は悠仁様お一人になられてしまう」と重要論点が完全に押さえられています。
     吉原が舞台のNHK大河「べらぼう」には女郎屋の楼主らが出てきますが、彼ら「忘八」は仁義礼智信忠悌の八徳目を忘れた「人でなし」のことです。八徳目の第一(仁)を自らの政治信条として掲げながら、仁慈で以て国民に接してくださる皇族方に対する仁は欠片も持ち合わせていないとは、忘八と同等かそれ以下です。きっと林氏は「廉恥心」すら忘れた「忘九」なのでしょうね。

    daigo

    2025年1月12日

    まいこさん文字おこしお疲れさまです。
    林芳正氏小林よしのり先生と対談の時はまともな人だと思っておりましたが、男尊女卑こそ「国家の基本」発言にはがっかりです😞 
    男尊女卑を守る事が林芳正氏の言う「仁の政治」なんですか?
    もう一度考え直してほしいです。

    サトル

    2025年1月12日

    文字起こし(転記)ありがとうございます。
    現物を持っているので、コピーをとり、一緒に御本人宛て……出来れば「志同じくしていたと思われる(当時)」現役議員にも送りたい……と思います。
    ありがとうございます。

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