今上陛下のライフワーク「水問題」についての一考察(下)

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 (今上陛下のライフワーク「水問題」についての一考察(上)はこちらから→https://aiko-sama.com/archives/10259)

 植物生態学者の宮脇昭氏は日本ばかりでなく世界中の潜在自然植生を調べ上げ、令和3年7月に亡くなるまで世界中で植林指導しながら約1700ヶ所に4000万本以上の木を植えたそうです。今は砂漠化してしまっている土地にも元々の自然植生はあり、その中には水を貯めにくい樹種が自然植生だという土地(オーストラリア:ユーカリ)もありますが、世界中の土地に自然植生の森を復活させれば、やがて人里と水場との距離を縮めていくことも可能だろうと私には思われるのです。それは、今上陛下がライフワークとされてきた水問題解決への一里塚となるかもしれないのです。紛争・貧困・差別に直結する水問題は最も解決が急がれる国際問題の一つです。ゆえに、 各国の水道事業がヴェオリア(仏)やベクテル(米)といったグローバル水メジャーに売り渡されることは陛下の願いとは逆行すると私には感じられます。

 さて、皇族方行幸啓には「全国植樹祭」と「全国豊かな海づくり大会」が含まれていますが、皇族方がそれらに臨席された際には様々な樹種の木の苗をお手植えされます。その木々はスギやヒノキといった人工林の樹種ばかりでなく、観賞用のサクラ・カエデ、自然植生のブナ・ナラ・カシ・シイ…と多岐にわたっています。前述の宮脇昭氏や松永勝彦氏の論考によれば、葉を落とす広葉樹の森は良い土壌をつくって水を貯め、実を為して鳥や獣を多く集め、それらの糞や遺骸を土壌の菌類が分解し、出来た有機物と溶けだしたミネラルが山から海までの生態系を豊かにするようです。こうした豊かな自然の恵み(豊作・豊漁)に感謝する心こそが神道の核にある ものだと私は思います。なお『日本書紀』には五十猛素戔嗚の息子)が大八洲(日本全土)に植樹する話も出てきます。

 以上、今上陛下のライフワークである「水問題」の考え得る解決策や、上皇ご夫妻の「御進講」時の関心事、そして皇族方が「植樹祭」「豊な海づくり大会」に臨席されてきた御心をつなぐ「何か」を、植物生態学者・宮脇昭氏の学説を取っ掛かりとして愚考してみました。今上陛下の関心事は水問題ですが、皇太子となられるべき愛子様にもご自身の関心事に沿って生き生きと活動していただきたく思います。そして愛子天皇の時代には、きっと新たな天皇像を見せてくださるに違いなく、それは国内の公は勿論のこと世界大の公にも適っているに違いありません。そんな時代が早く訪れることを私は願ってやみません。

 さて、最後に当サイトで長く使われてきた「愛子様を皇太子に!」に続く標語を愚考してみました。

 「愛子天皇を戴くために!」です。いかがでしょうか?   

(メールより)文責:京都のS

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6 件のコメント

    京都のS

    2022年2月25日

     タオ〇様、素晴らしいエピソードの紹介をありがとうございました。

    タオ○

    2022年2月24日

    「森は海の恋人」運動をされてる畠山重篤さんがおっしゃってましたが、
    「森は海の恋人」を英訳する時に、外国人にもわかりやすいピッタリな英訳がなかなか見つからず悩んでいたところ、美智子上皇后陛下(当時は皇后陛下)から、

    「The forest is longing for the sea, the sea is longing for the forest」

    としてはどうですか?とアドバイスを頂き、それに決定したそうです。

    なので、豊かな海づくり大会が、海なし県でも開催されるのは当然のことです。

    平安京の歌詠みS

    2022年2月24日

     「愛子の海の診療所」から拝察すらなら、愛子様のライフワークは生き物でしょうかね。以下の歌を再掲します。
     
    ・辺に集う 鳥獣らを看護りし 白衣の君は あさひ背に立つ

    呪術高専京都校のS

    2022年2月24日

     自然植生の森を破壊しないことこそが自然界の動的平衡を保つ上で最も大事なことだと私は考えています。有機野菜の栽培は農地の動的平衡も人体内の動的平衡も保ってくれます。
     また地球の動的平衡にCO2など無関係だろうと思う次第です。気になるなら木を植えて光合成させときゃイイのです。逆に、山肌に太陽光パネルを並べれば土砂災害を激化させることになり、耐用年数を超えたパネルは環境を破壊する立派な廃棄物(特級呪物なみ)です。それに化石燃料を忌避すれば原発再稼働に口実を与えてしまいます。
     そして、皇位継承の日本的な自然状態は双系システムだろうと考えています。

    ダダ

    2022年2月24日

    1本の樹から良好な自然サイクルが生まれる。なんとも素敵です。
    この自然の恩恵に感謝できるのが日本人ですし、教義を持たない神道とも相性はいいですよね。
    上皇上皇后陛下がご進講を延長されたのも肯けます。

    愛子さまのライクワークは何でしょうね。
    やっぱり、いきものかな~と想像しますが、楽しみです。

    基礎医学研究者

    2022年2月23日

    今回も大変勉強になりました。自分は充分理解していませんが、マクロからミクロのレベルまで、動物、植物、さらに細胞のレベルまでに還元しても、「平衡状態」を維持するのはやはり重要なのだろう、というのが、率直な感想です。あと、国家の安全保障のレベルからも、水道事業のようないわゆる経済学でいうところの「生産要素」にあたるものを、外国の企業に委ねるのは、アブナイですね。京都のSさんの論考を読んで、そのように思いました。

    最後に、「愛子様を皇太子に!」に続く標語→「愛子天皇を戴くために!」。一票入れたいと思う次第です(m_ _m).

    PS・・・この論考の前半の自分やダダさんへの返信。娘に聞いて分かったのですが、かなり「鬼滅の刃」テイストが入っておりますね(いや、恐れ入りました(m_ _m).

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