大きな視点

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 小林よしのり著 『ゴー宣special 新・堕落論』(幻冬舎 2018年)の第16章「オーディエンスか ロボット天皇か」では、イギリスで、首相が毎週1回

女王陛下に国内外の状況を報告する「オーディエンス(謁見)」のことがとりあげられています。

 1980年代、当時のサッチャー首相は、イギリスの国益になりにくい、南アフリカの人種差別政策に対する制裁に積極的ではありませんでした。

 そのような首相の政治方針に、女王陛下ははっきり異議を唱えられ、このことを知った首相は、女王陛下に激しく抗議をしました。

 女王陛下とサッチャー首相は外交について、ただただ対立していたのかと思っていたら、そうではなかったことを最近知りました。

 1979年に行われた、イギリスの旧植民地の国々の連合体「コモンウエルス」の会議で、女王陛下は、首相をコモンウエルスの国々の首長一人一人に紹介してまわられたそうです。

 政治家とは異なる視点で、決して利益のみではない王室外交。

 これができることが、君主国の最大の長所だと私は思います。

 今年3月、愛子さまのご成年に際しての会見が行われました。

 凛として咲く花のようなお姿、周囲の人々に配慮されたお言葉に、私は大変感動いたしました。

 愛子さまが天皇となられ、外交を行われたならば、相手国の元首たちはその

ご様子やお言葉に感銘を受けて、日本に好印象を持って帰って行かれるように

思います。

 世界の中で堂々とかつ暖かな思いやりをもって活躍される愛子さまを、私は是非見てみたいです。

【参考】NHK BSプレミアム

    「エリザベス女王愛される理由~即位70年の軌跡~」

文責 愛知県 たこちゃん

6 件のコメント

    殉教@中立派

    2022年7月15日

    「右派と左派が、『ロボット天皇論』において握手している。イギリスの立憲君主制を日本に導入しようとしたGHQの方が、今の左右イデオロギー論者の天皇観より、はりかにまともだった(新堕落論P191)。」

    左右の学者や政治家に蔓延する「ロボット天皇論」。更に一般国民の無関心さが加わり、ノイジーマイノリティの「見せかけのパワー」が、遥かに増大している。「皇族方の自由を、どこまで認めるべきか」は、私達でも意見が分かれる問題なので、尚更難しいと思う。それでも「ロボットではない。朕は象徴なり。」の志を、昭和以来の歴代天皇陛下が、行動で実践して下さった。そこから開かれた「新しい伝統」への変化の道、決して無駄にせずに、国民みんなで繋いでいきたい。

    サトル

    2022年7月15日

    実に楽しく、拝読させて頂きました。
    イギリスは、それこそ血みどろの「戦い」を経てるだけあり、「王制」や「憲法」を強みも弱味も身体に染み込ませてるかと思います。もちろん「三枚舌」「植民地支配の仕方」「宗教の怖さ」「泥棒(笑)」も染み込んでる。「同盟」も「躊躇なく日本を切ったり(同盟国として模範だった日本を……)」

    オーディエンスは「是非」と思いますね。
    皇室の方々は「国民の伴走者」であり、かつ、「日本の歴史の伴走者」なのですから。

    れいにゃん

    2022年7月15日

    エリザベス女王即位70年記念式典は、NHK BSもLIVE配信して御祝いしていましたね。エリザベス女王が愛される理由をユーモアや国民に寄り添う姿に求めていました。でも一番の理由は「立憲君主」のお立場を正しく理解して責務を果たされているからだと思います。そして、誰も性別に言及していませんでした。
    立憲君主として、海外の要人と接する愛子さまは、その名の通り、敬われ愛されることでしょうね。

    基礎医学研究者

    2022年7月15日

    心温まるブログでございました。私、思うにイギリスの場合、「権威」と「権力」を分けるとこういういいことがある、という実例のような気が致しました。そして、たこちゃんさんいわれるように、それ以上に愛子さまが天皇陛下になられたら、このブログで書かれているような場面が、目に浮かぶような気分になった次第でございます。

    ダダ

    2022年7月15日

    オーディエンス、日本でも取り入れて欲しいですよね。週1回の頻度なら、首相の気も引き締まると思います。
    愛子さまが古典に関心があるのは、国語を修めようとされているからではないでしょうか。
    愛子皇太子、愛子天皇は日本の希望です!実現させましょう!

    なのフェイ

    2022年7月15日

    エリザベス女王は、みんなをつなぎ止めるセメント。

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