〈記事紹介・感想〉第47弾 森暢平成城大教授の警鐘(これでいいのか「旧宮家養子案」)

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森暢平先生のこれでいいのか「旧宮家養子案」第47弾です

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サンデー毎日:国会審議なき縁組が可能 養子案は「暗黒」の制度 成城大教授・森暢平

 旧宮家養子案では、養子を取りたい現皇族と旧宮家にある男系男子が当事者として合意さえすれば縁組が成立する。そこに国会の関与はない。国会の容喙(ようかい)をなるべく排除しようという姿勢は、旧宮家の「現状」や「意図」について何も明らかにしないまま皇室典範を改正させようと目論む政府の姿勢にも表れている。

と始まる今回、20年も皇室に入る意思がある男系男子の噂すら立たないにもかかわらず、なぜ政府はこの養子案にこだわるのか。
馬淵澄夫議員が、第3回全体会議で

1947年に皇籍離脱した旧11宮家の子孫の「現状」、そして皇籍復帰の「意思」について政府は確認しないのかと追及した。これに対し内閣官房参与の山﨑重孝は、「意思」の確認は制度ができる前には実施できないと答えた。現皇室典範では養子が禁止されており、今、「意思」確認をすることは、違法な行為を前提に聞くことになるためだという。

もうすでにアレなんですが…
森先生は続けます。

 4年前の「有識者会議」でヒアリングを受けた男系継承維持派の国士舘大特任教授、百地章は旧宮家の略系図を示した(2021年5月10日)。百地の説明によると、11宮家のうち今後も男系で繋がる可能性があるのは賀陽(かや)、久邇、東久邇、竹田の4家だという。四つの家系には20代以下の未婚男子が少なくとも10人いるというのが百地の説明だ。

森先生が百地章の系図と他の情報を合わせたのが以下の系図です(森先生のポストより引用)

画像

これ、旧宮家と連絡とってないと書けませんよね?
で、全体会議で提示がなぜできないの?

森先生も

宮内庁宮務課は、旧宮家当主とは連絡を取っている。系図を確かめるぐらいなら、容易にできるはずだ。政府は国会に対し、こんな簡単な情報も示さず、「とにかくまず制度だけ作りましょう」と急(せ)かしている。国会軽視も甚だしい。

とバッサリ斬っています。

森先生は後半、図の一番上を第1世代、一番下を第3世代とし、第3世代から「皇族となる」という答えは返ってこないのではないか。その根拠として、

悠仁さまと同じプレッシャーを感じるだろう。すなわち、その青年は伴侶を探し、その女性に跡継ぎたる男児を産むことを求めなければならない。

自分の力ではどうしようもない「必ず男を産め」圧力がついて回る中、パートナーガ現れるかどうかもわからない状況(現れないでしょう)

そして、第2世代はどうかと考え

壮年の彼らなら、もしかしたら、イエスという答えを返すかもしれない。ただ、例えば、妻子ある40代の旧宮家にある男性が養子となっても、その子どもは皇族とはならない。当然にして子どもには皇位継承権はない。40代男性は養子となった後にさらに子作りに励み、男子が生まれた場合、ようやくその子の皇位継承権が将来議論されるだけである。

本当にその通りです。

男系固執派は屁理屈を言って「男を産め圧力が分散されるため旧宮家養子案」と言いますが、分散されるには確実に複数の男系男子国民が皇室に入らないと無理な話なのですが、誰も「何人は確実」と答えません。どこが皇位の安定継承につながるのか。本当に無責任です。

 旧宮家養子案は、皇統の危機を救う魔法の杖(つえ)ではない。皇室に入ってから、新たに跡継ぎをつくる努力が必要なのである。78年前、11もあった宮家で、男子継承が見込める家が四つに減ったのも、旧宮家においても男系男子継承しか認めていないためだ。だから現段階で旧宮家の養子がうまくいっても次の世代で皇統の危機が再来する可能性は否定できない。

確実に旧宮家も減ってきています。側室なしで男系継承が続くのか。実際の皇室、旧宮家の現状を見たらわかるでしょうに。
そして「旧宮家のプライバシーが」と言ってますが、そこを覚悟のうえで皇室に入る意思があるのでしょう。そうでないと机上の空論です。

「違法な行為を前提にした質問はできない」「プライバシーの問題がある」という理屈をこじつけ、情報を隠し、議論をブラックボックス化する政府と与党自民党の姿勢は誠実さとは程遠い。

確実に制度を作ったら、旧宮家の方々は養子を出すのか。
森先生は、

四つの旧宮家の現当主、賀陽正憲(65)、久邇邦昭(95)、東久邇征彦(52)、竹田恒正(84)に全体会議で証言してもらったらどうか。「わが旧宮家は元皇族としての矜持(きょうじ)を持って暮らし、皇室の藩屏(はんぺい)としていつでも皇族に戻る決意を持つべきだと次世代の者たちに教育してある」などと胸を張ってくれるなら、男系維持派が主張する「旧宮家の覚悟」という立法事実が少しは証明される。

と、全体会議での覚悟を問うことを勧めます。
しかしながら、

 しかし、もし私が野党議員なら、本シリーズ序盤で報じた東久邇家の東京・高輪の土地、久邇家の同・広尾の土地をめぐる不透明な取り引き、巨額の資金の流れについて説明を求めるだろう。あるいは、竹田家のなかに逮捕された者や皇室を利用するビジネスをなす者がいないか質(ただ)すだろう。

当事者の言葉の中に、「皇室に入る意思がある男系男子がいる」と言ってるのは竹田恒泰だけで、しかも本人は入る意思はない。先祖の話をほじくり返されるのは嫌なんでないですか?そして国民の支持はありません。

森先生は結びに

 民主主義国家の君主制は、議会によって統制される。こうした民主統制原則に則(のっと)れば、皇統に属する者で、1947年まで皇室にあった者の男系男子子孫ならば国会での承認もなく誰でも皇族に戻れるという暗黒の制度が許されるわけがない。

と書かれています。

憲法無視、当事者(皇室、旧宮家)の意向無視、国民の意思を無視。
こんな制度をなぜ国会で議論しているのか。議事録見ても議論になってないです。

本当にいい加減にしてほしい。
森先生の次回作も早くブログで紹介させていただきます。

文責 愛子天皇への道サイト運営メンバー ふぇい

3 件のコメント

    ダダ

    2025年4月26日

    有識者会議における百地氏の発言
    ・旧皇族の方々は純然たる国民と言えるのかという、そういう疑問がある。もともと皇室典範第2条の2項に当たる方々として位置付けられた方々である。だから、法理論的には少しハードルがあるかもしれないが、私は潜在的に皇位継承権を持っておられる方と見ていいのではないか。あるいは直系の皇統の危機だからこそ、まさにそういう考え方ができるんじゃないかと思う。
    そうすると、この方々は、一般国民とはやや違った立場にいらっしゃる方々であるから、特別な扱いがなされても良いのではないかというふうに理解している。
    ・この養子の問題について、旧宮家の方々、私も何人かの方にお会いしたことがあるが、聞くところによると、いざというときには覚悟を決めなければならないと思っている方々も何人かいらっしゃるということは伺っているし、私も具体的に人を介して聞いたことがある。
    ・心配はあるけれども、きっと素晴らしい方が見つかるのではないかと考えている。

    直接会っているはずなのに、伺っている、聞いたことがあると回答しているのは該当者がいないからで、これはY染色体に発情したオジサンの戯言です。

    養子とその相手にも男子出産圧力がかかる以上、何の解決にもなりません。
    森先生の提案(旧宮家の現当主を全体会議に呼ぶ)に賛成します。
    国会の参考人招致でも良いですね。
    安定的な皇位継承を皇族数の確保に鞍替えした政府の悪意は非難されるべきです。

    くりんぐ

    2025年4月26日

    安倍政権時代に、旧宮家系男系男子への皇籍取得の意思確認は既に行われています。
    全員、皇籍取得を拒否されました。

    旧宮家系は北朝三代崇光天皇の男系子孫と、男系で特別今上陛下と血筋が近い訳ではありません。むしろ遠すぎて赤の他人です。
    女系で格上げされたことで女系で近い方もいますが、女系の血筋を主張したいなら女系を認めるのが先です。

    皇族になることを望まれている世代は、玄孫以降。
    玄孫以降で皇位継承例は、応神天皇の来孫(5世)で、手白香皇女(1世)の入婿として即位した継体天皇のみ。
    皇族との養子縁組で皇族になった方の子孫は、皇位継承権を付与されるとのこと。
    皇族と養子縁組したというだけで旧宮家系男系男子の子孫が皇位継承権を持つのなら、当事者の意思だけで養子縁組による皇籍取得なんて論外です。
    皇位継承権のある男性皇族の結婚と同様に、皇室会議の議を経る必要があります。

    旧宮家系は皇族時代から、皇室の品格を貶める問題行動を繰り返していました。
    側室以外の女性と関係を持てばスキャンダルとみなされる時代に側室では無い女性と複数の関係を持って隠し子をたくさんもうけたり、皇籍離脱後御用邸に居座って45億円を手にしたり、グレーな土地取引で手にした9億円を変なビジネスや女性問題で使い切って義弟に迷惑をかけたり。

    常識で考えて、皇族との養子縁組が許可されるとは考えられません。
    皇族になって自由を失い、祖先のスキャンダルが晒されてバッシングの対象になることを考えれば、皇族との養子縁組は拒否されて当然です。

    竹田氏が自身が皇族になることを否定しているのも、自分や親のスキャンダルが暴露され自身がバッシングの対象になるのが怖いからでしょう。

    サトル

    2025年4月25日

    今回も見事な、森先生の記事にございました。
    (また、毎度の事ながら、ふぇいさんの時おり入るコメントが、さらに解りやすくなり、感謝…です)

    今般「東京新聞(中日新聞)」も、社として腹を括りました。
    もちろん、「毎日新聞社」「サンデー毎日」も、「先行」してこの問題に触れてきました。…ここは万人の認めるところ。
    故に、毎日新聞社は、この森氏の連載を「速やかに」書籍化することを、提案…熱望する次第です。
    社としての「プライド」もある…と思います。善き「プライド」。

    その時は、少なくとも私は、「送付するために」複数冊買うことでしょう…。

    「愛子天皇論3」程の冊数ではないかもしれませんが。

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