続.天皇制は必要か?(共和制という考え方は、日本人の肌に合うのか?)~前半~

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4月13日、私は以下のようなブログを掲載させていただきました。

天皇制は必要か?(あえて「皇室終了派」の思考パターンを考える)

“愛子さまを皇太子に!”
これが、日本の本来の歴史・伝統に沿った形の道であることを、私は確信しております。しかしながら、その道はなぜか険しくなっております。

そうであるからこそ、「皇室終了派」の思考パターンを考えそれに反証することにより、なぜ日本に“天皇制が必要か?”ということを示してみたかった訳であります。

今回は、前回取り上げた1および2,すなわち、
“共和制という考え方は、日本人の肌に合うのか?”
という点について、述べさせていただきます。

さて私見では、日本においてなぜか潜在的に共和制を志向する勢力が一定数存在します。彼らは、一言でいうと「自分達こそがこの国を変える」と主張し、国民による直接選挙により代表者(元首)を選ぶという考えが見え隠れします。

また、直接選挙という言い方はしませんが、選挙で選ばれた議会より国家元首を選ぶという象徴大統領制にシンパシーを感じている人は結構いるのではないでしょうか。

彼らのイメージはおそらく、
「現在の政体-天皇制=共和制」
という捉え方で、
それが進んだより善い考えであると信じているように思えます。

しかしながら、
本当に日本に共和制を導入する必要などあるのでしょうか?

私の理解では、共和制とは
「君主制と異なり、市民らが合議して非世襲の代表者を選び、統治する政体」
と定義されるのだと思います(日本の場合は、(立憲)君主制であると思います)。

このような考えは古代ギリシャ・ローマの「共和主義」が基になったものだと思います。そのときに1つ前提があって、この場合の「市民」とは強い公共心や徳義を持った人々に相当し、公に奉仕する「レス・プブリカ」の理念を体現していることが要求されます。すなわち、すべての国民が対象とはなっていないのです。

そして、欧州においては、このような古代ギリシャ・ローマにおける「共和主義」の伝統が歴史的に蓄積され、その土台に近代の「民主主義」が載る形の政体となり、このような2重構造の政体が形成されているのだと思います。以下に欧州各国の例を挙げます。

フランスにおいては、
18世紀末のフランス革命により、君主制(王制)を廃止してしまいました。これは私見では最悪な選択だったと思いますが、それでも彼らは「共和主義」の伝統により、自前で成文憲法を制定する形で国難を乗り切りました。その後、君主制と共和制を繰り返しますが、現在、第五共和制(政)により“大統領”という国家元首を直接選挙によって選出する政体を選択しました。

ドイツにおいては、
第一次大戦敗戦後に君主制を廃止し、象徴大統領制の政体を選択しました(大統領は世襲制ではなく、政党のメンバーから選出されます)。しかしながら、大統領の権限を強くしていたことが弊害となり、当時尤も民主的と言われたワイマール憲法を擁していたにもかかわらず、ナチスドイツの台頭を許してしまいました。その反省もあって、第二次世界大戦後、大統領は完全に権力を喪失し、「権威」のみが付与される象徴大統領制となりました。

イタリアにおいては、
君主制で統治されてはいましたが、伝統的に地方分権色が強く(例えば、ミラノやベニスなどの都市は、現在でも中央集権的であります)、そのことがムッソリーニ率いるファシスト党の台頭を許してしまいました。その反省および地方分権的な伝統もあって、第二次世界大戦敗戦後に君主制を廃止し、「権威」のみが付与される象徴大統領制となりました。

さて、ここまで書いてきて思いますのは、
“日本には欧州のような「共和主義」の伝統はないだろう!”
ということであり、そうであるのならば「共和制」のような非世襲的に国家元首を選出するような政体を0から作りあげる必要性を感じない(なじまない)、ということであります。

なお、私見では、古代ギリシャ・ローマの「共和主義」の伝統がある上の国々でさえも、現在君主制が続いている他の欧州の国々と比較すると、君主制を廃止しない方が、実は安定した国家運営ができたのではないか?と思われました。特に、仮に歴史の”if”があってフランスで君主制が廃止されなかったとするのならば、現在のイギリスのような重厚な歴史観に裏打ちされた立憲君主国になっていたのではないかと思われる訳であります。

いかがでございましょうか?

~後半に続く~


文責 大阪府 基礎医学研究者

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2 件のコメント

    基礎医学研究者

    2021年5月11日

    ダダ様
    コメント、ありがとうございました。恐縮でございます。さて、確かにダダ様言われますように、古代ギリシャ・ローマ「レス・プブリカ」を体現する伝統を持つはずの欧州でさえも、ヒトラー以外に独裁者の台頭を何度も許してしまったところを見ると、「共和主義」などどいう概念は、特に現代のような高度大衆社会には成り立たないのかもしれませんね。やはり、大衆から切り離された「権威」というものの存在の方が、安定感があると、自分も思います(日本の場合、それは「天皇制」だと思います)。
    なお、本当に論じたかったことはここからでありまして、掲載予定の”後半”についても見ていただければ、幸いであります。

    ダダ

    2021年5月10日

    カエサルやナポレオンのクーデターが成功したのを見ると、大衆の熱狂に抗う術がないという点で、共和制も脆いと感じます。
    天皇(立憲君主)は独裁者の誕生を抑制できますし、天皇の権威には正当性がありますよね
    天皇制の維持がベストです!

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