【新聞意見投稿】産経新聞記事_L.Kさん~保守思想の原点に立ち戻ってほしい

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9月20日付産経新聞の記事 安倍氏「遺産」と命題 皇位継承 託された「男系男子」 に対し「感想文」を投稿した報告です。

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平素、貴紙におかれましては、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。

9/20に配信された千田恒弥氏の記事「国難日本 安倍氏「遺産」と命題 皇位継承 託された「男系男子」」を拝読しました。
その内容について、下記の通り指摘させていただきます。

1.トランプ-安倍会話に見る本記事の欺瞞
2.安倍氏の姿勢に対する評価への疑問
3.天皇陛下ら皇室のご意向を省みない姿勢への疑問
4.(終わりに)真の皇統弥栄・日本繁栄のために


1.トランプ-安倍会話に見る本記事の欺瞞
冒頭のトランプ氏と安倍氏の会話が噛み合っていません。
トランプ氏は「どれぐらい?」と問うているのに、安倍氏はその問いに応えず男系継承を強調しています。
これではトランプ氏の「それは、すごい!」という言葉も、何に感嘆しているのかわからなくなります。
日米首脳同士の会話という重要な場面で、このような頓珍漢な応答が本当に行われていたのでしょうか。

もし本当だったとしても、このような身のない会話から何かの価値を認めることはできません。そこに価値を感じるとしたら、それはトランプ氏・安倍氏・男系継承というだけで価値を見出す非知性的な態度と言わざるを得ません。貴紙の読者はそれで納得する程度のレベルだ、と認識されているのでしょうか。

そしてもし「皇室の男系継承の長さに米大統領も感嘆!」というストーリーの下で改変、あるいは創作したのであれば、皇位継承問題という、国家のあり方に関わる何よりも重要な問題を論じる上で極めて不誠実です。
馬鹿な会話をしていたというフェイクを流されたトランプ氏、安倍氏に対しても失礼この上ありません。

いずれにしても、本記事に留まらず、千田記者、ひいては貴紙の信用に関わる問題です。このような軽率な態度は厳に慎んでいただきますようお願いいたします。

2.安倍氏の姿勢に対する評価への疑問
また、安倍氏が皇室の危機回避に奔走、と書かれていますが、安倍政権下では、旧宮家系の男系男子を皇室に迎え入れる動きは全くありませんでしたし、その考えすら無かったといいます。
これは国会での答弁にて明らかにされたことです。
・平成31年3月20日、参院財政金融委員会、安倍総理大臣(当時)答弁
https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814370X00520190320/273
・令和3年3月26日、参院予算委員会、加藤官房長官(当時)答弁
https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120415261X01720210326/251
千田記者、並びに貴紙は、何を以て安倍氏を評価しているのでしょうか。
歴代最長期間、権力の座についていながら、具体策を進めもせず、ただ自分の反対する策を潰しただけで良しとするのであれば、その無責任さにおいて野党を批判する資格はありません。
政治を論評する以上は、「やってる感」に満足せず、結果にこだわる姿勢で臨むべきと考えます。

3.天皇陛下ら皇室のご意向を省みない姿勢への疑問
そもそも、男系継承を維持するために、生まれたときから国民である旧宮家系の男系男子を皇室に迎え入れるという案は、天皇陛下を始めとする皇室の方々のご意向にどれだけ沿っているのでしょうか。

尊皇心があり愛国心がある者なら、安倍氏の遺志以上に、皇室の方々のご意向を尊重するのが当然です。
国民主権に胡坐をかいて公を省みないリベラル派じゃあるまいし、たかだか国民に過ぎない我々が、陛下の御心を省みもせず皇位継承を云々するなど、不敬にも程があります。

昨年の有識者会議の結果についても同様です。
この点はとても重要なことですので、皇室の方々のご意向が踏まえられているのであれば、是非とも報じてください。

4.(終わりに)真の皇統弥栄・日本繁栄のために
英国王室は、チャールズ国王への御代替わりとともに、連合王国の解体、君主制の崩壊という危機が取りざたされています。
あれだけ莫大な資産と、影響力と、皇位継承資格者に恵まれている英王室ですら、国民と調和できなければ存続は危ぶまれるのが現実です。

一方で、「国民との調和」は、皇室の最大の強みです。
上皇陛下は、ご在位時の平成17年、女性・女系天皇を認める小泉政権下の有識者会議報告を受けて、「国民と苦楽を共にすること」こそが伝統であるとのお考えを、お誕生日会見(問3)にて示されました。
https://www.kunaicho.go.jp/okotoba/01/kaiken/kaiken-h17e.html
この精神は、以降、皇室の方々が折に触れて何度も口にされていることです。
この精神こそ、天壌無窮の神勅から続く皇室の伝統であり、権威の源泉であり、日本の歴史・誇りであると考えます。

国境や国家間の枠組みが目まぐるしい勢いで変動しつつある国際情勢の中、日本国・日本国民統合の象徴である天皇、および皇室の権威が損なわれることは、国家の分裂に直結する重大問題です。
保守を自認される貴紙であれば、そのことをよくご理解いただけるはずです。

国家解体を目論む敵は共産イデオロギーだけではありません。
保守思想の原点に立ち戻り、真に皇室の弥栄、日本の栄につながる言論を展開していただきますよう、切に願います。

最後になりますが、貴紙のご活躍をお祈り申し上げます。
<<以降、個人情報を記載>>

静岡県 L.K

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