安定的皇位継承について、プレジデントオンラインが島田裕巳氏の論考を公開しました。
島田裕巳が提言「皇室典範改正で入れるべき大事な一文」旧皇室典範以前の伝統に戻ればいい【プレジデントオンライン】
愛子さまに天皇になっていただいた後に悠仁さまに譲位するという相変わらずの「中継ぎ論」や、昭和期の皇太子不在期間8年間を27年間とカウントすることには、疑義があります。
それでも、立憲・野田代表の「結婚する女性皇族の夫と子の身分について、皇室会議の議に委ねる案」を拡大解釈したと考えられる「すべては「皇室会議」での決定によるとし、皇室会議の構成のみを定めておく」は、すでに昭和に迫ろうとする7年間もの間、皇太子不在の由々しき事態に、ちゃぶ台返しをさせてしまった今、脳裏に去来しなくもない提案かもしれません。
「愛子天皇への道」サイト運営メンバー まいこ
3 件のコメント
mantokun
2025年6月28日
失礼ながら、私は皇位継承問題に関する島田氏の論考はいつもすっきりしないものがあります。現在、秋篠宮殿下は皇嗣であるため皇太子不在だという指摘はその通りですが、上皇陛下が立太子式を経るまでは正式に皇太子の地位に就いていなかった、だから皇太子不在は珍しいものではないという指摘はおかしいでしょう。
明仁親王(現上皇陛下)の誕生とともに、それまで皇嗣とされ皇位継承第1位だった秩父宮殿下は皇嗣ではなくなり、皇位継承順位は第2位になったからです。戦前の皇室典範では、「第一條 大日本國皇位ハ祖宗ノ皇統ニシテ男系ノ男子之ヲ繼承ス 第二條 皇位ハ皇長子ニ傳フ」さらに「第十五條 儲嗣タル皇子ヲ皇太子トス」とあるので、これに従えば、明仁親王はご誕生とともに皇太子になることが確定しています。
戦争を挟み、改定後の皇室典範「第八条 皇嗣たる皇子を皇太子という。」「第二十二条 天皇、皇太子及び皇太孫の成年は、十八年とする。」に従って、明仁親王は18歳になった昭和27年に立太子式を行ったのであって、それまで皇太子になるべき人が法の不備によって曖昧だったわけではありません。
同じく今上陛下は父明仁親王のご即位に伴って皇太子となられましたが、立太子式を行うまで皇太子になる方が不在だったわけではありません。現在の皇室典範の男系男子縛りさえなければ、令和改元ののち愛子さまもご成年を迎えられたときに立太子されていたはずであり、時代遅れの皇室典範を放置し続けているせいで皇太子不在を招いている現在とは状況が違います。
高森先生が「皇太子と傍系の皇嗣は具体的にこれだけ違う!」(2024年6月10日付ブログ)で挙げられ、突撃一番さんも繰り返し指摘されているように、皇宮警察による護衛体制においても、皇太子なら独立の部署が設けられるはずなのに、愛子さまは皇太子でないために今上陛下の一人娘という重大なお立場にもかかわらず、不十分な警備体制にならざるを得ないという危機的な状況です。
「令和の現状では、『新たな皇太子』がいつ誕生するのか、見通しはまったく立っていない。これはおかしなことではないか。」とまで書いているのに、なぜ続く文章が「これに関して一つ考えてみたいのは、『もしも皇室典範が存在しなかったらどうなっていたか』である。」になるんでしょう。皇室典範が存在していることが問題なのではなく、明治にできた男系男子継承の縛りを改正しない国会議員の怠慢と女性差別意識が問題なのに。
傍系の悠仁さまへの中継ぎに今上陛下の直系である愛子さまを据えればよいという論理展開も毎回謎です。悠仁さまと同世代の愛子さまが中継ぎ即位して何の解決になるんですか。もしも悠仁さまにお子様が生まれなかったら、その時点で皇統断絶です。大体、女性というだけで中継ぎにすればいいという感覚自体が失礼極まりなく、違和感しかありません。
根本的な原因は、現在の皇室典範が男系男子にしか継承権を認めていないために、内親王と女王のご誕生が続いたことで皇位継承者が先細りし続け、ついに次代の皇位継承者がたった一人になってしまったことにあるんです。
「皇太子が必ず天皇に即位するわけではない。その代表は聖徳太子である。」という文章も、その時代にはまだ天皇は終身在位であり、皇太子という位は存在していなかったということが歴史研究では通説になっているので、例になりません。また、これも高森先生が指摘されるように、皇太子とは即位が確定した立場を指し、ゆえに皇嗣と違い皇籍離脱の自由を認められていないのです。
なんだか論破のようになってしまいましたが、島田氏は皇族数の減少しか問題だと認識していないから、何だかいつも奥歯にものが挟まったような、回りくどい論理展開になってしまうように思えてなりません。
ダダ
2025年6月28日
安定的な皇位継承に繋がる皇室典範改正は必要ですが、島田氏の皇室会議依存案(親王や内親王の結婚など、どうなるかわからない。どういった事態が起こっても、柔軟な対応できるよう、皇室典範では何も規定しないのである。)には賛同できません。
皇子とは天皇の男性の子どものこと、と思い込んでるのも残念です。
根に男尊女卑、女性蔑視があるのかも知れません。
nonameyet
2025年6月28日
いやー、久し振りに有識者の意見に心から頷きました。もう何年も無かったかも知れないな、こんな事(笑)
皇太子の定義は正にその通りですね。これは私も認識が甘かった。早速推敲しよう・・・・・・・(こういう指摘が出来るのが本当の専門家ですよ、分かりますか、竹田さん?)
そして、上皇陛下が譲位しなかったら。平成37年の現在、皇太子殿下(今上陛下)は65歳。
よろしいか?
光仁天皇をも超える、史上最高齢の即位となってしまっていた事が確実です。ここから天皇としての務めを果たさなければならないなど、いくら何でも辛すぎる。それを考えれば、上皇陛下のご決断は真に正しかった。
もしこの決断が無かったら、今頃どうなっていたことか・・・・
この記事、重要な指摘を幾つか含んでいるのでアーカイブして何時でも参照出来るようにした方が良いと思います。