田原総一朗氏が憲法論議の際に必ず言うセリフがあります。「日本人は自分で服を仕立てるのは下手だけど、仕立てられた服に自分の体を合わせるのは上手い」です。つまり「改憲するな、日本国憲法の運用を工夫し続けろ」と言いたいわけです。所与の条件に過剰適応しようとする日本人の性質は、米定・日本国憲法(特に9条)に限らず、FTAやEPA(外圧に負けて締結・外資に有利な貿易と投資のルール)、財政法4条(占領下に成立・国債発行禁止で国ごと貧困化)、皇統の男系主義(明治典範の遺制・皇統断絶の危機を招来)、さらにはコロナ自粛(マスコミが世論を誤導・経済が窒息死寸前)や先の大戦(マスコミが世論を誤導・多大な犠牲を出して敗戦)にも影響していると思われます。このようになる原因は前例踏襲志向(続いてきた制度や前任者の決定を覆して事態が悪化した場合に責任を問われたくない)にあると私は感じており、保守ブームで知られるようになった「時効」(Eバーク)もコレを補強しています。現状のままでは国家も個人も命運が尽きると判っても流れを止められないという日本人の「負の国民性」を克服しなければ同じ悲劇を何度も何度も繰り返し、同様に反動的な逆方向の流れ(敗戦→対米従属・自虐史観、バブル崩壊→グローバル化…)も止められない気がします。
この問題を『老人支配国家・日本の危機』を著したエマニュエル・トッド氏に問えば、日本人の家族形態である「直系主義」から語ってくれるはずです。直系(男系)主義を成り立たせているのは権威主義(親・夫・上司に服従)であり、これが前例踏襲志向の源泉だと思われます。直系主義が定着したのは朱子学が官学となった江戸期ですが、その暗黒面(前例踏襲志向)を改めるには、それ以前に存在した双系システムを復活させるしかないと思われ、この変化を起こすには「愛子天皇誕生」というインパクト(男系→双系)が必要だろうと私は考えます。
そして、前例踏襲志向や反動的逆流という「負の国民性」を克服する鍵は、母系(~縄文期)・双系(縄文後期~中世)・父系(近世~)といった多様な家族システムを経験してきた日本国民の歴史を踏まえ、それを人生あるいは国家運営における綱渡りに用いる「伝統という名の平衡棒」に組み込むことだと私は考えます。そのためには各陣営が互いにATフィールドを展開している場合ではありません。
愛子天皇を戴くために!
文責:京都のS
19 件のコメント
ただし
2022年5月11日
読ませて頂きました。
とても分かりやすく、かつ腑に落ちました。
負の国民性である「前例踏襲主義」を、歴史を学ぶことにより克服し、これから未来へと進むための確かな平行棒を出来るだけ多くの国民が共有する。
そのきっかけとなるのは、まさしく
『愛子天皇誕生』
以外に有りませんね☆☆☆彡
頭の中がスッキリ致しました。
どうも、ありがとうございました。
運命を仕組まれたS
2022年4月24日
基礎医様、ありがとうございます。状況への過剰適応は、日本人の場合は世間の同調圧力なしには起こり得ないと思われます。戦中のイケイケどんどんも敗戦後の反戦平和&自虐史観も、バブル期のジャパン・アズ・ナンバーワンもバブル崩壊後のグローバル化に向けた構造改悪も、世間を単位として動くことで事態が深刻化しました。反グローバリズムの象徴としての「共同体の復活」と世間の同調圧力(空気)を克服する「個の確立」とは、「両方とも」達成されなければ日本国民は救われない気がします。
戦争や改革要求といったインパクトが外国から襲ってきますが、それらに国民が過剰反応して「バスに乗り遅れるな」とばかりに日独伊軍事同盟を結んだり、「グローバリズムが世界の趨勢だから改革しなきゃ世界で孤立する」と急進的で破壊的な改悪を推進したり、こんなものは日本人の「負の国民性」です。笹師範に「国民性(という言い訳)に逃げるな」と言われそうなので、今回は「じゃあ、双系システムに戻ったらどうよ?」「そのための端緒が愛子天皇の即位じゃね?」と解決策まで提示してみました(笑)。
さて、進化論の話にも少し乗りましょう。適者生存を訴えたのはダーウィンですが、私は今西錦司や南方熊楠といった共生の思想を含む生態学の方が好みです。適者生存=「個の確立」、共生=「共同体の復活」と比定すれば、この両者は並存不可能なものではないと考えます。共生する種あるいは個体が、それぞれの能力による合わせ技を用いて環境に適応しつつ生命を繋いでいくことは可能だと考えます。共同体の中で世間に飲み込まれない程度に個を主張していくような行き方です。これにはバランス感覚が必要ですが、それこそが保守が備えるべき能力だと考えます。
基礎医学研究者
2022年4月24日
興味深く読ませていただきました。「適応」という言葉には、自分はこれまでまあまあ良いイメージを持っておりました。でも、それが悪い方に作用すると「過剰反応」ということになってしまうのは、確かにその通りなのかもしれない、と今回の「コロナ禍」ですごく思いました。最後は、自らの歴史・伝統の知恵を信じて、天皇制を支えねばいけない、と思った次第です。
*なお、これは余談です。ちなみに、生物学でいう「適応」は、生物の生存(子孫)の残すことに貢献する基質を獲得していくプロセス、という感じで、必ずしも個体にとって良いことかどうかとは無関係ですかね。あと、進化的には祖先を共有しないで、独立に生じることもある、という感じです(たとえば、魚のひれと、クジラのひれの起源は別々のような感じ(クジラのような鯨類は、陸上の哺乳類の祖先より、海に適応するためにひれを獲得したというような))
京都のS
2022年4月22日
猿様、ほとんどの事象が政治利用されますね。コロナ禍も海外の戦争も米定憲法も、そして天皇までも…。
運命を仕組まれたS
2022年4月22日
リチャード様、そこから「シン・ニホンコクミン」に進化したいですね。
京都のS
2022年4月22日
チコリ様、野田議員に突撃した行動力に脱帽です(ココで言うのもアレですが)。無意識を覆すのって疲れますよね。強硬姿勢で気付かせようとするより、さりげなくい気付きを与える程度の方が効く場合がありますね。
運命を仕組まれたS
2022年4月22日
あら?せっかく素晴らしい扉画像を作っていただいたので、保存しようと思って右クリックしましたが、効きません。ブログのシステムが変化したのでしょうか?
Richard Tiger
2022年4月22日
やはり、どうにかして愛子天皇を実現したい
チコリ
2022年4月22日
エヴァンゲリオン?は知らないけど、「残酷な天使のテーゼ」は大好きです!
(男系)直系主義、権威主義、虫唾が走ります。
自分の兄弟は絶対男系!で、どんなに皇室の危機や過去の事例を語っても聞く耳を持ちません。
その心は?と考えましたが、私には「無意識の男尊女卑」以外に納得のいく答えは見つかりません。
彼らの場合「ならぬものはならぬ!」これに尽きます。
無意識ほど恐ろしいものはない、と思います。
運命を仕組まれたS
2022年4月22日
殉教@中立派様、替え歌ありがとうございます。西部邁氏の高弟たちにも聞かせたいですね。
なのフェイ様、團十郎(自称・智也)さんとは別人ですよね?
猿
2022年4月22日
扉ですよね〰️
日本の象徴が利用されるなど
もってのほかですわ┐(´д`)┌
自ずと希望は一つです
(o^-^o)
猿
2022年4月22日
日本を遺す為の象徴を絶やしてはならない。象徴が利用されるなどもってのほかと思います。
自ずと希望は一つです。
殉教@中立派
2022年4月22日
残酷な原理を捨てて 双系の神話 戻せ
光る風が今 新時代に吹いている
今上陛下に 耳を塞ぎ しがみついた陋習
ドグマ振りかざし ポジショントークに夢中で
無視された子供たちの いたいけな瞳
だけどいつか気づくでしょう そのまま行けば
近い未来 皇統絶える 危機がある事
残酷な踏襲のテーゼ この国からやがて消え去る
迸る変化の波に 国民が目覚めたとき
誰よりも 光を放つ 愛子さまと神話 創れ!
↑以前、羽鳥Mショーをネタにした替え歌の、別バージョンです。本ブログのBGMとしてお使い下さい。
なのフェイ
2022年4月22日
ミサトさんはイイゾ❗
運命を仕組まれたS
2022年4月22日
ダダ様、ありがとうございます。変わることから、逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ…ですね。
ウクライナ戦争後の日本人は、ネルフから逃亡したシンジ君のように閉じこもると思います。コロナでも閉じこもりましたが、「嫌なことから逃げて何が悪いんだよ!」て気分でしょうね。
ふぇい様、扉の変更もコメントもありがとうございます。エヴァの章タイトルみたいに「サービスサービスゥ!」な画像です。
年齢が上の人なら市川崑監督の「金田一耕助」シリーズが浮かぶのかもしれませんが(笑)。
ふぇい
2022年4月22日
おはようございます。
今回のブログ画像
最初はエヴァンゲリオンに似ている新幹線の画像でした
https://www.photo-ac.com/main/detail/22162866
ダダさんのコメントはこちらを見てくださっての投稿ですね。
ありがとうございました。
そこからエヴァ感をより出したいと思い、
現在の文字画像に変更させていただきました。
京都のSさん、皆さまありがとうございます。
愛子天皇誕生という凄まじいインパクト
わたしは見たい!
運命を仕組まれたS
2022年4月22日
わ!エヴァ感を増した扉画像に替えていただき有難うございます!
ダダ
2022年4月22日
新幹線 500 type EVA の写真は文末に繋がるわけですね^^
たしかに「ATフィールド全開ッ!」で「逃げちゃダメだ」ですよね。
反動的逆流。日本が社会主義に転向(吸収)されることは無いと思いますが、ウクライナ問題後の世界に不穏な空気を感じます。
その中で愛子天皇の実現はまさに希望です!
運命を仕組まれたS
2022年4月22日
いきなり載っていてビックリしました。「母系(~縄文期)・双系(縄文後期~中世)・父系(近世~)といった多様な家族システム」の件は、十番勝負2に向けた特設ページにある、縄文学から導く双系システム論( https://aiko-sama.com/10589-2 )を参照してください。
父系から母系(縄文前期)がファースト・インパクト、母系から双系(縄文後期)がセカンド・インパクト、双系から父系(近世)がサード・インパクト、父系から双系(今から!)がフォース・インパクトです。これを起こすロンギヌスの槍こそが愛子天皇誕生だと考えています。
その上「ATフィールド」まで登場しますから、本論はエヴァ的要素がテンコ盛りなのです(笑)。