今日(2月3日)は、節分です。節分の日といえば、スーパーに行っても、テレビをつけても、恵方巻きですね。もはや、恵方巻きが節分の伝統のように定着しています。
しかし、私の人生で恵方巻きが突如として現れたのは、2002年頃。つい20年前です。それまでは、節分といえば豆まき。恵方巻きのことは、全く知りませんでした。
元々大阪あたりでの地域的な風習であったのを、コンビニが目をつけて全国的にキャンペーンを張り、2000年代半ばには行事として定着したそうです。
その結果、過剰な恵方巻きの生産と廃棄が社会問題にもなりました。
私は、このことから、私企業の広告活動によって、伝統が作られたと感じました。
これを、今の皇室にも当てはめることができると思います。
元々女性天皇が過去に存在し、母から娘への女系継承も行われた歴史もあるのに、保守勢力は男系男子継承という、明治に作られた規範を古来からの伝統にしてしまっています。
しかも、平成初期の頃には保守勢力の中でも男系男子への拘りは今ほどでもなく、事実小泉政権時の有識者会議で、男女問わず長子の継承の方針が定まっていましたが、ここから、男系男子が皇室の伝統だとする意見が強まったように感じます。
伝統は、人為的に作られていくもの。
完全に定着した恵方巻きの行事のように、男系男子継承もまた、本当は伝統でもないのに、まるで古来からの伝統であるかのように宣伝している。
私達は、身近な事例を通して、伝統とはなにか、それは伝統ではなく因習ではないかと考えなければならないと思います。
文責 福岡県・ぷにゅっくす(32歳)
5 件のコメント
ダダ
2022年2月10日
皇室においては、昭和天皇が始めた稲作が新しい伝統ですよね。
その一方で、昭和天皇は側室を廃止しています。
その理由を前者は農耕民族(日本人)の文化として、後者は近代化に合わせてと推察するのですが、皇室の伝統の捉え方は大変勉強になります。
ただし
2022年2月10日
面白い、そして、言い得て妙なお話しでした。
どうも、ありがとうございました♪
恵方巻の伝統は、確実に作られましたことを、51歳の私は知っております。
似ているパターン、有りますよね。
『あわてんぼうのサンタクロース』という歌、今ではクリスマスの定番ソングみたいですが、あれ、昔は無かったです。
カラオケの時など、そこをツッコむ人がたまにいるんだけど、他の皆はなんとなく有耶無耶にする感じで答えない、とか。
小学校の運動会の時の応援歌って、定番のものが1つ2つありますよね。
私が小六の頃、同級生に天才君が居て、みんなから一目も二目も置かれていました。運動会の時に、彼が、祖父母世代が子供の頃に歌っていた物を皆に紹介したら、誰も知らなく、しかも大ウケで、その歌を応援歌に加えることにしたんです。
3年くらい前に、運動会をやっている小学校の脇を偶然通りかかると、その応援歌が当たり前のように子供たちに歌われていて非常に驚きました。
今では当たり前のように聞く、中韓を嫌う言葉。私が二十代の自虐史観全盛の頃は、聞いたことがありませんでした。
私が、小林よしのり先生の「戦争論」に出会った三十代半ばの頃にも、まだ田舎の方では聞かれなかったと思います。それがジワジワ聞かれてくるようになって、今では当たり前のように、まるで自分の考えのように言う人が、昔は、そのようなことは絶対に言わなかったことを知っています。
長くなり過ぎてしまいました。
Γ○ペコッ
urikani
2022年2月9日
恵方巻き、いつの間にか定着してましたね💦
男系男子継承も伝統ではないのに、無理やり伝統ということにしていますね。
害悪しかないこの因習を早くやめてしまわないと、皇室を失うことになるのに…男系派って本当に変な人たちだな(´・ω・`)
バカボンの孫
2022年2月9日
目からウロコの視点ですね。
わたしの地方は関西で、逆に恵方巻は全国的でなかったことが意外でした。
2002年ごろに知れ渡ったということも初めて知りました。
コンビニがキャンペーンを張ったということに至っては、
まったく知りませんでした。
恵方巻きが広まったのは、とある漫画がきっかけだという説もあるようですが(小林よしのり先生の漫画ではないよ)、とにかくもぷにゅっくすさんのおっしゃるように、伝統でないものをあたかも伝統であるかのように喧伝するのは、男系男子継承も一緒だと思います。
伝統と因習は明確に区別して考えなければいけないと、このブログを読んで改めて考えさせられました。
基礎医学研究者
2022年2月9日
興味深く読ませていただきました。なるほど。確かに、恵方巻については、ある時から、突如出てきた感じがございますね(2002年頃というのは、初めてしりました。ちなみに私は、2004年から声優が入れ替わった「ドラえもん」のエピソードからです(^_^)。で、似たようなところで1つ思いましたのは、10月31日の”ハロウィンの日”は完全にイベントとして定着してしまったように思えますが(少なくとも若者の間では)、これはそもそもキリスト教国家の祭りなのになぜ?という不思議さがありました(たぶん、ぷにゅっくすさんの例と較べるとレベルが違いますが、まあこの習慣も造られた感があるかと)。閑話休題
で、確かに、今回のブログで示唆的だったのは、やはり”硬直化せずに、正しく識ろうとすること”という、柔軟な姿勢が必要であるのだと、思った次第です(特に、「皇統問題」においては)。