野田議員、有識者会議プランを徹底批判!

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4月5日に続き4月22日、野田佳彦元首相が有識者会議の報告書に対する批判を毎日新聞に寄稿しました。
https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20220421/pol/00m/010/005000c
(ほとんど全文が読めます)

記事の要点と、野田議員が寄稿したことの意味について簡単に解説します。

■記事の要点
前回の記事は有識者会議の報告についてでしたが、今回は報告書の内容について論じています。

・女性皇族と一般国民である男性が結婚した場合、女性のみ皇族のままというのは、現代の家庭では非現実的

憲法第1章(「天皇」)と第3章(「国民の権利及び義務」)がぶつかる家庭になってしまう。(中略)あらゆることが制限される皇族とあらゆる自由が認められる国民がいる家族が成り立つとは思えない。

・旧宮家系国民の養子縁組は憲法違反

旧宮家だけが皇族になれるということになれば、門地による差別となる。①②の両案とも憲法に対する深い洞察が全く感じられない。
(引用者註:①②の両案=女性皇族が結婚後も皇室に残る案、皇統に属する男系男子が養子縁組して皇族に復帰する案のこと)

・旧宮家系国民の養子縁組では国民の支持が得られない

そもそも旧宮家が民間となったのは約75年前。報告書は、憲法施行後約5カ月間、いわゆる「旧11宮家」の皇族男子が皇位継承資格を有していたと正当性を主張するが、既に長い年月が経過してしまっている。
皇室が国民に尊敬されるのは、お子様のころから姿を見続けて親近感がわき、成長して公務をつとめられる姿に尊崇の念を持つというプロセスがあるからこそだろう。
長く一般国民として自分たちと同じように暮らしていた方を皇室の養子となったからといって、いきなり皇族として敬えというのは難しいのではないか。

・制度設計が十分になされていない

養子で皇族に復帰した本人は皇位継承資格を持たないとしているが、お子様が生まれた場合の言及はない。しかし、これは重要な視点だ。安定的な皇位継承が最大の課題であり、その観点から言えばお子様に皇位継承資格があるかどうかの議論は避けられない。本来ならば不可分であるはずの皇位継承の議論を切り離してしまった分、不十分な制度設計になってしまっている。

・安定的な皇位継承策として、皇族の婚姻の情報発信の在り方についても検討をする必要がある

皇籍を離れる結婚でさえ、これだけの騒ぎになってしまった。皇籍を維持する場合の結婚は、それ以上の関心を集めるだろう。女性皇族も養子になった方も、そして当然、次代の唯一の皇位継承者である悠仁さまのご結婚も同じことが言える。
皇族の婚姻の情報発信の在り方をどうするのか。非常に難しい問題ではあるが、結婚の環境整備として対応していかなければ、皇位継承や皇族数確保などの提案をいくらしても成り立たなくなる危険性がある。早急に知恵を絞っていく必要があるだろう。

■立法府から報告書の疑義が上がったことの意味
一般メディアであまり論じられませんが、議員には法律案のチェックという重要な役割があります。
「立憲主義」で「三権分立」された「民主主義」国家であれば、憲法に違反している法律案を、国会議員のチェックと議論なく成案することはあり得ません。
首相経験者でもある有力議員が、内容に対するしっかりした批判をしたことで、有識者会議プラン賛成側はその批判への回答をせざるをえなくなりました。
破綻した論理を延々と説明するのか、このプランを撤回するのか、要注目です。

■私たち国民ができること、すべきこと
私たち国民は、議論の論点を把握し、論理や筋が通らないことを見つけたら、速やかに意見表明することが重要だと思います。
ひとりひとりが表現者というとハードルが高く感じるかもしれませんが、各々のできる方法で政党、議員やメディアに意見表明していきましょう。

文責 千葉県 まー

11 件のコメント

    ただし

    2022年5月11日

     野田議員という優秀かつ有力な表現者が居てくれるからには、我々も、微力かも知れませんが、反応者となり、また表現者として意見を表明していきたいと強く思いました!

    基礎医学研究者

    2022年4月27日

    いまさらながら、野田議員は国会議員としての責務をきちんと果たしている方だと思います(三権分立の精神がスローガンでないとするのならば、憲法に明らかに違反するような法律案を、政府案だから、という理由で通すわけにはいきません)。そして、まーさんがいわれる最後の部分、「私たち国民ができること、すべきこと」。これこそが、ニヒリズム克服の道であると、改めて思った次第です。

    jacker

    2022年4月26日

    さすが尊皇派議員というほかありません。
    あの民主党政権の時、最初の首相が野田議員だったら・・・・・

    まー

    2022年4月26日

    >チコリさん
    続編もお楽しみに!

    チコリ

    2022年4月25日

    野田議員、ありがとうございます!!

    まー

    2022年4月24日

    >なのフェイさん
    応援していきましょう!
    たった1人であっても、有権者が議員に伝えるメッセージというのは大きいようですね!

    >京都のSさん
    本気で皇室を考えている人と意見が合うというのは嬉しいことですね。

    >ダダさん
    ロシアによる戦争が国際秩序の破壊であるように、憲法違反プランが通ってしまえば法規範はさらに有名無実化してしまいますね。
    事は皇室の話にとどまらないように感じています。

    >ゴロンさん
    新聞社にメッセージを送るなど、いつも具体的に動かれていて、素晴らしいと思います。
    動かれた時は、また教えてください!

    >urikaniさん
    意見フォームというのがありましたか!
    私もやってみます!

    urikani

    2022年4月24日

    野田議員…ホレてまうやろーっ!
    (≧∇≦)
    毎日新聞のコメント欄にコメントを書き込み、意見フォームに感想を送りました!
    野田議員他本物の尊皇派議員のお陰で、希望を捨てずにいられます(T_T)
    愛子さまを皇太子に!(*´ω`*)

    ゴロン

    2022年4月24日

    野田議員の有識者会議の報告書の指摘について各議員の方々が真摯に向き合って、超党派で議論を進めていって欲しいです。手遅れになってしまう前に。

    ダダ

    2022年4月24日

    野田議員、本ッッ当に頼りになります!!

    国会議員の職務(=法律案のチェック)は確かにそうですね。
    事務方が作って議員が多数決で決めているのイメージが強いので、私は忘れていました。法律の立案・改正の実績が、国会議員の能力を見る一つの指標ということですね。

    女性皇族は皇族のまま、相手の一般国民は国民のまま。
    これは同一世帯で皇統譜と戸籍に分かれることになるので、実現不可能な制度です。

    京都のS

    2022年4月24日

     全ての問題点が網羅された見事な文章です。さすが尊皇派議員の最高峰です。

    なのフェイ

    2022年4月24日

    野田議員野党をまとめて、頑張って下さい。

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