連載第三回目を読んで印象に残ったのは「血統」です。
実は「皇統男系」に拘る切っ掛けになったのは18年ほど前に保守系メルマガ(Japan on the Globe 国際日本人養成講座)で「万世一系のY染色体(天皇は代々Y染色体を受け継いでいて女性天皇は未亡人か生涯独身、旧宮家が大多数民間にいるので愛子様と結婚して愛子様が皇后になれば万事解決という内容)」と言う記事を読んでからでした。それまでは愛子様が天皇になるのだと思っていて皇室の「Y染色体」を含む血統についても全く関心など持ち合わせておらず、今でいえばこの怪しさで埋め尽くされた眉唾なメルマガの記事も当時は高森明勅氏のような専門家が研究して書いたものであると頭から信じてしまいました。記事の末尾で参考文献に「八木秀次、中川洋八」と二名の名だけが記載されていましたが当時は八木秀次と統一協会の癒着もまったく知らず、中川洋八もそこまで怪しい人だとは思いもよりませんでした。要するに皇室に関してあまりにも無関心であり無知だったわけです。愛子様が誕生して間もない当時はむしろ、私や私の周囲の人々も皇室に対しては皇族同士の近親婚が続いて病弱な皇族が相次いで誕生してきたという印象も根強かった事から、「血縁上、全く縁のない一般人と結婚するべき」という気持ちしか持ち合わせておらず、愛子様が天皇になる事に異を唱える人も私が知る限りいませんでした。
その後、「新天皇論」を読み終えて考えを改めるようになりましたが正直、悠仁様誕生後は悠仁様が次の天皇になるとばかり考えていまして、周囲の人々もいつの間にやら悠仁様が天皇になると思う人が増えていったのも覚えています。
話を愛子天皇論第三回目に戻しますと、「男野系子」は「新天皇論」を読む前の自分と結構見解が似ていることから全くの他人事とは思えず、自分に言い聞かす形で読んでそこがすっごく面白いのです。「愛子天皇論」と比較すると「天皇論シリーズ」では政治家や学者など著名な人々の見解を中心に物語が進んでいて知識を中心に見解を改める事に効果的でしたが内心を見つめ直すという点では「愛子天皇論」は近親感が沸き、全く逆の見方から皇室について考えられる所に面白みを感じます。
次回作はどうなるか、カレーせんべいさんのライブ動画でいろいろと話題になりましたが、これは「自分が男野系子だったら次はどうやって直系よしりんに挑むだろう」という感想が自然とわいてくるからだと思います。次回から「男野系子」が登場、もしくは中心人物から外れたとしても次はどんなかつての自分が現れるのか楽しみで仕方がありません。かつて、「戦争論」で自分の「公」に対する認識を大きく改めるきっかけになりましたが、「愛子天皇論」もかつての皇室を中心に自分の世界観を改める良いきっかけになる事は間違いありません。このような読者がきっと多く輩出し、日本の空気は「戦争論」以上に一変するでしょう。次回作にも期待します。
1 件のコメント
れいにゃん
2023年1月25日
内心を見つめ直しながら読み進める。私は戦争論を読んだ時がそんな感じでした。
愛子天皇論の面白さの秘密が分かった気がします。ありがとうございました。