山尾志桜里議員 安定的皇位継承の議論について問い質す 第201回国会 衆議院 予算委員会 令和2年2月19日 議事録読み③

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国会議事録から分かる山尾志桜里議員の安定的皇位継承に関する業績、今回は、昨日お伝えした2020年・令和2年19日開催 第201回国会 衆議院予算委員会の9日後、2020年・令和2年19日開催 第201回国会 衆議院予算委員会において、同じく菅官房長官(当時)と質疑応答した場面を読んでみましょう。

第201回国会 衆議院 予算委員会 令和2年2月19日

277 山尾委員(山尾志桜里議員) 立憲民主党の山尾志桜里です。

今聞いていましたけれども、竹本大臣にしても森大臣にしても、やはり大臣の答弁が軽過ぎて、すぐ変わるから、本当に信用して議論ができないことを大変残念に思っています。

その上で、きょうは三つ、皇位継承と、あと、国外での自衛官の起こしてしまった過失についての法の欠缺、そして検察官の定年延長の問題、この三つを取り上げます。

この三つのテーマに共通して私は申し上げたいのは、問題を先送りせずに、必要ならきちっと国会で議論をして、法律の手当てで実行していこうということなんです。やりたくない議論を先送りしたり、やっていない議論をもうやったふりをしたり、あるいは法改正をしないで解釈変更で終わらせたり、そういうことはやめましょうということをこの三つを通じて申し上げたいと思います。本当に大事なことだと思います。

その上で、皇位継承について、まず菅長官にお伺いをしたいと思います。

二月十日、ここで、安定的な皇位継承のための方策、長官と議論をしました。このときに、いわゆる旧宮家の男性に皇籍を取得してもらうという提案について、政府としての確認状況ですね、当事者の方の御意向を確認したことはありますか、そしてこれからどうするんですかと言ったら、菅長官は、今までもやっておりませんし、そこは考えておりませんと明確におっしゃいましたね。今、うなずいていらっしゃいます。これで、こうやってやはり少しずつ無理な方策というのはちょっと手放しつつ、国民の気持ちに沿う最善の方法に収れんしていくといいなと、そのとき私は期待をしたんですね。

そうしたら、何と二月十六日の朝、六日後ですけれども、読売新聞の一面トップを見て大変驚きました。「女性・女系天皇 議論せず」という大見出しです。もしこれが本当なら、旧宮家の男性の皇籍取得という、こういう無理な、無理筋の方策は手放して、一方、女性天皇、女系天皇も議論しないということなら、皇位継承は途絶えます、この記事が事実なら。

そこで、私は、そういうふうな、そこまで無責任な政府だと思いませんので、一つずつ事実を確認させてください。三つ言います。

一つ。最初に書いてあるんですけれども、「政府は、皇位継承のあり方をめぐる議論で女性・女系天皇を対象としない方針を固めた。」これは事実ですか

278 菅国務大臣(官房長官) そのようなことを決定したことはありません。

政府は、皇位継承のあり方をめぐる議論で女性・女系天皇を対象としない方針を固めた。そのようなことを決定したことはありません。、官房長官が言明しました。

279 山尾委員 二問目です。これもここに書いてあります。「政府は皇位継承順位を変えないことを前提に、皇族減少に伴う公務の負担軽減策などを検討する構えだ。」これは事実ですか。

280 菅国務大臣 そのようなことを決定した事実はありません。

281 山尾委員 三問目です。これも読売新聞の一面に書いてあります。「公の場で議論を行うための有識者懇談会も設けない方向だ。」これは事実ですか。

282 菅国務大臣 そのようなことを決定をした事実はありません。

政府としては、引き続き、天皇陛下の御即位に伴う行事などがつつがなく行われるよう全力を尽くし、その上で、衆参両院の委員会で可決された附帯決議の趣旨を尊重して対応してまいりたい、それが政府の姿勢です。

283 山尾委員 今、明快に言っていただきました。

今の一連の長官の答弁が事実であれば、政府の方針、方向、構えとして全く決まっていないことを一面トップで読売新聞が報じたということになります。読売新聞が誤報でないというなら、長官の答弁が残念ながら事実でないという関係に立つわけですけれども、私としては、菅長官の答弁が事実であるというふうに思いたいというふうに思っています。

その上で、今長官から話がありましたけれども、じゃ、政府における皇位継承確保策の検討状況というのを聞きたいんですけれども、先日の私とのやりとりを含めた国会での議論やあるいは記者会見などでのメディアに対する長官の発言などを見ていると、この検討の対象が混乱しているがゆえに、長官の、もう政府内の検討はしていますという答弁と、一連の行事が終わったらします、具体的には私に対して初めてこの前明確に言った、立皇嗣の礼が終わったら検討しますという、この二つの答弁が内容としてちょっと並立して見えるので、結局のところ、検討はしているの、していないのというふうに混乱している状況が、私は、ある、現状が見えにくくなっていると思います。

そこで、明確に特定しますのでお答えください。イエス、ノーで答えられると思います。

この国会が政府に求めた生前退位の特例法のときの附帯決議、この附帯決議によって政府に求めているこの検討ですね、附帯決議によって政府に国会が求めているこの検討というのは、始まっているんですか、それとも一連の行事が終わった後に始まるんですか

284 菅国務大臣 政府としては、これまでも、さまざまな議論の経緯を十分に検証するとともに、事務方において有識者から個別にお話を伺うなど、最近の議論の動向などを踏まえ、論点や課題の整理、こうしたものの検討は行っております。この課題については、引き続き、静かな環境の中で検討が行われるよう配慮していく必要があると考えております。

そして、冒頭申し上げましたように、天皇陛下の御即位に伴う行事などがつつがなくとり行われるよう全力を尽くし、その上で、附帯決議、その趣旨を尊重して対応してまいりたい。

いわゆるこの附帯決議の趣旨を尊重して対応していくための、そういう意味の準備行為というふうに思っていただいてよろしいかと思います。

285 山尾委員 今、ちょっとごまかしの答弁だったと、申しわけないけれども、思うんですね。

私が危惧をしているのは、ずっと長官と総理の答弁を議事録で精査をしていくと、附帯決議の趣旨を尊重して検討を行うということは言わず、対応していくとか、さまざまなことを進めていくということをずっとおっしゃっているんです。

私たちとしては、当然、これは国会が政府に求めた附帯決議ですし、この検討は本法施行後速やかにというふうに求めていますので、いわゆる小泉報告書以降に始まった準備室での検討、要するに、平成十七年からずっと行っている検討というのが当然あるわけですけれども、そのいわゆる一連の検討と、この国会が求めた附帯決議に基づく本法施行後速やかなる皇位継承に対する検討、これはやはり別で、吸収されるわけじゃないわけですよね。だから、ずっと私は聞いているわけです。

もう一回聞きますけれども、立皇嗣の礼が終わったら、皇位継承を確保するための諸課題について検討していただけるんですよね。もう検討は終わっています、この検討に基づいて対応しますということではありませんね。

286 菅国務大臣 今行っていることは、委員からもお話ありましたけれども、内閣府の準備室の中で、長年にわたって、いろいろな世の中の動き、そうしたものを整理をしているということでありまして、そして、今回の場合は、国会での議決もありますので、それに向けての資料だとかそうしたものの整理を行っている、その言い方の方が正しいというふうに思っています。

今そんな状況であって、立皇嗣の礼が終わった後に、附帯決議に基づいてしっかり対応していきたい、こういうことであります。

287 山尾委員 いわゆる準備室における不断の検討というのはやっているし、今は、フェーズとしては、この附帯決議もあるので、準備行為であり、整理をしているということでありました。

そうすると、今おっしゃった、立皇嗣の礼が終わった後、また対応したいとおっしゃったんですけれども、今されている準備行為としてのその整理に基づいて、この国会で求めている検討を始めていただけるというふうに解釈してよろしいんですね。対応の中に検討は含まれていますね。もう検討は終わりました、これに沿って対応しますということではありませんね。

288 菅国務大臣 そのとおりであります。

そして、現時点においては、その後の検討のあり方なども、こうしたものは決めておりませんけれども、その材料となるというんですかね、必要なものについては整理をしている、これは内閣官房の準備室でしているということであります。

289 山尾委員 わかりました。きょうはこの辺にしたいと思います。

検討の仕方は何もまだ決めていないと長官はおっしゃいましたけれども、私は、原則公開、政府主体よりは有識者主体で検討すべきだと思います。非公開では国民との対話にならないし、やはり国民代表としての有識者を主体にするべきだと思いますので、ぜひそういう方向でこれから、私も更に言っていきますし、やっていただきたいなというふうに思います。

令和3年12月22日に提出された有識者会議の報告は、まったく付帯決議に基づいたものではありませんでした。

立皇嗣の礼が終わった後に、附帯決議に基づいてしっかり対応していきたい、との言質を取ったしおりんを、これからも応援します!

「愛子天皇への道」サイト運営メンバー まいこ

1 件のコメント

    ダダ

    2025年4月29日

    1)小泉報告書以降に始まった準備室での検討、要するに、平成十七年からずっと行っている検討(平成有識者会議報告書とは別?)
    2)附帯決議に基づく本法施行後速やかなる皇位継承に対する検討
    3)これはやはり別で、吸収されるわけじゃないわけですよね。

    ここの意図する所が分かりませんでした。
    2)に1)を当てはめる(吸収させる)のが最適解だと思うのですが。

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