『皇室典範問題とは何か』井上亮氏著 【愛子さまトーク・S博士さんコメントより】「ゆるがせにしてはならない」の呪縛を克服しないと今後再改正が実現したとしても女性・女系天皇の容認は愛子内親王・悠仁親王の次の世代からとされる可能性が高い

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『皇室典範問題とは何か』井上亮氏著を取り上げた愛子さまトークコメント欄に、宮内庁の内部に詳しいS博士さんより、書評をいただきました。

princess AIKO TALK(第1153回)皇室典範問題とは何か

井上亮氏の新著を読了いたしました。

書評を書きたくなる本というのは、その内容に異論・反論が多いからそう思うものなのですが、本書は自分にとっては書評する必要をほとんど感じませんでした。この四半世紀の皇室典範改正問題に関して、客観的かつ簡潔(全71頁)にまとめた教科書のような本です。その上で2点だけ指摘させていただきます。

1.「男子が皇統を継ぐべきという考えと男系観念は別です。」(第1章、12頁)という一節は、これまで混同されて来た両者を峻別する極めて重要な指摘です。これは前編修課長も私に言っていたことで、「先に言われちゃった」感がありますが、井上氏はこのことを資料を並べて論証しているわけではないので、いずれこの井上氏の見通しの論証がなされるでしょう。

2.「このとき(令和の有識者会議が設置された2021年3月…筆者註)愛子内親王は一九歳、悠仁親王は一四歳になっていました。もう自身の立場を自覚しており、彼らの年代から皇位継承制度を変えることは人生進路の激変となるため、人権上難しくなっていました。制度改正は愛子内親王、悠仁親王の次の世代以降とすることが望ましくなりました。」(第5章、57頁)

本書で唯一疑問に感じたのがここです。井上氏ほどの慧眼の士でも「ゆるがせにしてはならない」の呪縛に捕らわれていることに暗然たる思いがしました。読売新聞を始めとする改正皇室典範に極めて批判的なマスコミも、悠仁親王までの皇位継承順は変えないということを前提にしており、この「ゆるがせにしてはならない」の呪縛を克服しないと、今後再改正が実現したとしても、女性・女系天皇の容認は愛子内親王・悠仁親王の次の世代からとされる可能性が高いと思われます。

『皇室典範問題とは何か』、ようやく注文していた紙本が届きましたが
またも「ゆるがせにしてはならない」論とのこと。

国会にも識者にも蔓延る「ゆるがせにしてはならない」論とは、
映画「ファーストボイス」でも描かれた男尊女卑に根差しており、
愛子天皇の実現によって、日本の発展を最も阻んでいる要因を
ようやく断ち切れるということも、さらに腑に落ちてきました。

井上亮氏の著書、フックをかけながら、心して読みたいと思います。

S博士さん、今回もご教示ありがとうございました。

「愛子天皇への道」サイト運営メンバー まいこ

4 件のコメント

    基礎医学研究者

    2026年10月13日

    自分は、このブログ、およびみなさんのコメントとは少し印象が異なります。井上亮さんが「ゆるがせ論」的な言及をしたからと言って、この本の価値が貶められたとは思えません。トータルでみると、皇位継承を取材し見続けたジャーナリストとして、皇位継承問題をその経緯も含めてどうとらえるのかが、非常にフラットな立場で書かれているところが、大きな特徴と見ます。井上さんの主張ははっきりしていて、皇室を存続するのならば、こういういびつな制度を是正せよ、かと。そして、将棋の駒を動かすような議論を男系はするのは止め、もう少し現実を見なさい、と。この制度のままで、悠仁さまと結婚する女性がほんまにあらわれますか?と。女性皇族と結婚しようと思う男性(およびその子供)に不自由を与えませんか?と。
    方向が、どう見ても国民が望んでいる「皇室の存続」に向かっていない。

    むしろ、本書にも書かれているように、この「ゆるがせ論」は令和の有識者会議で突如生み出されたマジックワードであり、今後これに振り返ることは重要でしょう。井上さんは、そういう問題提起もされていると、自分は感じます。

    SSKA

    2026年10月11日

    同様の議論に接して毎回思うのは、法治主義は本来法律が(社会や個人等の)実体に合わせて変わるべきなのに、実体が法文に合わせるなんて考えは本末転倒と言う事です。
    ゆるがせ論者は例外無く、その基本的な認識について全く理解していません。
    法文が変わらず、仕方が無いから当事者の方々もそれに合わせて生きろなんて押し付けは改正を怠けた言い訳であると同時に尊厳を無視した大変な傲慢でしょうに、誰も気付いていないのが特に致命的だと思います。

    ダダ

    2026年10月11日

    井上氏の著書「宮内庁長官 象徴天皇の盾として」から、以下の流れを確認できます。
    (以下表記は前著から引用)

    ・平成14年:明仁天皇は雅子妃に「次は男の子をお願いします」
    ・平成15年6月:湯浅長官、記者会見で皇太子夫妻(今上天皇、雅子さま)に「ぜひともお二人目を」
    ・平成15年12月:湯浅長官、記者会見で秋篠宮夫妻に「三人目を強く希望したい」
    ・平成16年5月:徳仁皇太子殿下が記者会見で「雅子のキャリアや、そのことに基いた雅子の人格を否定するような動きがあった」と発言。
    ・平成17年12月:有識者会議報告書:女性・女系天皇、女性宮家創設を認める。
    ・平成18年9月:悠仁親王殿下、生まれる。安倍内閣、有識者会議報告書と皇位継承問題の議論を棚上げ。

    ***
    上皇陛下は男系男子を望んでいたようですが、奥野修司氏の著書「天皇の憂鬱」に、上皇陛下が「ゆくゆくは愛子に天皇になってほしい」とあることから、皇太子殿下の人格否定発言とそれ以後の対応から、男系男子固執を捨てたのだと思います。
    (象徴天皇のアップデート)

    井上氏が皇室の願い(愛子天皇)を把握せず「悠仁さままではゆるがせにしてはいけない」に囚われているのが残念です。
    「秋篠宮」の江森敬冶氏のように、自分の取材対象しか見ていなくて、皇室全体への敬意がないのでしょうか。
    (奥野氏の取材結果「ゆくゆくは愛子に天皇になってほしい」を軽んじているのは何故でしょうか。)

    ただし

    2026年10月11日

    暗澹たる気持ちに一瞬なりましたが、目標がよりハッキリと見えてスッキリしました。

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