本日(2月19日)、まーさんが上げてくださった『日刊SPA!』に掲載された倉山満の記事『常に不安定な「皇位継承の伝統」をいかに守るか』は、2月14日号の『週刊SPA!』(発売日は2月7日)と同じ内容でしたね。
ウソも100回つけば真実になるとでも思ってんのか、それとも全く同じ手法で公論戦士に論破されたいだけの、マゾロングスタイルの人なのか・・・?
特に天照大神に関する記述が、あまりにも恣意的過ぎて目も当てられないレベルだったので、今回、私からは神話に対する倉山の主張に的を絞って反論させてもらおうかと思いまして、「可能な限り易しく」要約を試みたところですが・・・??
●倉山の主張
【天照大神と須佐之男命は姉弟婚で、2人の両親はイザナキ・イザナミである。両者の子孫が神武天皇なので、皇統は神話の時代から男系継承である。】
(記事2ページ目「皇神・アマテラスが女性だから、女系継承が伝統とは一体……」より)
○ 突撃一番の反論(というか、ボヤキ)
・・・これ反論する前にまず、声を大にして一言言いたい!
書いてる内容がワケわかんなさ過ぎて、要約できねーんだよ!!!(怒)(怒)(怒)
結局何が言いたいんだ!?
倉山は要するに、天照大神の「皇祖神」としての権威を、どうにかガンバって否定したいのかね?? 「皇祖・神武天皇」とまでハッキリ言ってるから、そういう事なんでしょう。
モグラ叩きどころかもはや「糠に釘」状態だけど、気を取り直して反論してみるよ~(笑)
〇 というわけで、やっと反論。
まず、天照大神と須佐之男は、いつ結婚したんですか? ひょっとして「誓約(ウケヒ)」の儀式の事を指して言ってるのかな?
誓約はあくまで、スサノオの潔白を証明するための儀式だった筈なのですが、いつの間に「婚姻の儀式」扱いになったのでしょうか?
新婚ホヤホヤで、子宝にも十分恵まれてる割には、スサノオはすぐブチギレDVモードに突入しゃうわ、天照さんは天岩屋に籠って新婚別居状態になるわ、なかなかに凄惨な「夫婦生活」ですね?
イザナキ・イザナミが最後まで「愛しき我が汝夫の命…」「汝妹の命…」と、お互いを思い合っていたのとは、だいぶ雰囲気が違うみたいですけど??
古事記の編纂者が、一体どういう教訓を後世に残したくて誓約を「姉弟婚の儀式」扱いにしたというのでしょうか?
明らかに「婚姻」と推定できる材料が、なさすぎると思いますよ。
おまけに倉山は、2人の両親がイザナキ・イザナミだから、天照大神が皇統の始まりではない、とでも暗に言いたいようですが、この解釈にも無理があります。
そもそも天照さんが産まれた時点で、イザナミは既に亡くなっているので、ハッキリ「両親」とは言えないんですよ。
高森明勅師範曰く、古事記に描かれているイザナキや天照大神のエピソードには、「神様の成長物語」という側面があり、神様も最初から全知全能というわけではないそうです。イザナキは当初、我が子を殺したり、黄泉の国へ足を踏み入れるというタブーを犯しながら成長し、清められた結果、天照大神を産みました。 また天照自身も、邪心の無いスサノオを一方的に疑ったり、誓約のルールを捻じ曲げたりと、数々の失敗を経験しながら最高神へと成長されました。
(ゴー宣ネット道場配信動画『古事記ワンダーランド』第3回~第6回)
記事の中では明確な言及を避けている倉山ですが、もし彼が「天照を産んだのはイザナキなんだから、イザナキが皇統の始まりだ!」とでも主張したいのであれば、神話の解釈があまりにも短絡的過ぎると思います。
ダメ押しで付け加えると、『天壌無窮の神勅』を下されたのも、御自身の分身である八咫鏡を含む「三種の神器」をニニギノミコトに賜ったのも、そして『旧譜皇統譜』における「世系第一」も、イザナキさんじゃないでしょ?
※ちなみに「世系」とは、「祖先から代々続いている血統」という意味です(広辞苑)。
神武天皇は、「世系第六」。
文責 北海道 突撃一番
4 件のコメント
れいにゃん
2023年2月26日
『高森明勅師範曰く、古事記に描かれているイザナキや天照大神のエピソードには、「神様の成長物語」という側面があり、神様も最初から全知全能というわけではない』これですよね、ダンケーカルトに徹底的に欠けている視点は。
完全無欠の「掟」があるという思い込みが笑える。
Dr.U うさぎ
2023年2月26日
🐇
アマテラスとスサノオの誓約、たしかにイザナギ・イザナミとはぜんぜん雰囲気が違いますね。
まぁ、言おうと思えば、どうとでも言えます。フロイト派の心理学者とかなら、アマテラスが「剣」を、スサノオが「玉」を、それぞれ噛み砕いて神々を産んだことに、何らかのセクシュアルな意味を見出しそうです。エロ話か!
そもそも、神話の次元で、男の血筋とか女の血筋とか、そんなもの関係ないです。『天壌無窮の神勅』で、アマテラスが「あんたたちは私の子孫だからね、国治め、よろしく頼むよ」と言ってるのも、別に「あんたたちは(女である)私アマテラスの(女系)子孫だからね」みたいなつもりで言ったわけではないでしょうし。「男系」も「女系」も関係なし、ここで言いたいのは「人系」ではなく「神系」だということでしょう。
神話は、味わうものだと思います。ときにしみじみ、ときにはらはら、ときにわくわくと。それが特定の政治的イデオロギーを正当化するための道具になってしまったら、そんなのもう神話ではありません。
倉山くん、いい加減にしろ。きみがやってることは、古事記への侮辱だ。わかるかなぁ、いや、わかんねぇだろうなぁ。
突撃一番
2023年2月25日
ふぇいさん、掲載ありがとうございます!
サトルさん、コメントありがとうございます!
倉山の場合、神話に関する知識は特に浅いみたいで、ホントに小手先の解釈しか出来てないくせに、無理矢理「男系継承の根拠」に結びつけようとするから、余計にワケわかんないんですよね・・・。
「論語読めない論語知らず」状態ですね。
サトル
2023年2月25日
突撃一番さん
いつも拝読しております。
不覚にも(お怒りは十二分に理解、同感なのですが……)、
「書いてる内容がワケわかんなさ過ぎて、要約できねーんだよ!!!(怒)(怒)(怒)」に大爆笑してしまいましたm(_ _)m