昨日、2月17日に行われた与野党協議=第二回全体会議後の記者会見を文字起こしでお伝えします。
野田代表:今のいわゆる全体会議については立憲の考え方にも色々ご質問があったり、我々も主張しましたが、もう全部、馬淵さんが八面六臂の活躍で全部説明しましたので、馬淵さんから報告とまた質疑応答があればお答えしたいと思います。
馬淵議員:私の方からご報告させていただきます。本日、第二回の全体会議、新たな正副両議長のもとでの第二回の全体会議が行われました。本日の議題は女性皇族が婚姻後その配偶者と子の身分についてということでの自由討議でございました。従いまして本日は約1時間半の時間の中で自由討議ですので、手挙げ方式で、それぞれ意見を述べる、あるいは各党会派の発言に対して質問するという、そういう形で行われました。私どもの方からは、自民党さんが最初に発言をされ、質問が立民に参りましたので、私が2番目に発言をさせていただきました。
今回、我が党として、いわゆる論点整理は、皇族の配偶者と子の皇族としての身分の付与については付与する付与しないという両論で併記をされてるということについてのお尋ねがあったんですが、我々の論点整理、つぶさに見ていただきますと、これらに対して長所短所、しっかりと列挙しながら、その議論を行うべきだという風に記してあります。つまりは岸田内閣下における有識者報告書については十分な議論がなされていないということを私たちは指摘をして参りましたので、この場にて、すなわちこの全体会議、自由討議の場にて、皆さん方のご意見を交すべきだと、その短所も含め長所も含めて議論をしながら、いずれか双方が歩み寄れるような案を作り上げなければならないということで、この問題については、我々はそういった姿勢で望んでるんだということを申し上げたところであります。
そこからは各党各会派がそれぞれご質問なり、意見なりを出されました。主に質問の相手は我々、立民でございました。相当数ありましたので、あまり細かくは申し上げることが今できないんですが、メモをしたところでは、いわゆる婚姻についてですが、自民党さんから私どもの方に質問があったのは、婚姻後に皇族の身分を付与した場合には、付与するとなった場合には、婚姻そのものを妨げるのではないか、また婚姻後の自由が妨げられるのではないかということでの懸念を示されましたが、これに対して私どもは、いやむしろ国民であるということから逆に言えば、メディア並びにSNS様々な形で、皇族とは違いますので様々な形で批判にさらされるなどの不安もあるという声も一方であります。従って皇族の身分を付与することが婚姻の妨げになるのか、あるいは婚姻後の生活の妨げになるかということについては、まさに我々が望んでいるように議論をして、それをより明確化していくことが必要なのだということでお答えをしたところであります。
またこうした議論が繰り返しなされるのは時間の浪費になるんだというご意見、これも国民さんからございました。これはもう再三、玉木さんからもですね、早くこれを決めるべきだということは仰っていただいてますので、そこは我々も同意するところであります。
加えて憲法の問題を玉木さんからは、ご指摘がございました。いわゆる憲法24条1号1項2項、あるいは14条の1項というところでご質問があり、これについては玄葉副議長から内閣法制局、そして衆参の法制局、この3者からの見解を求めるという形で法制局のその法律、憲法解釈が示されたところであります。
これは私から聞いた限りにおいては、私は度々、内閣委員会並びに予算委員会で質問して参りましたので、その答弁、はっきりと覚えておりますが、憲法24条1項に関しては、婚姻後のその婚姻生活にかかるものに関しては、何ら制約を受けるものではないというのが内閣法制局の答弁でありますが、2項に関しては、あるいはこれは職業選択の自由であったり、移転居住の自由であったりという、いわゆる個人の権利の部分なんですが、ここは具体的な制度が定められていない段階では、はっきりと申し上げることはできないと、これも先日の内閣委員会でも答弁いただいてますので、でもそれを乗り越えて当たらないのではないかという答弁を、その場でされましたので、私はそれは違うのではないかということを、はっきりと申し上げたところであります。
またその他、少数の政党・会派の方々の中からは、女性女系天皇を認めるべきだ等々のご意見があったり、あるいは、先例を超えてはならないと、身分付与も含めて、これは先例を超えることというのがあってはならないというようなご意見もありました。また身分を、皇族としての身分を付与すべきだということについて、しないと何が問題なのか、またそれは支障にならないんじゃないか、このようなご意見もあったわけでありますが、私の方からは、これもかねがね指摘をしてきたことでありますが、例えば職業選択の自由で、様々な外に発信するようなお仕事や、あるいは政党結社の自由、政治に関わっての被戦挙権の行使等々、それこそ皇族としての妻たる女性皇族の立場あるいは、その発言なりが影響を与えるようなことがあってはならないということから、支障というのは十分に考えられるということを申し上げたところであります。
当然、こうした議論というのはその場で答えが出るわけではありませんが、今、申し上げたようなことを繰り返し私の方からお伝えをしてきたところです。
また、準皇族ということについて、これも過去にいくつかの政党会派が述べられたことがありました。これについては、かつて野田内閣下における有識者の会議、あるいはその前の安倍政権下における有識者の会議で、今谷先生が述べられた準皇族というような立場が過去にはあったということでの処遇の問題について述べられたことがありましたが、これを参考に引き合いとして準皇族ということをおっしゃった政党会派があったわけですけれども、これについては新たな身分の創設については、これは憲法に抵触する可能性があるということが、内閣法制局並びに衆参の法制局からも指摘をされたことであり、これを述べられた三会派からは、身分の話ではなく処遇待遇の話をしたんだということの発言があったというところであります。
以上のようなことで、様々な議論がなされました。そしてそれに対する回答や、あるいはまたそれに対する更問いもございましたが、完全に十分100%満足できる我々、発言ができたかというと、そうではなかったかもしれませんが、いずれにしましても一定程度、論点の洗い出しができたのではないかと思っておりますし、議事録が公開されます。この議事録に基づいて、正副四者によって、また整理をしていただくということでありますから、次回は旧宮家の男子の養子についての自由討議を行い、また引き続き、この身分付与について、まだ論点が残っていると判断されれば、再度このような形での議論を行いますということで、玄葉副議長が引き取られ、衆参正両議長からのご発言は特にございませんでした。私の方からは以上です。
質問:共同通信 これまで女性皇族婚姻後の配偶者と子の身分について議論というのを求めていた立場であったと思います。今回、改めてになりますけど、このように全体会議の場でその論点について議論がなされたことへのコメントをお願いします。
馬淵議員:今まで、すれ違いのような発言に終始してしまった全体会議でありましたが、今回は自由討議ということでしたので、きちっと論点を詰めてお話ができたと思います。少しずれてるなっていうことに対しては、私の方から逆に問いかけもさせていただきましたので、その意味ではこうした自由討議の時間というの良かったと思います。特に玄葉副議長が簡潔にということで、一党一会派がそれぞれ長く話すようなことはなく、ピンポイントで話すということに皆さんが終始していただきましたので、非常に私は、小気味いい形での議論ができたのではないかという風に思います。
質問:時事通信 今、馬淵さんから、ずれていると思うなということについては、こちらから問いかけをしたということですが、具体的にどの会派のどういった意見ですか?
馬淵議員:そこはまた議事録をご覧いただけば分かるかと思いますが、例えばですね、先例は極めて重要だというご意見ございました。そのことは我々も歴史と伝統を尊重するという立場で、重々承知をしておりますが、先例というのは、それこそ、この長い歴史の中で何度も何度も見直され、ある意味大きく改変された部分もございます。何をもって先例とするかということの議論が、やはりここはまだ不十分なところがあるのかなという気はいたしました。
質問:次回の日程、具体的な時期というのは?
馬淵議員:いえもうこれは何も、全く仰っておられませんでした。
質問:産経新聞 今回、自由討議が立憲民主党の方に各党会派から集中したということですが、逆に立憲民主党の方から、他党の考えについて何か質問したようなことは?
馬淵議員:それは自民党さんに対して、お尋ねあったことに対して打ち返しはしています。あと私の方からお答えをしたことについては、特にその後というのはなかったという風に理解してます。
質問:準皇族の話を聞いて、衆参の法制局から新しく身分を創設するのではないかというような話があったとのことですが、この準皇族という考え方に…
野田議員:内閣法制局、両方、全部。
質問:すいません、全部から。立憲民主党としての準皇族という考え方への考えはどのようなものですか?
馬淵議員:私たちは、そのことに対して質問はなかったんで述べることありませんでしたが、私たちの見解としては過去において准三后、准三宮(平安時代以降、皇族・大臣や功労ある公卿などを優遇するために設けた称号。太皇太后宮・皇太后宮・皇后宮の三宮に準じて、年官・年爵・封戸 (ふご) を給したもの。のちには名誉称号となって、江戸末期まで存続。准三后 (じゅさんごう) 。准后 (じゅごう) 。goo辞書より)という形で、特別な待遇を設けたことが平安時代にあったとされています。これは過去、有識社会議で今谷先生などが、こういった例もあるので、ある意味、処遇の部分で様々なことを一代限りで考えても良いのではないかということの発言をもとに、仰ってこられた会派があるという風に承知しておりますので、我々としてもこれが何か特別の身分だという風には認識しておりません。事実、中身を調べていくと、年爵とか年官という形で、いわゆる官職の身分や叙位、役職、位を申請する権利を付与したというような、そういったある意味、待遇面のことを指しているものでありまして、少なくとも今回のこの問題に対して、何か新たな身分を創設するという案ということではないという風に、そう理解をしておりましたので、特に私たちの方からコメントすることはありませんでした。
質問:野田代表に質問なのですが、本日、昼前に行った内外情勢調査の講演会で、女性皇族の配偶者と子の身分分について、私は皇族の身分を付与した方が、するべきじゃないかという立場という風に発言されましたが、これはつまり、野田代表個人の考え方であって、党としての考え方ではない?
野田代表:論点整理の中では、そういう考え方があるという中での披露をしたということです。あくまで論点整理だと思ってます。
質問:細かいところで、准皇族で、三会派から発言があったということで、差支えなければ、どの会派だったのか。
馬淵議員:議事録に載りますので、維新の会、国民民主、有志の会の皆さん、三党会派でした。
質問:TBS 論点整理はある程度できたと仰られましたけれども、両者、歩み寄れるような、何か兆しは感じられたのか、それとも、しばらく時間がかかりそうな感じだったのか…
馬淵議員:少なくとも今日はまだ議論が、それぞれの主張をぶつけ合ったようなレベルですかね。ただ、まとめなければならないという意思はそこに集まった全党会派が持っていますから、今日私は冒頭で申し上げたように議論をして、いずれかを退けるではなく、我々双方が本当に歩み寄れるような考え方というのを探ろうということが趣旨でありましたので、私は必ず合意に至ることができるという風に思っています。それはもう、もちろん代表が一番、そのことに心を痛めておられたと思いますので、同じ思いです。
質問:野田代表にですね、今回、女性皇族の婚姻後の配偶者と子の身分について充分に伺っているとのことで、本日の所感などがあればお伺いしたいと思います。
野田代表:それぞれの党の考え方の背景とか改めてですね、今まで水面下で、議長・副議長の前でご意見の御開陳があったと思いますけども、生で聞いて、あるいは自由討議でやり取りができたので、それぞれの考え方、背景みたいなものは一定程度、理解できたと思いますので、これからの議論に繋げていきたいと思います。
(以降は予算の質問に移ったので割愛)
昨日、産経新聞は以下のような記事を出しました。
この記事では、政府関係者や内閣法制局、両院の法制局との質疑応答で「(女性皇族の配偶者と子が国民であっても)憲法上の問題は生じないという説明だった」と玄葉衆院副議長が明らかにしたことが報じられていました。
今回の記者会見で、馬淵議員は毅然として以下のように述べています。
私は度々、内閣委員会並びに予算委員会で質問して参りましたので、その答弁、はっきりと覚えておりますが、憲法24条1項に関しては、婚姻後のその婚姻生活にかかるものに関しては、何ら制約を受けるものではないというのが内閣法制局の答弁でありますが、2項に関しては、あるいはこれは職業選択の自由であったり、移転居住の自由であったりという、いわゆる個人の権利の部分なんですが、ここは具体的な制度が定められていない段階では、はっきりと申し上げることはできないと、これも先日の内閣委員会でも答弁いただいてますので、でもそれを乗り越えて当たらないのではないかという答弁を、その場でされましたので、私はそれは違うのではないかということを、はっきりと申し上げたところであります。
同じ立憲民主党の議員の間で、法制局の説明に対する見解が違っているといった印象を受けました。
また、準皇族について馬淵議員は以下のような説明が法制局からあったと述べています。
新たな身分の創設については、これは憲法に抵触する可能性があるということが、内閣法制局並びに衆参の法制局からも指摘をされたことであり、これを述べられた三会派からは、身分の話ではなく処遇待遇の話をしたんだということの発言があったというところであります。
これに対して、産経新聞は以下のように質問しました。
準皇族の話を聞いて、衆参の法制局から新しく身分を創設するのではないかというような話があったとのことですが、この準皇族という考え方に…
馬淵議員
少なくとも今回のこの問題に対して、何か新たな身分を創設するという案ということではないという風に、そう理解をしておりましたので、特に私たちの方からコメントすることはありませんでした。
「新しく身分を創設する」とは、どのように聞いても法制局は説明していないにも関わらず、なされた質問に、やはり馬淵議員が明解に答えていたのは良かったと思います。
同じ説明を聞いていても、まったく逆の捉え方をした質問がなされるということは、議論の取りまとめも恣意的に為される可能性があるということ。
有識者会議の各党・各派の意見の要点は、衆議院法制局によって取りまとめられ、「悠仁さままでは揺るがせにしない」という提言がなされました。全体会議の議論で交わされる文言が、どのように取りまとめられるのかにも注視しなければなりません。
立憲民主党には、敢然と成すべきことをしていただきたいと思います。
「愛子天皇への道」サイト運営メンバー まいこ
2 件のコメント
SSKA
2025年2月18日
新聞記事やこの会見の内容からも立民内の意見の不一致が、ただでさえ劣勢の議論を余計ややこしくしている印象です。
党が纏まらない事情のせいで全体会議に参加する野田、馬淵両氏は必ず他党から責められ肩身を狭くしている様に見えますが、それでも持論を一切崩さず相手の主張にも耳を傾けつつ誤りはきちっと正し毅然と対応するお二方の姿勢は流石だと思います。
玄葉副議長は前は選挙のスケジュールばかり気にしたり、議論の細部についても認識が曖昧で額賀に丸め込まれた感があっていまいち信用出来ません。
ありんこ
2025年2月18日
文字起こしありがとうございました。各メディアの概要を眺めているとどれを合憲に見たのか、ダメだとしたのか見えない感じがしたのですが、今回法制局が合憲とした所は門地の差別の場所ではないような印象を受けました。
それをメディアは門地の差別が合憲であるかのような印象を持っていこうとしているような印象を受けました。
少なくとも準皇族案なるものは否定されたと見られるだろうなと感じました。