養子案の根拠薄弱 「菊栄親睦会」 直近は約8年前 政府答弁【2022年2月7日産経新聞】 

Post's thumbnail

第三回全体会議で自民党・衛藤晟一議員養子案の根拠として、「菊栄親睦会」について述べていました。

○ 参 議 院 議 員 ( 衛 藤 晟 一 (えとう せいいち)君 ) 
(前略)
不 都 合 が あ る と い う こ と で ご ざ い ま す が 、 こ れ ら の 方 々 は 、 昭 和 天 皇 様 も 、 そ れ か ら 上 皇 陛 下 も 、 菊 栄 親 睦 会 (きくえいしんぼくかい)と い う 形 で 皇 室 と 直 接 の 交 流 を ず っ と 続 け て こ ら れ て 、 何 か あ っ た と き に は や は り 皆 さ ん 皇 室 を 支 え て く だ さ い ね と い う こ と を 継 が れ て き て い る と い う 話 を お 聞 き し ま す 。

そ う い う 意 味 で は 、 私 ど も は 、 御 皇 室 の 中 に ち ゃ ん と し た 体 制 を つ く る こ と が で き れ ば 必 ず 応 じ て い た だ け る 方 が 出 て く る と い う 具 合 に 考 え ま す 。
そ の 途 中 で 、 体 制 も で き て い な い 今 の 状 態 で お 聞 き す る な ん と い う こ と は あ り 得 な い こ と で あ ろ う と い う よ う に 思 い ま す の で 、 ど う ぞ よ ろ し く お 願 い い た し ま す 。

菊栄親睦会」について調べてみたところ、産経新聞の記事が見つかりました。

「菊栄親睦会」 直近は約8年前 政府答弁【2022年2月7日産経新聞】

全体会議においても意見を述べている維新・藤田文武議員2022年2月7日開催の衆議院予算委員会池田憲治宮内庁次長と質疑応答した内容でしたので、議事録もみてみます。

第208回国会 衆議院 予算委員会 第11号 令和4年2月7日
(293 藤田文武 294 池田憲治(いけだけんじ 宮内庁次長) 296 岸田文雄 297 藤田文武)

○藤田委員 ありがとうございます。  次に、現在の皇室と旧宮家の方々の交流関係について幾つかお話を聞きたいと思います。こちらのパネルを見ていただけますでしょうか。これは、菊栄親睦会というものがありまして、平成六年に百一名が御出席されたもので、これは実際に出版されておりまして、これは有識者会議の資料としても提出されているもので、ホームページ上で公開されているものであります。

昭和二十二年の皇籍離脱の際、皇位継承権をお持ちの男子皇族が三十二人中二十六人もいなくなってしまうことに対する不安や御心配も各所からあったと拝察申し上げますが、昭和天皇は、この十一宮家の皇族の方々が皇籍離脱されることに非常に難しい心情であられたということもお聞きしております。そのようないきさつもあったからでしょうか、昭和天皇は旧宮家の方々を非常に大切にされ、皇籍離脱後も菊栄親睦会等を通じて旧皇族の方々と親しく交流されてきたと伺っております

かつて、親しみを込めてひげの殿下と呼ばれた三笠宮様は、インタビューの中でこのようにおっしゃられています。皆さんが意外と御存じないのは、我々現職の皇族と旧宮家の方々はすごく近しくつき合ってきたということですと、このようにおっしゃられているわけでありますが、こちら、お示しさせていただいた菊栄親睦会、これは私、二年前の質疑でも少し聞かせていただいたんですが、まず、これの運営について少しお手伝いを宮内庁がしているということは事実かということをもう一度確認したいことと、それから、菊栄親睦会はこれまでどの程度の頻度、そして直近ではいつどこで行われたか、それから、この参加者はこれまでどのような方がいらっしゃったかということをお聞きしたいと思います。

○池田(宮内庁次長政府参考人 宮内庁は皇族方の公私にわたるお世話を申し上げておりまして、その立場から、皇族方が会員となられている菊栄親睦会のお手伝いをしているところでございます。菊栄親睦会は、会員の皆様で運営されている任意団体でございますので、その運営に関する具体的なことについて、宮内庁としてお答えすることは差し控えたいというふうに思っております。  

そして、菊栄親睦会大会でございますが、最近は五年に一度程度開かれているというふうに承知をしておりまして、直近の例で申し上げますと、平成二十六年五月十八日に赤坂御用地内の赤坂東邸において開催されたものと承知しております。 具体的な運営については、宮内庁としてお答えすることは差し控えますが、なお、過去、菊栄親睦会の大会に際しまして、会員の方々とその御家族が出席されたと報じられたことは承知をしております。

○藤田委員 ありがとうございます。これらの事実は、なかなか国民の皆さんも御存じない方が多いというふうに思います。改めて、今日、明らかに説明いただいたように、旧宮家の方々というのは、歴史的背景においても、そして、親戚関係においても、現在の交流関係においても、皇室と非常に近しい立場であるというのは事実としてございます。これまで、他党の議員が国会において、このような発言もありました。以前皇族だったおうちにたまたま生まれた方が突然現れたら受け入れられない、無理筋であるという個人的見解を述べられた方もいらっしゃいましたが、私は、今日のお話を再度確認させていただいて、全くそうは思いません。これまでも、私は、私たちは、旧宮家の方々から何らかのお力をおかりするという選択肢は閉じるべきではないという主張をしてまいりましたが、今日、改めて、この具体的な方策が有識者会議から出てきて、その可能性も少し見えてきたわけでありますが、今日の質問させていただいた客観的事実を踏まえて、この報告書の受け止めを、有識者会議の報告書、そしてこの具体的方策の受け止めを総理から一言いただけたらと思います。

○岸田内閣総理大臣 御指摘の有識者会議の報告書ですが、附帯決議に示された課題について大変丁寧に議論を尽くしていただき、バランスの取れた報告書になっていると考えています。  政府としては、この報告書を尊重することとし、国会に報告したところです。現在、国会において検討が行われているものと承知をしており、私としては、報告書がこれに資するものになってもらいたいと考えております。

○藤田委員 ありがとうございます。本日確認させていただいた客観的な事実も含め、国民の皆さんに正確な情報をお伝えして理解を醸成していくというのは、非常に大事なことだと思います。それから、長い歴史の中で積み重ねられた歴史や伝統を大切にして、古来例外なく男系継承が維持されてきたことの重みを踏まえて、私たちも静かな環境の中で議論し、そして立法府としての役割を果たしてまいりたいと思います。

他党の議員が国会において、このような発言もありました。以前皇族だったおうちにたまたま生まれた方が突然現れたら受け入れられない、無理筋であるという個人的見解を述べられた方とは、菅野志桜里先生(当時は山尾志桜里議員)のことと思われます。

皇位継承の議論をするなら「旧宮家、旧皇族」に関する正確な理解を。2020/05/09 【藤田文武 公式サイト】
第201回国会 予算委員会 第14号(令和2年2月19日(水曜日))議事録(277 山尾志桜里)

2022年の時点で、8年前に開かれたという「菊栄親睦会」
昭 和 天 皇 様 も 、 そ れ か ら 上 皇 陛 下 も と述べていた衛藤議員も、
昭和天皇は旧宮家の方々を非常に大切にされ、と国会で質疑をした藤田議員も、
令和になってからの動向には触れていないので、さらに調べてみました。

菊栄親睦会大会
2年~5年に1回のペースで開かれるが、平成に入ると明仁天皇が公務で多忙であったこともあり、開催頻度は減少した。直近で開催された大会は、2014年(平成26年)5月18日の「天皇陛下傘寿奉祝菊栄親睦会大会」である。令和になってからは、令和2年(2020年)6月に予定されていた、徳仁天皇即位奉祝の大会が新型コロナウィルス感染症の感染拡大の影響で取り止めとなって、一度も開催されていない

旧皇族の臣籍降下から10年余りが経過した1958年(昭和33年)時点では、瓜生順良(うりゅうよりよし?)宮内庁次長の国会答弁によると「相当大きな会合としては春とか秋、春秋二回、相当な会合があり、その他にも折に触れてなさっております。」「他の皇族さんは大ていお出になつておりますが、両陛下は特別の場合だけお出になり、一々お出になっておりません」という状況であった。(ウィキペディアより

第28回国会 参議院 内閣委員会 第22号 昭和33年4月8日 議事録(012・瓜生順良)

上記の情報によれば、菊栄親睦会大会は11年間開催されていないということになります。さらに
両陛下は特別の場合だけお出になり、一々お出になっておりません」という状況ならば、
旧皇族の方々と親しく交流されてきた(と伺っております どなたから伺ったのでしょう?)」とは言えないのではないでしょうか。

養子案の根拠は、やはり非常に薄弱であると言わざるを得ません。

「愛子天皇への道」サイト運営メンバー まいこ

4 件のコメント

    SSKA

    2025年4月14日

    旧皇族にまつわる話題で男系派によって実体とは異なる幻想ばかり膨らみ続けている菊栄親睦会。
    十年以上途絶えていてコロナ禍後の開催も実現しないのでは、家同士密接な近い関係にあるとは最早言えませんが、どこに養子の実現性が見えるのか、政府も部分的に関わっている以上、意思確認だって出来るでしょう。

    ダダ

    2025年4月13日

    養子案は菊栄親睦会や旧宮家からすれば大迷惑な話で、もはや呪いのたぐいです。
    そういえば赤ちゃん養子を推奨していた竹田恒泰には昨年第二子(性別不明)が産まれていますが、誰もその子を養子として祭り上げていません。
    女だからなのか、男でも相応しくないからなのか分かりませんが、男系男子に固執している限り、男尊女卑のろくでなしが量産され続けます。

    くりんぐ

    2025年4月13日

    菊栄親睦会との交流は、平成26年5月18日「天皇陛下傘寿奉祝菊栄親睦会大会」が最後。
    11年前もですね。

    「皇室の方々と交流があるから皇族になる資格がある」
    意味が分かりません。
    それなら皇室の方々と交流がある方々なら、誰でも皇族になる資格があることになって終います。

    突撃一番

    2025年4月13日

    宮内庁も菊栄親睦会に絡んでるとは知らなかったな。
    完全に私的団体かと思ってたから。

    「お手伝いしている」というのが、具体的にどんな深い関わり方なのかは不明だけど、それでもし、陛下が本気で「菊栄親睦会の若手会員を皇族に」と考えておられるのなら、せめて次回の開催予定くらいは、宮内庁HPに情報上がってて然るべきだと思うけど。

コメントはこちらから

全ての項目に入力が必須となります。メールアドレスはサイト上には表示されません。

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。