「毒親」という言葉を最近よく耳にします。
子供の意思を尊重せずに自分の価値観を押し付け、子供の人生に多大な悪影響を及ぼしてしまう親などがそれに当たります。
変わりゆく時代の流れの中で、自分の老後や家の存続・相続に不安を抱く親が、昔ながらの家父長制的な風習を子供に押し付けようとして軋轢が生じる。
そんな話もまたよく聞きます。
男系派の主張を聞いていると、結局は、変化を嫌って懐古主義にしがみつき、自身の安心を得ようとしているだけにしか感じられなくなります。
5月のよしりん十番勝負2『国家再生会議』で、登壇された藤井氏は、皇室の品格を守るために、宮家や皇室入りする方を「育成」すると発言されました。
その藤井氏は、自身のブロマガ(有料)で育成プランを提示していますが、その内の一つに
女性皇族婚姻後の宮家残留や、旧宮家の復活等を通して、宮家を増やし、宮家同士の交流を促進すること(同時に旧宮家、旧華族と皇室との交流促進)。
(藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~「小林よしのり先生、施輝恒先生との“男系論”vs“女系容認論”の真剣討論から得たもの ~皇室論は「対立」でなく「宥和」を常に目指すべきである~」令和4(2022)年5月16日配信より)
を挙げています。
現代に貴族階級を復活させようと言わんばかりの提言に唖然としました。
男系派全般に、皇室を過去の姿に戻したいという思いがくすぶっているのではないでしょうか。
男系派は、今の日本の風潮がイヤなんでしょう。
歴史を大事にせず、軸もなく空中を彷徨っている今の日本。
どこに飛んでいってしまうかわからない不安から逃れたくて、過去とのつながりを感じたがっている。
それで自分の懐古主義的な理想像を、皇室に押し付けているように私には見えます。
だけど今を生きる皇室の方々からすれば、勝手にそんな理想を押し付けられてもたまったものではありません。
伝統を受け継ぐということは、過去の形をそのまま残すということではありません。
上皇后陛下がかつて仰っていた通り、今の時代にあった伝統のあり方というのがあります。
「今」から目を背けず、そのあり方を模索して次代につなぐことが、この時代を生きる私たちに課された使命なのではないかと思います。
※「三大病理」その2は、15日(水)12時に掲載する予定です。
※今日はこの後、2本目のブログとして参院選について書きます。
12時アップを予定していますので、そちらもどうぞご覧ください。
文責:静岡県 L.K (40代、男性、土曜日ブログ担当)

12 件のコメント
L.K
2022年6月12日
殉教@中立派さん
毒親は子供を、アメリカは世界を、男系派は皇室・伝統を支配しようとして悲劇を生んでいます。
毒親は、親としての役割を果たす、という責任感もあるのでしょうが、それで子供を支配する、というのは違う気がします。
(もちろん、緊急時に「支配」せざるを得ないことはあるでしょうが。)
ましてや男系派など、何様のつもりで皇室・伝統を支配しようとしとるんじゃ!と思います。
ただしさん
現実から目を背けてはいけませんね。
オウム事件も、コロナ禍(生命至上主義、陰謀論の両面で)も、現実を受け入れられない者が起こした災禍という側面があります。
L.K
2022年6月12日
サトルさん
「あなたの為を思って……」
そういうのは結局、独善なんですよね。
誰かの為を思うなら、まず何よりもその人のことをしっかり見なきゃ。
男系派には、皇室の方々、そして日本の現状にまず正面から向き合ってほしい。
それから考えてほしい。
「男系に固執するのは誰(何)の為なのか?」と。
基礎医さん
形をマネるだけでは伝統を継承したことにはならないですよね。
その中にあるエートスを受け継ぎ、「今」と融合させなければ、自分は良くても次に繋げられません。
上皇后陛下のお言葉は正に至言だとつくづく思います。
L.K
2022年6月12日
コメントいただきありがとうございます(^o^)
京都のSさん
彼らが「歴史を大事に」という動機は、自分や自分を取り巻く世界が過去からのつながりを持っていると感じて安心したい、ということだと思っています。
だから、自分自身が馴染んでいる「歴史」以外には関心が無いのでしょう。
ダダさん
これ読んだときは、もう、戦前に戻りたい感が溢れ出ててクラクラしちゃいました。
GHQや現憲法への反発は分かりますが、だからといってそれ以前に戻せばいいと考えているなら安直に過ぎます。
くりんぐさん
施氏は「経済的不安が無いんだから3人くらい産めるでしょ」的なことを仰ってましたが、
それを皇后陛下の前で言えるか?
と問いたいです。
ただし
2022年6月12日
男系派の分析にうなりました。さすが、と思いました。
m(_ _)m
今を生きる我々の使命は、今の時代から目を背けず、今の時代にあった伝統を守ることですね☆彡
(^^)
殉教@中立派
2022年6月11日
「親ガチャ」や「毒親」という言葉については、以前からあれこれ考えていたが。何だか「イラク戦争時の、アメリカに似た体質だなあ」と思った。
9.11直後の米国は、精神が不安定になり、まずは国の「内部」を強権的な法律で締め付け、自国民の自由を奪った。次はイラク・アフガンなど「外部」に対して、自分らの理想を押し付け、現地の異国民から反発された・・・というもの。
毒親の場合も、自分の理想に対して独善的になっている事が多いだろう。まず自分の理想(因習)を「内部」の子供に押し付ける。そうした者らは「外部」の皇族方にも「税金で食わせてやっているのに。そんな家庭は気に食わない」と(週刊誌記事を鵜呑みにして)皇族バッシングに興じる・・・そんな、一貫した精神性があるのではないか?と考えている。
男系派は、アメリカに憧れて真似をしたがるが。「強さを示し、押し付ける事」を真似されたのでは、救いようがない。それで招かれた皇統危機・・エゴイズムが、国家の大事件になるとは・・・。小林先生の「公と私」の考え方が、社会に浸透していない事に愕然とする。それでも私たちは、一つずつ危機に立ち向かうしかないだろう。
サトル
2022年6月11日
すみません、訂正です( ノ;_ _)ノ
「育った」ではなく、「育てられた」です。
あまりにも、「核心を突いて」たので、エキサイトしてしまいました( ノ;_ _)ノ
基礎医学研究者
2022年6月11日
「その1」興味深く読ませていただきました。
”男系派は、今の日本の風潮がイヤなんでしょう。歴史を大事にせず、軸もなく空中を彷徨っている今の日本。”なるほど、確かに。後半部分については、わかる部分もあります。ただ、だからといって「復古主義」をとるというのは、少し単純すぎませんかね。そして、その理由がL.Kさんのブログにありますようにひも解いていくと、「自分達が不安で、自分達の気が済まないから」では、一体どこが保守なのだろうかと。その2に、期待しております。
サトル
2022年6月11日
連投失礼します。
さらに、「困った時、苦しんでる時」には、「さらに追い討ちをかける」もしくは、「より以上の仕打ち」、情すら切り捨てます。モラハラ的なことも含め。
そんなことを考えると、「毒親」はまさに!と思いますし、「小林よしのり」に託した事実を知ったなら、自称保守男系派は「愕然」とし、「腹を切る」か「姿を消す」くらいのことをするべきのハズ。
しかし大抵「目も耳も塞ぎ」、「懐柔」しようと、醜態を見せる……。これも毒親と同じ。
うん、まさに「毒親」かと思います!!!
ただ……絶対に「認めない」んですよね……。
サトル
2022年6月11日
実際毒親に育った私に(詳細省略)は、とってもよくわかります。
マウント症候が、強いのです。
共通しているのは。
あと、共通してるのは「あなたの為を思って……」です。
ザワザワします。
くりんぐ
2022年6月11日
毒親は「子どものため」と言いながら、結局は自分が可愛くて「自分のため」に子どもに自分の価値観を押しつけます。
子どもを自分の分身、モノとしか見ていないのです。
男系派は尊皇心を謳いながら、皇室よりも自分に利益を与えてくれる男系派の方が大事なのです。
「男子産め圧力」で皇后さまをご病気に追い込み、今もご療養中の身の上だというのに、それを忘れて、同じ過ちを悠仁さまの未来の結婚相手にも繰り返そうとしています。
皇室の方々を男系継承を続けるための道具としか見ていないのです。
旧宮家や旧華族の子孫も、同じようにしか見ていないのでしょう。
京都のSさんのおっしゃってるように、男系派はモラハラ夫のような面があります。
皇室の方々の公務や暮らしが国民の税金で賄われていることを理由に、皇室の方々が少しでも自分の意に沿わないことをすれば、「誰のおかげで生活できると思ってるんだ!」「税金泥棒」と罵ってきます。
妻に「誰のおかげで生活できると思ってるんだ!」と罵る夫は、定年後間もなく妻に捨てられるケースが多いとのこと。
男系派を野放しにしていれば、皇室の方々に愛想を尽かされるのは時間の問題です。
皇室の方々が「皇室の一員になれてよかった」と思える環境を整えるのが、国民の責務です。
愛子さまが未来の天皇となることが叶う道を開くために、自分にできることを全うしていきます。
ダダ
2022年6月11日
藤井氏、旧宮家だけではなく旧華族まで出してきたんですか(^▽^;)
(憲法14条:華族その他の貴族の制度は、これを認めない)
もう何でもありですね。
こういう人がいるから宮家詐欺が起きるんでしょうね(;一_一)
皇室が伝統を変えていくのは国民を信じているからです。
大切なのはこれから。
伝統を変えていきましょう!
京都のS
2022年6月11日
男系派は毒親、その通りかもしれません。その伝で行くならモラハラ夫も当てはまりそうです。男系派が抱く懐古主義の中身は武家が支配した男尊女卑的な時代への憧れです。もっと古い今より女性が輝いていた時代(古代)のことは一顧だにしていません。捕手は歴史を大事にするのではないのですか?と言いたくなります。
その2を楽しみにしています。