先日、最終回を迎えたドラマ「エルピス~希望、あるいは災い」は、
世間(権力を忖度するTV局)にも権力(与党の大物と警察官僚)にも屈しない
ジャーナリスト浅川恵那(長澤まさみ)という恐るべきヒーロー像を見せてくれました。
浅川は自身がメインキャスターを勤めるNEWS 8で、
岸本拓朗(真栄田郷敦)が追い続けた冤罪事件と副総理(山路和弘)による真犯人隠蔽、
そして別のレイプ事件もみ消しを苦に自死した副総理の秘書(迫田孝也)の件を扱いたいと交渉しますが、
まずディレクター(三浦貴大)から事件への言及を禁じられ、さらに浅川の元恋人にして元報道部エースで
現在は副総理の秘書である斎藤(鈴木亮平)から副総理との繋がりを伏せて報道しろと要求され、
返答を明日に伸ばすと「君は事故か病気で出れなくなるよ」とも脅されました。
副総理との繋がりを伏せるという条件を飲んだ浅川ですが、
岸本から真犯人(永山瑛太)に関する決定的な証拠Vを受け取ると、
決然とした表情で本番に臨み、掴んだ証拠を余さずカメラの前で伝えました。
TVの前で快哉を叫ぶ協力者や関係者、涙を流す被害者遺族、スケープゴートにされた死刑囚(片岡正二郎)と
家族同然だったチェリーさん(三浦透子)の喜ぶ姿も…。
私は、浅川が決死の覚悟で本番に臨んだ時の表情から、ある思想書の一節を思い起こしました。
「武士道といふは死ぬ事と見付けたり…二つ二つの場にて早く死ぬ方に片付くばかりなり…別に仔細なし…胸すわって進むなり」…ご存じ『葉隠』です。
戦場に赴く浅川恵那は、図に当たらない場合など気にもかけず、胸すわって進んでいると私には映りました。
浅川も岸本も長いもの(TV局内の世間)に巻かれたくなくて始めた戦いでしたが、
長いものに巻かれて死んだように生きるくらいなら、死ぬ可能性もあるけど自分が正しいと信じる道へ片付いたわけです。
ちなみに反権力ドラマ「エルピス」を権力に近いフジ系列で作る計画は、
プロデューサーの佐野安祐美氏が脚本家の渡辺あや氏と出会ったことから始まったそうです。
劇中の浅川にしろ佐野・渡辺両氏にしろ何と気骨ある女性たちでしょうか。
やはり我が国は、女帝が活躍した古代のように、
女性が率いた方が良いのではないでしょうか?
つまり、権威(≠権力)の最高位には
愛子様が立つべきではないでしょうか?
むしろ男は劇中の岸本のようにサポートに回る方が良いのかもしれません。
文責 京都のS
7 件のコメント
京都のS
2023年1月8日
カブ好き様、そうですね。権力者が女性になることの是非は論点の一つではありますが、権威の象徴に女性がなれない状態が放置されていることは、論ずるまでも無い異常事態です。
チコリ様、機会があれば観てください。
ダダ様、ありがとうございます。
ダダ
2023年1月7日
愛子天皇に異議なしです!
カブ好き
2023年1月7日
私も「エルピス」にハマった1人です。長澤まさみさんを始めとする俳優陣の迫真の演技、リアルなストーリー、巨大権力に立ち向かいながら苦悩していく心の描写がとても丁寧で、毎回のめり込んでは涙を拭っていました。
日本を女性が率いたら良いかは分かりませんが(公の精神と能力があれば性別は関係ないと思うので)、愛子様は天皇になるべきだと思います。愛子様という素晴らしい方を蔑ろにして、旧皇族系国民を天皇にするなんて馬鹿げてます。
チコリ
2023年1月7日
ドラマ「エルピス~希望、あるいは災い」観ていなかった、悔やまれます。
京都のS
2023年1月7日
リカオン様、コメありがとうございます。日本の政体はヒメヒコ体制ですよね。権威はヒメで権力はヒコです。琉球なら聞得大王と琉球王ですね。
ところで、この文章で誤解を受けるとしたら「女性の方が度胸があるからと言って女性を矢面に立たすのか?」という言い分でしょう。その点については、タイトルに「男前な女性たちに倣い…」と入れていますから、男も覚悟を持てよって意味です。
リカオン
2023年1月7日
卑弥呼が超能力で人民を支配し、実務的な政治は弟に補佐をさせていたとあります。
これが古にあった日本での女性が祭祀を行い(権威)、男性が政治(権力)をする形態があり
→天皇と摂政→天皇と将軍→天皇と政府
と変遷しながら権威と権力を分けて規模を拡大しながら統治してきたのではと思いました。
女性天皇と政府で全くおかしくないです。
京都のS
2023年1月7日
「エルピス」を推してきたので、最終回を受けて書いてみました。以前の「エルピス」ネタが( https://aiko-sama.com/archives/21150 )です。