読売新聞の記事です。
[あすへの考]【昭和天皇「拝謁記」】皇位継承議論 原点は民意…日大教授 古川隆久氏 60
https://www.yomiuri.co.jp/koushitsu/20230401-OYT1T50269/
(有料記事)
古川氏の考えには賛同できない部分もありますが、重要な指摘をされています。
まず、沖村編集委員のリード文が現状の問題を端的に表しています。
象徴天皇制は戦後75年余りの歩みを重ねてきた。その支持は、令和以降の読売新聞の世論調査で8割に達した。ただし、皇位継承権者は戦後最少の3人と、危うさをはらんでいる。
皇位継承の不安定さは、天皇制の屋台骨を揺るがす問題であり、平成の小泉政権から方策が議論されてきた。しかし、何も決まらないまま、もう20年になろうとしている。
古川氏は皇位継承問題についてこう述べています。
いま直面している皇位継承の不安定さも、制度設計の問題です。私は拝謁記に刻み込まれた「民意をくみ、政治が決める」という象徴天皇制の原点に立ち、早急に解決すべきだと考えます。
平成の退位もこの原点に立った議論で実現しました。「加齢や健康上の理由で国民と共に歩む象徴の務めが果たせなくなる」という上皇さまの考えは、マスメディアの世論調査で、多数が支持と判明します。私は有識者会議で退位の容認に慎重な意見を述べました。しかしながら、多数の民意をくんだ政府の検討と国会の審議を経て、退位の特例法が成立したことを高く評価しています。
現在、政府が念頭に置く皇位継承の安定化策で、問題解決につながるのは、〈1〉女系天皇の容認〈2〉旧皇族の男系男子の皇籍復帰――いずれかの案でしょう。〈1〉を認める報告書をまとめた小泉政権の頃から、民意の傾向は〈1〉の支持が上回ってきました。読売新聞の3年前の調査では〈1〉の賛成が59%、〈2〉は18%という結果でした。
象徴天皇制を民意にふさわしくする――。かつて田島が背負ったこの責務は、政治家によって果たされるべきだということが、第一級の歴史資料の検証で明確になりました。700人を超える国会議員がいて、皇位の安定化に半歩も踏み出せない現状を、国民は厳しく批判すべきです。
皇位継承問題について、新聞でももっととりあげていってほしいですね。
この記事がその端緒となれば、と思います。
意見投稿先
読売新聞 https://contact.yomiuri.co.jp/form/
皇位継承の不安定さは天皇制を揺るがす問題だ。初代宮内庁長官の田島道治が書き残した「昭和天皇拝謁記」の公刊に取り組んでいる古川隆久・日大教授は、こう指摘します。「民意をくみ、政治が決める」という象徴天皇制の原点に立ち、早急に解決すべきだ――。2日朝刊「あすへの考」で。(隆) pic.twitter.com/2B4xxAVO7W
— 読売新聞 編集委員室 (@y_seniorwriters) April 1, 2023
8 件のコメント
ゴロン
2023年4月2日
先程の読売新聞社への意見投稿、失礼なことに「古川氏」について間違えて記載していたので、再送しました。
ゴロン
2023年4月2日
私も、読売新聞社のお問い合わせフォームで意見投稿をしました。
・・・・
皇位継承議論について取り上げた記事の掲載ありがとうございます。
「皇位継承の不安定さは、天皇制の屋台骨を揺るがす問題であり、平成の小泉政権から方策が議論されてきた。しかし、何も決まらないまま、もう20年になろうとしている。」という沖村編集委員の指摘は全くその通りと思います。ただ、皇位継承者は3人とされていますが、内二人は83歳の常陸宮様と、天皇陛下と同世代の秋篠宮様であるので、実質的に悠仁様お一人であり、もう本当に後がない状況だということをさらに強調した方が良かったと思います。
吉川氏は、現在、政府が念頭に置く皇位継承の安定化策として、2つの案を挙げ、その民意の支持の傾向を示していましたが、「象徴天皇」についての話をされていたので、女系天皇を認める民意が多数を占めることだけでなく、旧宮家の男系男子の皇籍取得(初めから国民なので「復帰」ではありません)案は、憲法第14条の「門地による差別」にあたり、憲法違反である疑念が高いことを示し、そのような方が日本国、及び日本国民統合の象徴である天皇を継承することが相応しいのかについても言及して頂きたかったです。
そして、「700人を超える国会議員がいて、皇位の安定化に半歩も踏み出せない現状を、国民は厳しく批判すべきです。」という吉川氏の指摘は最もだと思います。これには、読売新聞社を始め、マスメディアの役割も重要です。皇位継承の議論が国会で進むように、いろいろな側面から今回のような記事を掲載して頂きたいと思います。
私は、安定的な皇位継承には、少なくとも、皇室典範改正案「第1条(皇位継承の資格)皇位は、皇統に属する子孫が、これを継承する。」を採用し、女系天皇への道を開く他ないと考えます。それにより、愛子皇太子が誕生することになれば、様々な要因で閉塞した日本に、爆発的に明るい光が灯ることになると思います。
読売新聞社様も、是非、愛子皇太子の誕生に向けた世論の形成に一役買って頂ければ嬉しく思います。よろしくお願いいたします。
JACKER
2023年4月2日
今回の記事は、読売新聞の良記事でしたね。
今後も、このような記事を出してくれたら言うことはありません。
京都のS
2023年4月2日
久しぶりに感想を送っておきました。首肯できない点を幾つか指摘しつつ、民意を汲むなら答えは出てるでしょ?と書いておきました。
基礎医学研究者
2023年4月2日
貴重な情報、ありがとうございます。読売新聞、先月は「岸田総理へのありえない反発記事」で水を差してくれたのでやや不安を覚えましたが、その記事に関する自分も含めた読者からの意見・コメントが反映しているのでしょうか?ざっと見た限り、すべてには賛同しませんが、建設的な記事でございましたね(意見・コメントは、今回も送るデショウ)。
やはり、継続的な意見・コメントは、新聞社にとっても、読者が何を求めているのか、社会の動向を客観視しているのかの指標になる、と思った次第です。
*「サトルさんの”倉山満を斬る”連載が、古川氏の知識として、役立ちました。
L.K
2023年4月2日
記事紹介ありがとうございます!
民意が100%信用できるものではないのは言うまでもなし。
だけど皇位継承問題は、皇室のご意向、法的・歴史的な妥当性、そして民意(庶民の常識的感覚)がピッタリ合致する。
新聞・メディアは、カルトの妨害や圧力に怯むんじゃないぞ!
自信を持って愛子天皇への道を作り上げよう!
サトル
2023年4月2日
古川隆久教授ですか。
あの「倉山皇室論」にて、倉山が「猪突猛進、粗雑」と評し、さらには印象操作で絡んだ人物。確かに賛同できない「部分」はあるものの、議論は出来る人物と思います。この「流れ」は、加速したい……と思いますね。
mantokun
2023年4月2日
「700人を超える国会議員がいて、皇位の安定化に半歩も踏み出せない現状を、国民は厳しく批判すべきです。」
これに尽きますね。国会議員が、男系男子に縛った皇位継承を先送り、放置し続け、過去に先例のない立皇嗣の礼などという儀式まで行って、無責任極まりない怠慢のツケを秋篠宮様に押し付けている。
そのくせ、馬鹿男系派と結託した売らんかな主義のマスコミが、大衆の俗情を刺激して秋篠宮家に繰り広げるバッシングは完全放置。
こんな状況だから、絶望的に頭の悪い男尊女卑カルトどもがつけ上がって、男系男子継承は政府も皇室も容認しているなどと吐き散らし、便所の落書きが増え続けているわけで、国会議員はさっさとまともに仕事しろと言いたいです。