愛子さまと「立太子の礼」について(その7:明仁親王の立太子の礼「記念切手」(2)、そして「立太子の礼」への願い)

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前回、昭仁親王の立太子の礼「記念切手」に際して意味深なことを書いてしまいましたが、実際には、発行元に郵政省による以下の要望は、満たされなかったようです。

1.実は図案として“麒麟”が取り上げられたのは、郵政省が当初、壺切御剣を題材として予定していた事と、大きく関係します。しかしながら、裕仁親王の「立太子の礼記念切手」に続き、残念ながら今回も宮内庁の反対にあい、壺切御剣自体の図案への使用は、許可されませんでした。ただ、今回は郵政省も執念を発揮し、文献調査により剣に麒麟の絵が描かれていることを発見し、その絵は正倉院御物、および高御座(天皇の玉座のこと)と同じ形状であることを確認しました(そのことを、当時の郵政省は切手の図の説明として、強調したらしい)。

2.図案には、当初、未成年皇族男子の持ち物である“檜扇(ひおうぎ)”が検討されていたらしい。しかし、これも最終的には宮内庁の反対にあい、使用許可が下りませんでした(しかし、檜扇の図は、後の1959年の皇太子ご成婚の「記念切手」として採用され、悲願は達成されたようです)。

3.今回は、特に“皇太子”の肖像を切手に取り上げようとしました。しかしながら、これについても宮内庁の根強い反対があり、結局実現しませんでした(しかし、「皇族」の肖像画は、後の1959年の“皇太子ご成婚”の記念切手として採用され、悲願は達成されました)。

こうして書いていますと、私見では、立太子の礼に対する当時の国民の関心は高い一方で、宮内庁には、皇室を開かれたものにしたくないという「因習」といわれても仕方ない態度があるように、私見では思います。ただこれもバランスの問題で、当時の美智子さま、雅子さま、そして眞子さまのご結婚騒動などの事を考えますと、そこまで予見していたのかどうかはわかりませんが、もしかすると宮内庁の警戒感にも、一理あったのかもしれません。

ともあれ、今回「立太子の礼」における記念切手を取り上げて感じた“素朴な願い”といいますのは、やはり、愛子さまに「立太子の礼」を迎えられる日が来てほしい、そして黄丹袍をまとった愛子さまを見たい!ということであります(ある意味、切手で取り上げられた時期を生きていた国民を羨ましく思います)。

そして、状況は多少異なりますが、現在の日本は「コロナ禍」で元気がなく、また「皇位の安定継承問題」に心悩ませている方々も多い状況にあります。それゆえ、もしも「立太子の礼」を迎えられた愛子さまの肖像画が描かれた「記念切手」が発行される日が来るようなことがあれば、上記のような悩みも、吹っ飛んでしまうのではないでしょうか?

そのためにも「皇室典範」が改正され、“愛子さまを皇太子に!”

参考文献

皇室事典編集委員会 (編集, 著) 2019『皇室事典 文化と生活』 (角川ソフィア文庫) 文庫 角川書店

内藤 陽介 2005 『皇室切手』平凡社

文責: 大阪府 基礎医学研究者 52歳(男性)

5 件のコメント

    基礎医学研究者

    2022年4月7日

    ただしさん

    すべて読了いただき、ありがとうございました。今回は、トリビアのつもりで書こうと思って始めたのが本当のところなのですが、これを選んだこと自体がやはり愛子さまの立太子に関する関心からきているので、自分がよくわかっていないことを一回整理しようということも加わり、結果的に連載物になってしまいました。ただ、そうなのです。結局のところ、愛子さまの「立太子の礼」を見たい。そして、その記念切手が発行されるならば、確実に国民の関心を呼び、暗雲を振り払ってくれる!と、改めて思うのです。

    ですので、私も最後に一言。愛子さまを皇太子に!

    ただし

    2022年4月5日

     そうですね! その結論に至りますよね、やはり!
    (^o^)

     郵政省と宮内庁のことに関しては、やはり、バランスなのでしょうね。

     愛子さま立太子の礼が行なわれ、記念切手が発行され、さまざまな行事やイベントなどが行われたなら……う〜、ワクワクが止まりませんね!
    \(^o^)/

     全7篇、とても興味深く、かつ楽しく読ませて頂きました。皇室への知識も、深まりました。
     どうも、ありがとうございました。
    m(_ _)m

    基礎医学研究者

    2022年3月29日

    ダダさん
    コメント、ありがとうございました。自分も今回、立太子の礼「記念切手」に関するブログをまとめていて、やはり国民との距離感は考えた方がよいのでは?と思います。確かに、郵政省(現在は、「日本郵便㈱」)は基本切手を打って利益を上げたいのだと思いますが、宮内庁が心配しているほど、伝統が壊れるような変な記念切手が発行されるとは考えられず、むしろ正面から壺切御剣や愛子さまの肖像画を載せた記念切手が発行されることが、「皇室の存在」をより際立たせることに、つながるのではないかと思います(「愛子さま」の記者会見で、ここまで国民が盛り上がったわけですし)。
     そして、改めまして、黄丹袍をまとった愛子さまを見たい!と、心から思う次第です。

    チコリさん
    最終回へのコメント、ありがとうございました。この時は郵政省も結構がんばりました。そして、ここには書きませんでしたが、実は「明仁皇太子ご成婚」の記念切手の際には、郵政省は宮内庁のさらに上をいく戦略を発揮しまして(議会をうごかいまして)、初めて肖像画を切手にすることに、成功しました(この記念切手は、かなりの関心を呼び、売れたとのことです)。そして、その後、肖像画を使うハードルが低くなった印象を受けました。やはり、勝負すべき時はあるもので、それが将来への禍根を残さない道なのだということを、この事例が示していると、私見では思います。

    チコリ

    2022年3月25日

    「今回は郵政省も執念を発揮し」に反応し、よっしゃ!と快感でございました!「執念を発揮」いい言葉だなあ、うっとり。

    ダダ

    2022年3月25日

    切手の麒麟は壺切御剣に由来していたのですね!納得です。
    (ここの郵政省の調査力=執念は良いですね^^)

    宮内庁の態度も分かりますが、国民との距離が離れては本末転倒ですし。。
    (でも肖像画の切手を使うのは、勿体ないとか畏れ多いとかで躊躇しそうです(;^_^A))

    愛子さまの成年会見で、国民との距離はグッと近付きましたよね。
    愛子さまを皇太子に!

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