3/13(日)のゴー宣道場に登壇される石破茂氏の半生を紹介するシリーズ(全5回)、今回はついに最終回、石破氏の政治家としての姿勢を紹介します。
父の死を転機として政治家の道を歩むことになった石破氏。最年少の衆議院議員として国政の場に登場します。
(第4回はコチラ https://aiko-sama.com/archives/10359 )
■政治家として
2度目の当選を果たした後の平成2年(1990)、湾岸危機が勃発したときのことです。
その日は朝から大騒ぎで急遽、自民党政務調査会の全体会議が開かれることになり、200人ほどの議員が大会議室に召集され、石破氏も参加しました。「日本はどうすべきか議論しよう」という会議でしたが、石破氏はそこで大きなショックを受けることになります。
外務省からも、防衛庁からも、国会議員の中からも、なに一つ意見が出てこず、PKOという言葉の意味をきちんと理解している人もほとんどいないという有様でした。
前例のないことに対して官僚は無力という事実に初めて直面し愕然とした石破氏はこう考えました。
「時代が大きく変わろうとしている。これから先は前例主義の官僚頼みでは、どうにもならない場面がいっぱい出てくるだろう。だとすれば、政治家が真実を見つめ、どう対処していくべきかを語らなければいけない」
その後の石破氏は、宮澤内閣のいわゆる「嘘つき解散」で筋を通した行動をし自民党を離党、参加した新党の政策の矛盾に失望して自民党復党、党役職や大臣の歴任、総裁選立候補など政治家として信念を持った行動をしてきたことが有権者に評価され、現在12期30年以上も衆議院議員を務めています。
■皇統問題に対しての発信
石破氏は、自民党の中にあって安倍首相の方針に対し黙る議員が多い中、要所要所で皇統問題について発信をしてきました。その一部を紹介します。
それ(引用者註:安定的な皇位継承)は国会議員の責任なんです。だから私は選挙区に行くたびに、自分の支持者にこの話をします。マスコミは取り上げてくれないし、この問題で票が取れるとも思えませんよ。「おまえは天皇の問題を政局に利用するのか」「これで安倍政権に反旗を翻すつもりだろう」とも言われます。そういう問題では全くないんですがね(笑)。私は、皇室が終わるときは、日本が終わるときだと思っています。目の前の政局なんぞにとらわれている場合ではありません。
(SAPIO 2017年4月号)
皇室が途絶えることは国の本質が変わることだ。女系だからダメだという議論には賛同していない。男系、女系ということだけで(皇位継承を)決めることなのか。お生まれになったときから、天皇として国民統合としての務めを果たすため、常人の及ばざる努力をしてこられた方がふさわしい。
(産経新聞 2019年12月26日)
女性天皇や女系天皇について、「議論はかえって継承を不安定化させる」ので「機が熟するのを待つ」として、問題を完全に先送りしてしまったのは、とても残念なことでした。天皇陛下のお立場が日本国憲法により「国民の総意に基づく」となっている以上、法律の一つである皇室典範の改正を含む議論は、政治の側が国民世論に向けて喚起する以外にありません。ただ待ってさえいれば「機が熟する」などということはあり得ないと私は考えますし、残された時間はそんなに多くはないという焦燥感に駆られます。
(石破茂ブログ 2022年1月14日)
■編集後記
石破茂氏の半生を5回にわたって紹介させていただきました。
ともすれば違う世界にいる人、ととらえがちですが、石破氏も私たちと同じように悩み、努力し、喜び、怒り、人生を歩んできたのだと感じました。
国会議員としての石破茂氏の特徴はいろいろ挙げられると思います。
豊富な知識、明晰な頭脳、数々の政局をくぐり抜けてきた経験…など。
しかし、石破茂氏最大の特徴は、人の話を聞き、深く思考し行動できることにあるのではないかと、私は思います。
同じ時代を生きている人間として、石破茂氏の話をじっくり聞き、意見をぶつけてみたい、そう強く思いました。
【参考文献】
『石破茂の「頭の中」』鈴木哲夫 著
石破茂オフィシャルブログ
文責:千葉県 まー
11 件のコメント
ただし
2022年3月1日
「石破茂列伝」、石破茂氏の人柄が伝わって来るようで、とても楽しく読ませて頂きました。
お父様とお母様のお話しからは、やはり、育てられる環境は大切なんだなあと感じました。
ma-
2022年2月27日
さらにコメントいただきありがとうございます!
たこちゃんさん
ありがとうございます!可能な方はぜひ現地で石破茂氏を感じてほしいですね。
バカボンの孫さん
ゴー宣道場の場で石破氏が何を語るか、非常に楽しみですね!
jackerさん
私も今回、色々なことが知れて楽しかったです!
基礎医学研究者さん
テレビという枠に収まらない国会議員なのかもしれないですね。
国民の側も、真意を探ろうとする努力は必要だと思います。
ダダさん
動画のご紹介ありがとうございます。
とても面白い回でしたね!
ダダ
2022年2月27日
5回の連載ありがとうございました
石破議員は政治家と国民にも厳しい(真摯)ですよね。
このクソ素晴らしき世界#32
https://www.youtube.com/watch?v=eGIvls6rGTc
・民主主義、国民主権をなめるんじゃない。
・主権者(有権者)は、この国がどうなるのか責任を考えて欲しい。
・選挙を義務化にすると政治家が国民を恐れるようになる。心構えが変わる。
票田を守るだけなら、ここまでの発言は出来ません。
3/13のゴー宣道場が楽しみですし、皇位の安定継承に向けて前進したいです!
基礎医学研究者
2022年2月27日
最終回、大変興味深く読ませていただきました。石破議員が、湾岸戦争のおける国の対応に政治家として大きなショックを受けた、というのは、自分も共感できます(自分も、当時日本の対応に愕然とした強烈な記憶があるので)。石破議員は当時から、「朝まで生テレビ」などの討論番組で、視聴者に対して結構自分の言葉で語ろうとしているのは、伝わってきました。これを書いていて思い出したのは、一般参加の質問者(たぶん大学生くらい)が平和主義的なことを言ってきたときに、「では、君はその平和を創るために、何をするんだ!!」と答えられたのは、なかなか迫力を感じたものです。たた、その後の石破議員の行動については誤解していたところもあって、自民党が一回下野したときに党を出て、また復党したときには、オポチュニストの印象がありました(でも、そういう単純なものでないことは、今回の一連の論考で正せてよかったと思います)。
そして、「皇統問題」に関する石破議員の最後のコメントは、国民としてとても勇気づけられました。「熱量」を政治家に送った後、政治家はどうふるまうことが「皇統問題」を前進させるかを語ってくれているので、”我が意を得たり”と思った次第です。
ともあれ、党派を超えてこのような尊王議員の存在は貴重だと思います。そして、「皇室典範」が改正され、愛子さまを皇太子に!
jacker
2022年2月26日
まー様
石破伝、ありがとうございました。
5回とも、まー様の熱意が伝わってまいりまして私自身も多くのことを知ることが出来ました。
3月のゴー宣道場が楽しみです。
バカボンの孫
2022年2月26日
『石破茂列伝』5回分全部読みました。
石破茂は本物の”国士”だと思います。
皇統のこと、皇位継承のこと、国防のこと、
どれもみな国会議員として、政治家という責任ある立場で正面から真剣に思考していると思われます。
石破氏の学生時代から銀行員時代のエピソードもほっこりしていて共感が持てました。これらのエピソードは紹介されるまで全く知りませんでしたから、次に石破氏を報道等で見るとき(またはゴー宣道場でみるとき)今までとは違った石破さんを見られるという期待で今からワクワクします。
たこちゃん
2022年2月26日
まーさん
連載お疲れ様でした。
石破議員の人となりがよく分かった、よい連載でした。
来月の道場、さらに楽しみになりました。
ma-
2022年2月26日
コメントありがとうございます。
チコリさん
ぜひ、石破氏の目の前の席で、お母様と共に応援してください!
urikaniさん
国民の熱を石破氏に直接伝えたいですね!
青ネギさん
まずは、皇統問題に真剣な国民の姿を見せることですね!
青ネギ
2022年2月26日
最近の政界は、「政治屋」ばかりが跳梁跋扈していて辟易しているのですが、石破先生は本物の『政治家』だと思っております。
「票にはならないけれども大事な事」にも真剣に取り組む『政治家』を、有権者の側もしっかりと支援・応援する事も重要であると思います。
urikani
2022年2月26日
石破茂列伝の連載、ありがとうございました!
石破さんは、「政治屋」ばかりの国会議員の中で、数少ない本物の政治家のおひとりと確信しました。
皇室への自然な敬愛と尊敬の念とを持たれていて、国家観もしっかり持っている事、国会議員として信頼出来ます。
(本来国会議員なら当たり前に持っていて欲しいですが´д`;)
奥さまとのエピソードや、職場でのエピソードを知り、一層好感を持ちました。
本当にチャーミングなお人柄ですね♡
3月13日が楽しみです♪
チコリ
2022年2月26日
石破氏の皇統問題に対する発信は、全然知りませんでした。
「皇室が終わる時は日本が終わる時」と私も思います。
発信しても、「マスコミが取り上げてくれない」!!!
今のマスコミは害悪以外の何者でもありませんね。
正しい情報を知りたければ、自分で探しに行かないと見つけられない時代になりました。
そもそも国民が皇室に関心が低いから、政治家も票にならないからと発信しない構図がある。
国民が問題なんだ、と実感する。国の復興も亡国も。
石破議員を応援します。