愛子天皇論第5回「女の血は穢れか?」で男野系子が男系固執主義にハマっていった過程を知り、山岸凉子さんの短編「天人唐草」の主人公響子を思い出しました。
響子の父親は、女子が男子の生徒を“くん”付けで呼ぶことを、「男の側から聞くと生意気で気持ちのいいものじゃない」などと言ってしまう、男尊女卑の権化のような人です。
そんな父親と、父親のいうなりの母親に育てられた響子は、父親に認められようと一生懸命ですが何をしても裏目に出てしまい、上手く生きることが出来ず周りからも扱いづらい存在になってしまいます。
「他人の目を、他人の評価を気にし過ぎだ」と指摘してくれた同僚もいましたが、男性観が歪んでしまっていたために、理想の男性像からかけ離れたこの同僚の指摘を聞き流してしまいます。
響子の父親は、響子に「こうあってはならない」と言い含めていた女性像そのものの派手な愛人宅で倒れて亡くなります。混乱し、打ちひしがれた響子を襲う、さらなる不幸によって発狂してしまいますが、「狂気というオリの中で」やっと解放されたというラストでした。
かわいそうにー( ;-; )
系子も響子も、タイプは違えどこじらせちゃってます。系子には直系よしりんによって、本当の意味で解放されて欲しいです。
4 件のコメント
urikani
2023年2月14日
基礎医さん、れいにゃんさんも書かれていましたっけ(A^_^;
後で見返してみます!
なんだか感想になっていない感想ですみません|ω・`)<スマソ
京都のSさん、「天人唐草」は山岸凉子自選作品集におさめられていて、本のタイトルにもなっています。
巻末の故中島らもさんの解説もいいんですよ。響子の父親を「父権制社会の亡霊を背負って立ったような男で、戦前のモラルや価値観が紋付ハカマを着た、といった存在だ。」と表現されています。
女性議長に「響子の親父くん」笑
(≧▽≦)www
mantokunさん
わたしは「天人唐草」は社会人になってから読みました。この短編集シリーズは何度も繰り返し読んでいます。
ラストは衝撃でしたね(>_<。)
お父様、残念ですね。
いつか分かって下さるといいですが。
秋篠宮殿下のご婚約会見?を職場でみんなでキャッキャッ言いながら観ました。
その頃は皇統断絶の危機なんて微塵も分かってなかったです。
おっしゃる通りですね!
その頃に皇室典範改正をしておくべきでしたね。目からウロコです。
mantokunさんもお母様もご聡明な方ですね。
なんも考えてなかったわたしです(A^_^;
愛子天皇論のご感想も素晴らしいです。
コメント欄だけではもったいないなぁ…
mantokun
2023年2月13日
「天人唐草」は「日出ずる処の天子」で有名な山岸凉子さんの傑作短編ですね。私は高校生の頃に読んで、ラストの展開にショックを受けました。私の父親も自分の理想像をもとに娘にあれこれ厳しく言いつけるタイプで、ヒロインの境遇が全くの他人事とは思えませんでした。
その父は安倍晋三元首相支持派であり、その流れから当然のようにHanadaとか正論の愛読者で、昔はそんなことなかったのに、いつのまにか天皇は男系男子派になってしまいました…。
小林先生がおっしゃるように、「皇位継承は静謐な場で議論すべき」という一見常識的に見える詭弁に長年押し切られてきた結果、男系男子固執派のカルト思想が国会議員や、「女は早々に嫁に行って子供を産むのが幸せ」という考えを根強く持つ団塊世代、日本人としての自己肯定感を男系男子継承ルールに求めるしかなくなった団塊ジュニア世代まで広く汚染してしまったのだと思います。
本来なら、秋篠宮殿下のご結婚前に「直系長子が皇位継承すべし」と皇室典範を改正しておかなくてはいけなかったのだと思います。その当時、私は小学校高学年でしたが、母が「これで礼宮様の方に先に男の子が産まれちゃったりしたら、国民は皇太子殿下のご成婚前から皇位継承が弟に移るのかと思っちゃうからややこしいよね」と話していたのを覚えています。(結果的には眞子様、佳子様と女子のご誕生が続いたわけですが)
その当時にさっさと長子継承を決めていれば、現在のように現職の国会議員が憲法を完全に無視して男系男子継承が正しいだの、旧宮家から一般人を皇室に入れればいいだの恥ずかしげもなく放言するような事態にはならず、天皇より自分の方が偉いと思い上がるような保守カルトがここまで跋扈することもなかったはず。
また、愛子様ご誕生で雅子様のご心労も解消され、国民は安堵の眼差しで愛子様のご成長を見守ることができたはずで、つくづく先送りし続けた国会議員どもの怠慢と罪深さに怒りが湧いてきます。最近小林先生がおっしゃっている通り、もはや皇統問題は実行する気もない政治家には任せておけません。
男野系子の背景を、男尊女卑思想に基づいた理想像押し付けによって自己実現を阻まれ、傷心したことに設定した小林先生の洞察力はさすがです。ここを掘り下げることは、一向に止まらない少子化や晩婚化、非婚化といった現代日本社会を解き明かすことにもつながると思います。
「愛子天皇論」は皇室が古来双系継承であったことを説くことだけが目的ではなく、人は変われるし自分はそう信じている、愛子様にときめくことができる社会こそ健全であり、そうした社会を日本に作っていかなくてはならないという小林先生の力強く希望に満ちたメッセージが込められた作品だと思いました。
京都のS(サタンのSじゃねーし)
2023年2月13日
「天人唐草」は面白そうな作品です。山岸涼子は要チェックですな。「女子が男子の生徒を“くん”付けで呼ぶこと」が我慢ならないのなら、国会の議長が女性議員になったら、このオヤジ発狂しそうですね(笑)。
基礎医学研究者
2023年2月13日
(編集者からの割り込みコメント)興味深く読ませていただきました。山岸涼子さんの漫画。読んだことはあるのですが、短編「天人唐草」は初めてしりました。これは意表をつかれた感想!と最初思ってしまいました…なるほど、以前、たしかれいにゃんさんも系子のキャラは山岸涼子の・・・といわれていたのは、これだったのですね。たしかに、数奇な運命という意味では、2人はにておりますね(正直、保守親父もかぶる(# ゚Д゚))。ですが、urikaniさんいわれるように、系子には自分も、本当の意味で解放されてほしい!と、思う次第です。