愛子天皇論第16回感想:32. 漢乃益荒子≒異邦人!?(magomeさん)

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「愛子天皇論」第16回目の感想です。

新キャラ「漢乃益荒子」の登場で、ますます「天皇論」と出会う前の自分の過去を思いだしては振り返る機会が多くなりました。

「漢乃益荒子」を見て真っ先に思い出したのは欧米を中心とする海外に長い間滞在してすっかり今は死語となってしまったであろう「海外かぶれ」になってしまった人々の事です。君主国を含めて欧米では「リベラル(社会主義)思想」が強い人や団体、集団は決まって反強権力で伝統破壊主義、反資本主義、そして反君主制度と言う思想を徹底しています。特に社会福祉制度が極めて強い国や地域ではこの思想が強く、フランスや米国西海岸、カナダ西海岸が顕著です。これらの国、地域は労働組合の力が極めて強く、ストライキの温床だったりします。そして、反君主制の中には当然、天皇を含む皇室も対象になっていますので天皇制の廃止、あるいは実質的な廃止を主張する人が多く、ちゃんとした自分の主義主張ができる「公」を意識した「個」を保っていないとたちまち彼らの「反天皇制」を含む反君主制の主義主張に身も心も飲み込まれてしまいます。海外に長らく滞在して自国の文化、慣習に全く関心が持てずに滞在先の現地の人々からも相手にされなくなり、帰国してもすっかり滞在国の太鼓持ちのような人となり、日本でも中々馴染めずに苦労をし続ける人々を多く見てきました。おそらく「漢乃益荒子」もフランスではフランス人からは表向きでは交友を保っているものの、内心では個性のない人として冷ややかな目で見られていると思われます。欧米人は表裏が結構はっきりしていて表面では仲良くしているようでも家庭や所属してる共同体(コミュニティ)では邦人を含む余所者に対しては結構陰口を叩いていて、決して共同体の一員として「漢乃益荒子」のような人を認める事はありません。

結局「皇統男系絶対」を唱える人々もフランスの反君主制にすっかりかぶれてしまった「漢乃益荒子」も日本人としてのアイデンテティどころか、正解か不正解かの二者択一しか思い浮かばずに、自分の体験や経験に基づく見解を作り上げていくという「個」を作り上げる上で最も重要な行いを怠ってきたことから同じ穴の狢だという結論に達しました。海外に滞在する邦人にも色んな人がいますが、25年ほど前までは邦人と言えば大手企業、外交官、留学生、大学教員とその家族のことを指していました。これら邦人の子女たちも立場上、現地の学校に行くことはありますが日本に帰国して日本の学校を含む日本の世間に海外帰国者と思われないように馴染ませる事を目的に教育されていましたので現地人と論争したり、主義主張をするくせがついて帰国後に日本の世間に馴染めないような弊害が起こるよりも「海外かぶれ」程度にして日本の世間に比較的少ない弊害によって馴染んでくれることのほうがはるかに将来的にも安定していたわけです。邦人は日本に帰国する事が前提であり、勤め先の企業や役所の中でしか実質生活しておらず、海外で現地の文化や人々と触れ合い、自国人としてのアイデンテティを育む機会は皆無だったと考えられます。

海外にいても日本人としてのネトウヨが言う「愛国心」とは全く異なる自然に育まれたアイデンテティ、すなわち常識が整っていなければ海外から日本を客観視する事はできません。健全なインターナショナリズム(国際感覚)を育むには健全な国家間が育まれなければなりません。

「愛子天皇論」は、只の「女系公認」ではすまない、一読者には予想もつかない大作になるでしょうから、次回も楽しみにしています。

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