今こそ『昭和天皇論』!国難を乗り越えた天皇と国民の紐帯

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昨日は昭和の日でした。言わずと知れた、昭和天皇の誕生日です。
敗戦という未曽有の国難を乗り越えた昭和天皇の話からは、国を守るとはどういうことかを考えさせる教訓が多くあります。

漫画家・小林よしのり先生の描かれた作品『昭和天皇論』には、
終戦を迎えGHQと対峙する様子や、その心の拠り所とした天智天皇のエピソード、
君臣との絆、類稀なる政治的手腕などが紹介されています。

それと合わせて、「第7章 昭和天皇の御巡幸」では、戦後すぐに全国を駆け巡り、各地の国民と交流して勇気づけられていった様子が描かれています。
以降、その様子を一部ご紹介します。


昭和天皇のお出ましに、どこでも国民は万歳三唱して大歓迎。
「四十歳を超えた猫背の男」を晒して権威を失墜させようとしたGHQの企みは、ものの見事に外れます。

初めはぎこちない応答しかされませんでしたが、次第に気さくに会話していけるようになります。

千葉県の銚子港では、帰って来た漁師に対し、
「どうだ、獲れたか?」とご質問。
漁師が両手に魚を掴んで
「こんなに獲れました!」と返答すると、
「大漁だね!」
とニッコリ笑われたそうです。

長野県北佐久郡軽井沢町・大日向開拓村には、
満州の開拓地で旧ソ連の侵入にあい、
命からがら帰国してきた人々が住んでいました。
昭和天皇はそこに、ジープも入れないでこぼこ道を2キロも歩いて慰問されました。


戦災孤児を保護していた佐賀県因通寺・洗心寮では、
その子供たちと言葉を交わして元気づけます。
子どもの一人は、昭和天皇が帰られる際に裾を掴んで離れず、車のところまで着いてきてしまったそうです。
周りが大慌ての中、昭和天皇はニコニコ。
「また来てね。」という子に対し「また来るよ。」と返します。
この訪問を詠んだのが次の御製です。

みほとけの
教まもりて すくすくと
生い育つべき
子らにさちあれ


非常にタイトな日程をこなしながら全国をまわられた昭和天皇の御巡幸が、どれだけ国民の心を救ったか知れません。
それが戦後復興を精神的に支えたことは容易に想像できます。


国民の心を癒すその力の源は、千年をゆうに超える長きにわたって、歴代天皇が民の安寧を祈ってきてくださったことによるものに他なりません。

当たり前のことですが、男系血統によるものなどでは断じてありません。

天皇と国民が紡いできたその紐帯を守ることが、迫りくる新たな国難を乗り越えるために必要なことであると、昭和の日を機に改めて思いました。


文責:静岡県 L.K (30代、男性、土曜日ブログ担当)


10 件のコメント

    くりんぐ

    2022年5月3日

    日本が敗戦という痛手から立ち上がり、奇跡の復興を遂げることが出来たのは、昭和天皇が国民に寄り添い、見守ってくださったから。
    そのお気持ちに応えたいと、国民が望み励むことが出来たから。
    天皇と国民が一丸となれたからこそ、日本の復興は果たされたのです。

    ただし

    2022年5月1日

     うおぉ、めっちゃ勉強になります。
     あのごーまんも、初めて自分の中に落とし込めた思いです。

    てるてる

    2022年5月1日

    まさに日本存亡の危機を救ってくださったのが昭和天皇です。
    そしてその戦いを支えたのは、尊皇心溢れる当時の日本人でした。
    「昭和天皇論」に描かれた情景から考えると、彼ら彼女らには、天皇が男性か女性かなんて全く関係なかったんだろうな、と感じます。
    日本人としての魂を取り戻さなければなりませんね。

    L.K

    2022年5月1日

    基礎医学研究者さん
    『昭和天皇論』を絶賛した男系保守派って、『戦争論』を誤読した連中と同じようなにおいを感じますね・・・。
    彼らにとっては、昭和史も皇室も、自分にハクを付けるためのアクセサリーという認識しかないんじゃないでしょうか。
    同じものに感銘を受けていても、公心の有無でその捉え方は大きく変わるもんだなあと感じます。

    殉教@中立派さん
    昭和天皇の、ご自身の命を顧みない毅然とした態度は、日本の伝統を背負っているという自覚、責任感から来ています。
    これこそが、伝統がもたらす本物の強さ、ですよね。
    まだ幼少であった上皇陛下にも、お父上のご態度を通じてその伝統の強さが伝わった、感動的な瞬間でもありました。

    L.K

    2022年5月1日

    コメントいただき、ありがとうございます!

    ダダさん
    日本が魂までアメリカに屈服した訳ではなかったことの証ですね。
    昭和天皇と国民が一体となって示した反骨心を、日本人は蘇らせてほしいです。

    サトルさん
    国難に立ち向かった昭和の時代に思いを馳せながら、5月ゴー宣道場、よしりん十番勝負の議論に学び、これから起こる時代の変動に備えたいです!

    ただしさん
    「第4章 「聖断」という奇跡」の「ごーまん」がまさにそれを表していると思います。
    「天皇という無私の主君がおり、臣下は天皇を仰ぐからこそ、時として個を超えた能力を発揮できる。」
    何だかんだ言って、信じられるものを持っている者は強いですよ。

    殉教@中立派

    2022年4月30日

    私が、この本で好きな箇所はP59。昭和天皇が、マッカーサーを凌駕し、(少年時代の)上皇陛下と学友たちが、歓喜する場面。昭和天皇も、のちの上皇陛下も「この国の歴史・伝統が創り上げた、本物の強さ」を理解なさっていた事が分かる。

    ・・一方、男系派は「天皇の歴史がどーたらよりも、ただいるだけでいい、祈っていりゃあいい、外交カードでいりゃいい、血の器だろうと、それが日本の伝統の強さなんだぜ、イヤッハアー!」と、見当違いの浅薄さである。
     日露関係もそうだが、「歴史の忘却」は恐ろしい。小林先生の本で、歴史感覚を取り戻せる私たちは、恵まれている。

    基礎医学研究者

    2022年4月30日

    興味深く読ませていただきました。自分の記憶では、「昭和天皇」が発売された当時、実は男系保守派の人には絶賛されたのですよね~( ̄▽ ̄;)。ということは、少なくとも「昭和天皇」が日本の歴史・伝統を救ったことは読み取れているはずで、そうであるならば、それが「「男系」を守るため」などというドグマのはずがないことは、無意識のレベルで分かっているのではないか?と、L.Kさんの論考を読んで思った次第です。それゆえ、自分も5月の「道場」「十番勝負の2番」に、大いに期待するものです。

    ただし

    2022年4月30日

     天皇と国民の紐帯とは、きっと、公と私を合わせ持つ個を育て上げるのかな、と思いました。

    サトル

    2022年4月30日

    今こそ『昭和天皇論』……全く同感にございます。

    日にちまで、まさに……と思わずにいられません。

    また、5月の「道場」「十番勝負」に向けての、必読書……とも思います。

    ダダ

    2022年4月30日

    昭和天皇の巡幸がGHQへのカウンターとなったことは痛快でした!
    この令和でも皇室への敬愛、親しみを形にして紐帯を創りましょう!

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